11月第3週号 どうしたら私たちは、何事にも冷静・沈着にそして、寛容に物事に対応できるようになれるのでしょう。

#90 Coaching for Mind Toughness

Mental toughness 精神的な強さ、Mind toughness 強い心・感情思考、Strong will揺るぎのない強い意志はどこから来るのか


Iron toughness 鉄の女性サッチャーはなぜ強かったのか。6th sense of women, intuitive emotion 女性の第6感と情緒はどのような環境から出て来るのか どうして女性は感情的なのに、メンタルがそんなに強いのか。人生の経験・肉体的構造が男性とどう違うのか。


どのように振舞えばよいのか。

強いメンタル、強い意志・マインドをトレーニングできれば人生は素晴らしくなるのか。 


感情に溺れるな;

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。」 夏目漱石 草枕


Fear 恐れ Anxiety心配 Funk尻込み、Coward臆病は誰もが持っている弱さです。それらを取り除けば強い精神力と心を持ったリーダーになれるのでしょうか。これらは経験により鍛えられた潜在能力と強い意志の表れでしょうか、それとも生まれつきのものなのでしょうか。自身の信念 Limited Belief?

あなたの近くではこんな人を見たことはありませんか?


  • 何か起こると、おろおろしてしまい次にどうしてよいかわからない人
  • ちょっとしたことでもパニックに陥って判断が出来なくなってしまう人
  • なぜか知らないけれどもいつもイライラしていて言葉が極端になり、相手を困惑させる人
  • 突然信じられないような決断をするので、部下やメンバーに戸惑いを与えてしまう人
  • 些細なことにも気に入らないと顔を真っ赤にして怒る人、何かあると自分をすぐに防御(Protect &Excuse)する人(そのために攻撃的になる人)


Coaching for Mind Toughness


今回はマインドタフネス、強靭なマインド、意志について少しお話しします。自分がこのような人にならないための成功の法則です。
人には二つの心があります。肯定的な思考をする心と、否定的な思考をする心です。
論理的な思考、感情的な思考は心ではなく脳の働きです。
左脳が論理的、理性的に働き、右脳が感情をつかさどり芸術や、抽象的な考え方をします。普段はこれらがバランスよく働いているのです。

マインドタフネスはその両方にかかるのです。
*ここではMind toughnessとMental toughnessとはある程度の同義語として理解してください。

スポーツでは普通の人には考えられないような苦難に耐られる強靭な精神と強い意志がないと相手に負けてしまいます。

仕事でも同じです。難しい問題解決、無理な要求、限りない挑戦は仕事の中では頻繁にあります。リーダーがそれらに耐えかねてもう自分はだめだと思ったとたんにその問題解決や交渉はだめになるのです。必要なのはMental toughness です。
これらはビジネスの交渉だけではなく、政治の世界ではよくある話です。それも世界を相手に文化や思想、思考の違う人達と互角に渡り合うことができるようになるには論理だけではとても太刀打ちできません。それらがわかるようになるにはそのような人達と何度か交渉を繰り返し、相手の振る舞いから理解していかなければ実際には納得がいかないでしょう。
なぜならば人、会社、国、宗教、信念、価値観や潜在意識上の判断基準が全く違うからです。良い・正しい/悪い・正しくないと信じている倫理観とは正反対になることさえあるのです。バランスも論理性も現実的な倫理観も全く異なっているので無視されている状態です。現在もシリアでは全く異なった思想の国々が共通の敵と別々な方法で戦っています。何を信じたらよいのでしょうか。

もう一度マインドタフネスに戻ります。

あなたのマインドは強靭タフで融通がききますか(Mind toughness)?タフというのは物事に動じないことです。どんなことが起きても動じない、あるいは動じても直ぐに気持ちが回復できるようになっていますか。この回復力をリジリエンス(Resilience )と言います。強い意志を持ち、何かあったときに直ぐにこれは難しい、だめだとは思わないでしっかりとゴールに向かって進んでいく強い意志を持っていることです。

このMind toughnessマインドタフネスは自分を強く主張する事(self-assertion)では決してありません。
自分は正しい、自分が行っていることが一番論理的で誰もがそれを当然と思っているはずというような強すぎる自己主張や自尊心(self esteem)とも違います。
メンタルタフネスとは自分の感情をコントロールする能力で、厳しい状況に直面した際にも感じ方や反応を冷静で正常な思考状態に保つことができ、研ぎ澄まされた平常心で自然な創造思考が出来ることです。
最初にお話しした、何事にも冷静・沈着にそして、寛容に物事に対応できるようになることです。

自分の嫌なこと、聞くに堪えないことを言われた時や精神的・肉体的にとてもつらい時のあなたの反応はどうですか。

2015年度ラグビーワールドカップにおいては色々なメンタルタフネスを見ることが出来ました。南アの大きな身体のフォワードに小さな体格の日本人が果敢にタックルしている状態です。これらはトレーニングをすることによって培われてきました。五郎丸のキックもそうです、ここで一つの心の乱れがあってはハーフライン(中央)からのゴールキックが上手くいかなくなってしまうと思うのではなく、自分は絶対に入るという自信が湧いてくるのです。厳しい状況下において自分の心の動きを正常なバランスに保つことです。ビジネスにおいてもどんな困難にも立ち向かえる心境のことです。

一般的に困難な状況に陥ったり自分が困ったりするとき、あるいは大勢の人の前で話すとき、恥ずかしくてそんなことはできないと思うようなときに、自分で気がついて正常な状態に戻せるマインドのことです。ShayではなくBashfulな時を過ぎる経験の話です。
アメリカの大学の調査では、ある程度の困難に遭遇した時の方が冷静に成果を出せることが多いといわれています。これも強いマインドのあり方です。あなたはどうですか? 困難に会うたびに自分が強くなり、向上心が発達して挑戦するアドレナリンが脳内に出てくるのを感じませんか。

スポーツだけではありません、イギリスの元首相のサッチャーはどんな時にも冷静で、鉄の女と言われましたが、何を言われても国のために厳しいことも決断していったのです。
最近ではドイツのメルケル首相のその強い判断力と未来を見据えた思考に対し、強い意志の持ち主、冷静な判断力を持ち続けるリーダーとしてノーベル賞候補にまでなっています。どちらも女性です。

メンタルタフネス(mental toughness)がある人の特徴は、時には他の人に対して温かみがある態度を見せます。いくら鉄のように固く、氷のように冷たい決断力の持ち主であっても、とてもつつましやかで謙虚な人間味がある人が多いのです。日本の稲盛 和夫さんはどんな状況に対してとても柔軟で鋭い感覚/知覚の持ち主です(other perceptiveness)。
このようにメンタルタフネスとは、戦いや競争的な場面で相手をやっつけようとか、相手を打ちのめしてやろうという意味ではないことを理解してください。
トップリーダーになるといろいろな困難に直面します。タフなメンタルの持ち主でないとその場で心が折れる場面も多くあります。是非ともタフなメンタルの持ち主になってください。実際にどのようなトレーニングをすればよいかを考えましょう。

これらは経営コーチングのトレーニングでは必須です。

メンタルタフネスとはあなた自身も良い方向に感じるように行動することです。
自分やその他の人が本気で心から安心する気持ちを作り上げることです。

ここでお話ししてきたようなリーダーになりましょう。コーチはこのような事をトレーニングして相手に気づかせているのです。スポーツだけではなく経営の場面でも、人生の様々な場面でもこれからはもっと必要になってきます。私どもはそれらの極限を経営の中やスポーツの中で数多く経験し、何度もして成功してきました。それらのタフネスを是非とも皆さんに身につけてもらいたいのです。タフネスとはいろいろな状況にあっても常に平常な時と同じようにふるまうことです。
世界は混とんとしていて明日何が起こるかもわかりません。そのような状況の中で自分とは何か、どのような判断が最適かをきちんと見極められる判断力を持つことが必要です。日本のような平和な国に住んでいる人々には信じられないようなことが世界中で毎日起こっているのです。これらが日本に来て初めて経験するのではなく、今からそれらを勉強しておくのです。
プロのスポーツ選手といえどもどんな状況下でも同じ結果を出すということは大変なことです。相手もいろいろなメンタルタフネスをトレーニングしているからです。
グローバルな経済社会ではそれこそ毎日変化が起こってきています。
プロになるためには、単なる自分の可能性(Potential)と行動力を追及しているだけでは何にもなりません。それらを打ち破らなければならない(Break thorough)強いメンタルタフネスが必要なのです。

変化に対応するストレスに負けないように常に自分の心を平常に維持していくためには、どんなことにも邪魔されない強いマインドを培わなければなりません。
特に国の政治を変え、業界の常識を変え、会社の文化を変えるため強いマインドと能力を作り上げるためには若いころから明確な目標とゴールを持つことです。

強い心を持つことであなたの人生は良い方に変容(Transform)してくるのです。外からの圧力Pressureに負けてはいけません。良い方向にチャレンジ(challenge)しなければガバナンスも倫理も負けてしまします。

もちろん心の強さ、メンタルタフネスだけで人生が成功するわけではありません。またメンタルを強くするには肉体的にも精神的にも健康でなければなりませんし、その健康な肉体も一夜にしてなるものではありません。、同様にタフなメンタルも一夜にしてできるものではありませんのでご自分の環境の中でこの様な人について学びましょう。。
どちらが先というのではなく両方ともバランスが必要なのです。

自動車のボディーのように堅牢な車体があっても、中の制御装置がしっかりと働かなければ自動車はトラブルを起こします。 ボディーが先かそれともソフトが先かではなく、両方が一体になっていることが自動操縦にとっては大切です。
見た目だけではないということです。
そしてさらに大切なことは自分がどのように物事を考えるか、Perceptiveness 自分の思考,知覚力を磨かなければなりません。そして平常心を保つようにしなければなりません。自分だけの会社ではないのです。

これらは発達段階的にできるのです。貴方のメンタルタフネス・Mental Toughness はゴールに向けてどの位の位置づけですか?

ではまたの機会にお話しましょう。
質問等がありましたら遠慮なくご連絡ください。

杉井要一郎 / 2015年11月第3週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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