人材開発とは、類推が出来るようにすること 7月第2週号

2014年7月第2週号(#19) 経営

人材開発とは、端的に言えば、思考力を上げ、脳の活性化を図り、類推が出来るようにすることです。




若い時から能力開発に取り組むことは非常に素晴らしいことです。
特に思考能力の開発に積極的に取り組んでいる大学は素晴らしいです。
4年間での学生の能力育成ということを真剣に考えており、教授の選び方や大学としての全体を見る姿勢からもこのことをうかがい知ることができます。

大学で知識を習得する必要はありません。入学試験の際にコツを覚えているかどうか、そして期末試験でどの程度内容を理解しているかで差が出来るのです。
学生にとって本当に必要なことは高校で習った知識の再認とその応用であり、講師の知識をそのまま受け入れるのではなく、これからの人生をどうしたら有意義に過ごすことができるようになるのかを深く考えるために、脳を活性化することを学ぶことです。

知識が必要でないと言っているわけではありません。知識はとても重要です。
この知識を同じ時間内に効率よく(今迄の5倍くらい)習得できる訓練をしてほしいと言っているのです。
5倍速く習得することにより、残った時間で別の経験、実験、能力を上げることに集中できるのです。
これにより、人の2倍以上の勉強もできるし、思考も早くなり、ひらめきや気づきも多く出るようになるのです。

思考力とは論理力だけではありません。これは何度も話しているように人間には理性と感情があります。
これまで学校では科学実証されていること、行動科学として実際に経験されていることを教えていましたが、最近はもっと心の内面(insight)に重きを置いています。

科学的に証明されているといってもそれはほんの少しのことで、未だほとんどの現実に起こっている現象は十分に研究されていません。これが絶対に正しいという論理性は殆どなく、抽象的になると多くの理論が出てくるので一つにまとまらなくなるのです。

ここでは、問題解決力とか論理的に物事を解決し整理する方法、帰納法の話をしているのではありません。
未来を見据えた想像力を育み、新しいシナジー効果を生み出すような思考回路を開発して欲しいのです。従来のインターナショナル思考とグローバル環境とは全く違うからです。

先生方に教えていただきたいのは、新しい教育法で学生のために、社会のために知識ではなく思考法を教えてほしいのです。
先生方の持っているコアコンピタンスの発見の仕方、今迄の人生の中で特に困ったことがあった際の問題解決方法、あるいは自分が何か問題に直面した時に答えが出るようにコーチしてくれた人、サポーターの名前などを書きだし、その時にどんなヒラメキが自分の課題解決のために出て来たのか等を探してみてください;

脳の活性化
思考の発達
FocusExplore  集中と深耕への挑戦
Perspective    多面的な見方

これらを是非とも勉強しましょう。

杉井要一郎


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