11月第1週号 事業後継者にとって重要な4つの発達段階的な(潜在意識の)思考法の話をします。

#88 変革プログラム・コーチング

事業後継者にとって重要な4つの発達段階的な(潜在意識の)思考法の話をします。
これはほとんどの人に適用できますが、なかでも自分が持っている思考法とは何かを知ろうとしている人に最適です。

経営者が自分の潜在意識が徐々に増える、あるいは鋭くなることが認識できるようなオープンマインドを持っていれば思考法も探しやすいのです。
潜在能力の育成/醸成プログラムの中にも、本人に気づきを与える緊張感を高めるようなプログラムがあったら思考法が可視化され、今どのような思考法が必要になっているのかが自分でわかりますね。

知識ではなく資質向上のための思考のプログラムのことです。

変革プログラム・コーチング


これらの参考内容としては(一部参照)

ヒラメキを得やすくする 連鎖思考
思考を変える      真逆思考
思考を広げる      Out of the box
創造性の訓練      CreativityCQ
思考の拡散と集中のグリッド ゴールグリッド 4~9象限
思考の行動化
思考の達成化
常に冷静になるレジリエンス回復力思考
メンタルタフネスのトレーニング思考
ゴールを明確にする   IMMUNITY抵抗力、免疫力
本当のゴールは何か   裏の裏探し
潜在意識の活用とその動的拡張訓練

内容を一口で言うと 抽象化の中の具象化をビジュアライズすることです。
今まで抽象と思っていたのが実はより大きな抽象の中の一部となる小さな具象化であり、見るところによって何が具体的かそうでないかが明確でないかを見分ける力をつけることです。「群盲象を評す」のお話ですね。


例えば資質の育成方法です。メタファー、リフレーミング、レンズ視覚、社会脳、チーム脳、自己実現脳です。

次にあげる4つの思考法を新しい幹部後継者、社長後継者にわかるようにすることがまずは大切なことです。これらがわかるようになると、全ての内容を見ることができるようになるからです。

①   後継者の育成にあたってはもちろん諸々の知識を習得してもらう事が大前提ですが、それらの知識はセミナー研修会社が、どの会社に対しても同じように過去のテキストブックを使い提供しています。それは従来の学校での知識教育と同じで、ケーススタディーを加え、味つけがされている左脳の勉強会です。これがないといくら能力があっても通常の事がわからないので、先ずはこれを発達段階の下位から一段目としましょう。これがないといびつな思考になってしまうので基本的に一番大切なことです。どのような効率で何を知ればよいかと言う全体の構築が見えればそれでよいのです。

②   これからのリーダー育成はエリート教育の知識の吸収だけでなく、能力を向上させ創造性を駆使して未来を作り上げることができる実践的な人、誰もがその人の後をついていくような右脳と左脳のバランスのよい思考の持ち主を作ることに主眼を置かなくてはなりません。この能力の育成が必要です。ある程度の知識が習得されると後の知識は累積的に増えていきますので、その方法をさらに効率よくすることができれば人の何十倍もの能力が備わってくるのです。これらも発達段階的に自分の中でわかるようになるでしょう。これらは未来に関する思考です。現在の延長上でももっと空想的に思考することも可能です。

   紙に描かれた小さな点を見つめているとその点が紙一杯にコーナーまで埋めつくして見えるようになります。
紙に描かれた点の周りが光り出す現象もありますね。それと同じです。あるいは全く逆にあなた方のものの見方が今までの限定された枠から飛び出して見えるようになることです。立体絵を参考にするのです。これらの思考は全体を見る目を養うために必要です。速読法のフォトリーディングもこの部類に入ります。
全体を見ることが出来る思考法が手に入ると自分の位置がどこにいるかがわかるので今考えている部分のプロセスマインドが醸成されます。

④   能力が備わった後はそれを応用することです。実戦出来なければ単なる勉強会に終わってしまうからです。
マインドマップ等を使って実践のための思考をしましょう。そしてその内 容を実践することが思考の現実化につながるのです。其の為には選択理論、 分析等のやり方も必要になります。

この4つの思考法の可視化ができるようになれば、あとはその訓練を行うだけです。

21世紀、2015年現在の成人/社会人の思考能力は一般の学生やMBA卒業生と何ら変わりはありません。逆に若者は固定観念が少ないので新しいことに対する吸収は早いのです。では中年以上になって経験を積んだ人達の後継者を育てるにはどうしたらよいでしょうか。

基本的には会社で後継者育成プログラムを作ることがまず必要です。しかしこれまでやった事がないことをゼロから始めるのは得策ではありません。次にあげる5つの内容を根気よく勉強しましょう。潜在意識に入るまでは3年くらいかかるかもしれません。それだけの余裕を持って育てるのです。それが後継者です。よそから連れてきたとか、今迄勉強させてきてここにきて集中的に特訓をする後継候補者の場合はより短期(1~2年)になります。

後継者にリーダーになって欲しいというのでしたら先に話した①知識を習得することがまず必要ですが、もっと継続的に必要なことは②思考の拡大、拡張、と③メンタルと能力のバランス感覚です。これらを能力としてしっかり持つことで自信につながり、信頼感が生まれて初めてリーダーとして認められ始めるのでこれらは非常に大切です。そして最も大切なもの、別の課題としてあげられるのが④信頼のおける人間関係です。そして最後は自分から挑戦する実践経験です。

これらは新しく勉強するということと、阻害しているもの(阻害要因)を取り除くという作業が入ります。

今までは社長の参謀としてついてきた人たちがいくら社長から次期後継者の言うとおりにしろと言われたとしても、すぐに後継者の言うことをハイと素直に聞くということはありませんし、媚びへつらって何でも「はい、そうです」という必要もありません。社長のリーダーシップにはかないませんし、決断力もまだ足りません。直ぐ社長に相談に行ってしまうのです。それらの外部バリアーを取り除くのです。

これらの古くからいる人をしっかり統率するには時間がかかります。まず自分の特徴を出すのが最初でしょう。自分にできること/できないことを明確に区別し、これまでの参謀にはそれなりのエンパワメントをし、尊敬の姿勢を見せてお互いが信頼できるようにメンターとして力になってもらわなければなりません。
傲慢になり、相手の自尊心を傷つけるようなことがないように倫理観とマナー・エチケットを学ぶことです。それは他人から学んだ方が良いでしょう。

後継者(Successor)の在り方は各社各様です。松下塾、コマツウェイなどどこの会社でもやっていることですが、それぞれの会社の文化があるので部外者にはなかなかわかりづらいもので簡単には出来ません。

それらを理解して伴走できるのがエグゼクティブコーチです。組織のあり方から新しい思考のあり方までを構造化することに長けているからです。
これをシステミックと言い、これをダイナミックに動かすことを知っているからです。もちろんのことですが中身は自分で考えさせるのです。考えさせた後に対話して意見を言い合うのです。

本格的に知識を習得しても、未来に関しての知識でない限り日々勉強をしなければ過去の知識だけでは追いついていきません。自分の意見が入った魂のある思考の在り方を勉強するのです。

昔はエリート、所謂官僚になるためにものすごい量の知識を覚えたのです。弁護士でも同じです。基本的な知識を覚えていると他の人よりも頭が良いと思われます。これは頭の中が良いのではなく、知識のつながりがさらにいろいろな事を知っているように連鎖、同調しているからです。

しかし近年ではもうこのような知識はいくら勉強しても追いつくことはできなくなっています。データーベースには到底かなわないのです。ではどうしたら良いのでしょうか。

そこで7つの思考法を勉強するのです。これは既に前にお話してあるので項目だけを書いておきます。

1.未来に向けた長期的思考
2.直感的な発想力、想像力、インスピレーションのような創造的思考
3.倫理的思考
4.論理的思考
5.感情的思考
6.システミック、システム思考
7.連鎖思考・アナログ思考

一度得た名声も同じです。いつまでもそれが続くわけはありません。博士号でも同じです。それを授与された時にはReputation名声として皆からあがめられましたが、研究内容が一般的になった時点で他の人はその先を行っているのです。ですから情報の収集ではなく、情報の取り方、分析の仕方を知らないとこれからのグローバル世界にはついていけなくなるのです。

これらの情報収集とその分析も、これからはAI・コンピューターがやってくれるようになるでしょう。その時になって一生懸命情報収集し、簡単な分析を勉強しても、もちろん基本は知っていなければなりませんが、皆の上を行くリーダーにはなれないのです。

その上を行くのです。

それには分析したのちに実際に使えるようにしなければなりません。ここが人間と機械との違いです。
実際に使うということは人間が実行するということです。経験するということです。
それには危険も伴うでしょう。個人では恐れもあるでしょう。
一人でできない時にはチームで処理しなければならないでしょう。それらができるのが人間ですね。

詳しいことは▶️セミナーでお話しします。

杉井要一郎 / 2015年11月第1週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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