10月第4週号 リーダー:知識派、理解派、行動派、達成派 4つのバランスとは

#87 リーダーシップ・ビジネスコーチング

全てのリーダーにとってはある一定の知識、能力はみなさん持っているにも関わらず、100のリーダーシップのストーリーが有ると、基本からマスターしようと同じことを知っていながらも繰り返し学んでいるのです。
それらの基本的内容の30%を除くと残りの内容はこの4つの種類になります。

   あなたはリーダーシップについての知識収集家ですか?
すでに立派なリーダーであるのにリーダーシップ理論のもっと多くのことを、あれもこれもと勉強されている素晴らしい知識の持ち主です。
あなたが持っているそのリーダーシップ能力を皆に分け与えることができたら、あなたの能力は間違いなく広がります。収集家から提供者になるのです。

   あなたは人の話をとことん聴き、それを理解するためにわからない事はすぐに質問し、自分がコミットできるように現実分析と論理性を明確にして次のステップに行く意志を持っている論理的理解者ですか?

新しい論理的知識を持ったあなたは、潜在意識のデータベースの拡張による理解と共に情報提供者になるのです。リーダーが1000人いれば1000種類のリーダーシップがあります。グローバル社会になると、地域、国、会社の習慣によって長期間培われた異なった潜在文化になり、新たな情報が自分の過去の情報との差別化・価値になるのです。

リーダーシップ・ビジネスコーチング


   リーダーシップの基本は皆同じです。会社・チームの未来の戦略を創造し、部下にエンパワメントをしてExecute・行動させることにより会社の利益創出の継続発展に寄与することです。これが一番大切で、実際どのように行動に移すかのマインドを持っているかどうかです。行動派リーダー

それは成功からだけでなく失敗から学ぶ実際の教育とその理解になるのです。その過程で未来の強い意志の持ち主となる人材を育成していくのです。
このようにリーダーシップに関する書籍の内容から皆さんはリーダーの成功物語とその反面教師となるような経験を収集しているのです。このようにしたら会社が良くなった、チームが活性化したというリーダーの回顧談やブログ、あるいはリーダーシップに関する教科書的な本を分析的に読んでその成功例を自分に取り入れているのです。それが一番新しいスキルであるかのように感じて、それを取り入れることに対する満足感を味わっているのです。それが自分の潜在意識の中にあるもの、価値観をくすぐっているものであれば尚更です。もしも自分の価値観と一部でも重なっていたらもっと大変です。直観的にそれが自分の未来の成功に匹敵すると感じる第六感となって直ぐにも行動に移るからです。失敗も全く同じです。自分の新しい能力となって入っていくので、このようにしなければ良いのだという潜在意識への強いインプットとなるのです。

では、皆さんは毎日、本や情報を読み、勉強をすることで本当にそれらを自分のものとして理解し、実行しているでしょうか。ほとんどの人はそれらの知識とノウハウを収集することだけに満足しているのです。この新しい知識、ノウハウを吸収することにより、自分があたかもその人物になったかのような錯覚を起こすのです。

   達成意欲:これがメディアの求めている群集心理的な価値観・差別化です。この理論と内容、行動の為の動機を知っているあなたは既に本物のリーダーです。しかし、リーダーの考えが皆と同じ考えならば結果も同じになってしまいます。それはLegacy、残された遺産です。それらに対して様々なレシピ(文章の作成による味付け)でいろいろな本が出されているのです。私たちはそれらの内容ではなくどのようにしたら効率良くプロセス、全体構築ができるか、プロセスである同じ構造に別な達成方法で新しい結果を納める事ができるかを分析し考えていくのです。その様に考え、理解させる事を気付かせるのがエグゼクティブコーチングの役目です。

なぜならば知識の収集は未来の直観・ヒラメキを起こすもとであるので、とても大切です。しかし、知識の収集はともするとそれが回答を教えてくれる道具のように錯覚するということもコーチは知っているのです。
何しろ自分で考えなくても本が回答を与えてくれるので、多くの本を読むことにより未来の回答を収集してあれば安全で、何かあった時に回答を持っていると錯覚しているのです。1000種類の別な理論的な部分が有ってもその中の基本的な部分は30%以上どんな理論でも同じ内容なのです。

4つのバランスとは自分で平行棒の上に立って本当に何が全体のバランスを取るために必要かを考え、この4つの、どこの何に力を入れれば新しい目的的思考力が生まれるのかを得る能力のことです。

このバランスを取れるようになるにはとても大きな応用技術/スキルと能力が必要です。その為のトレーニングが必要なのです。

これは個人にとってもとても大切なことです。もし、何年、何十年もかかって成功したリーダーシップの本を読んできちんと理解し、何を聞かれても適切に答える事ができる知識をもって、また自分で自分にコミットして実行してもその理論通りにならないのはなぜだかを知るからです。

皆さんは理論的に書かれている本を読むのが好きですし、左脳での思考がとても強いので、内容が論理的で、現実化されていて、もし自分でも実行できるように書かれているならば、ほんの少しの違いでも新しい能力の吸収と自分の向上心になると思われて勉強して居るのです。
それはリフレーミングされている、内容の違うバージョンと同じです。そのリフレーミングが言葉の意味の違う使い方、新鮮であたかも自分が向上するように思われる自分の潜在意識との摺合せであったり、マルチ・パースペクティブ、多方面からの観察的な見方であったとしても、その人を夢の世界に導き楽しい気持ちにさせるからです。それにより,左脳から右脳への移行が起こり自分の中で感情が高ぶり、アドレナリンが出るからです。そうなると居ても立ってもいられなくなり、その違うPerspectiveを更に差別化のために勉強し行動に移す準備をするのです。100万人の人が同じ方向で達成したくなる環境に入っていくのです。

なぜこのような話をするかというと、そういう人は読書や勉強に時間をどんどん費やしているので、この人が本当に自分の事を考えているのか単に人からの価値観の導入をExtrinsic(外からやってくる内容)に求めているのか、不思議に思うからです。もし本当にそれを自分のIntrinsic(自分で考えたもの)にしたいのならばもっと深い思考に入って自分のモノにしていかないと、とエグゼクティブコーチならば思うからです。この思考の内容に関してはさわりを前にも書いてありますので詳しくはそちらを読んでください。他の人のいろいろなアイデアが自分のものになっていくのです。自分の癖を知らないとほとんどの人が同じ習慣に陥っていることを自分ではわからないのです。そして毎月何百万もの同じ内容の本が新しい知識のレシピとして上乗せとして売られているのです。本質はみな同じでとても良いことです。

でもあまりにも時間の浪費になる勉強法はやめましょう。それでも自分が持っていないPerspectiveのギャップを埋めてくれるものがあるとリラックスしますし、気分が良くなりますね。ただあまり時間をかけて似たようなジャンルのもの、自分の好きな映画・ドラマを何度も見るのと同じような勉強法になってはなりません。それは物語なのでそのストーリー性に皆さんが溺れていくからです。でも最初のうちはこれらの本を100冊、そして1000冊くらいは読んでください。基本的な知識です。以上は分析的な観点であってそれ自体が悪い事では決してありません。

思考の変容を勉強すると、この辺りからが本格的に自分の思考を知ることになり、Present State現時点の自己認識になるのです。あなたの持っている特徴を探すのがコーチの役目ならばどうして早くそれを自分で気付くように分析しないのでしょうか。

人間って面白いですね。他人が自分の特徴を見つけてくれるのではなく、見つける気づきを与えてくれるのですから。もしそれらがチームの力によってなされるともっと強い力、チーム脳になります。

あなたの特徴は何ですか。自分で発見しましょう。先ずはあなたが自分で見えるところから、そして自分で見えないところにも探しに行くのです。

それが出来ればあなたはもう立派なコーチです。いろいろな人と話をするのが楽しくなります。自分は80%以上傾聴をしていればよいので、なにも相手に対してこれがあなたの求めているものですというコンサル的な思考ではなく、ただ一緒に考えているうちにその思考法が相手にシンクロナイズされていくからです。そしてあなたが知らないうちに相手は勝手に自分の知らないことに気づきあなたと同じような思考分析感覚になっていくのです。

ここまで来ると貴方のコーチングも本格的ですね。期待しています。新しいリーダーシップ方法が見つかった時には是非とも読者の皆様に教えてください、それがあなたが本をバランスよく読んでいる価値・ゴールなのです。

杉井要一郎 / 2015年10月第4週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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