12月第4週号 消えてしまった日本人グローバルリーダー

#96 発達段階 Transitional Coaching

グローバル会議の場で特出した企業リーダーがいなくなった日本。
なぜ日本人は世界の舞台から消えたのでしょう。皆さんは何を持ってリーダーを育てているのですか。これが2015年の結果です。
政治、経済、多国間、リーダーシップなどの緊急な問題で世界中が混沌としている時にこそ日本はリーダーを育てなければならないのです。絶好の機会です。

(発達段階・Transitional Coaching)


日本の企業はコストダウン、利益配分を優先させ、原価、製造コスト、人件費などの大切なことのコストダウンばかりしていたので、本当に重要で時間がかかること、忍耐が必要で簡単にはできないことをないがしろにしてきたのです。本当のhigh risk high returnで人材育成をしなければならない時が来ていたにもかかわらず、必要なことはすべて皆ないがしろにしてLow Risk, Low Return、実績securityのみに気を取られているうちに海外の企業に追い越されてしまったのです。いわゆるウサギと亀のお話しです。

この拡大したグローバル世界において、グローバルという大きな器の中での差というのは2010年までの日本の中だけでの閉じられた環境内での差とは全く違うのです。極端な格差の時代に皆一律の同じサービスを求めている日本は本当にだめになっています。差が今までの100倍もあるのに今までの係数で満足しているのです。大きな出来事が世界中で起きているにも関わらず、それの影響や危機感を感じられなくなっているのです。

グローバルで活躍するリーダーを排出するためにエリート教育をしましょうと言っているのではありません。強いリーダー、戦略的に物事を考え理解し挑戦できるリーダー、人徳があり倫理に則って活躍する人を育てたければそれだけのお金を出して教育しなければなりません。

そしてグローバル環境に通用する人材をリーダーとするのです。このような人は一朝一夕には育ちませんし、受験勉強のように知識を詰め込む教育でも育ちません。良い時も悪い時も自分の大きな壁にぶち当たっては砕ける、七転び八起きの強い意志と精神を持った青年でなければなりません。

日本はいかに安く物を作るか、いかに品質を良くするかのような物つくりには長けていました。その結果リーダーの育成よりもチーム作りに力を入れていたのです。誰にも同じ良い教育をして良い品質が出来る、詳細のことまで気を配り、どこを切っても皆が同じようにできているように、金太郎あめになることを教えてきたのです。コストがかからない集団教育で、白黒が明確に出させる教育です。


このような教育ではグローバルでの競争には勝てません。



未来への見方が必要なのです。創造性、親和性、シナジー、アジリティー共存による付加価値を考えるのです。
発明、発見をしろと言っているのではないです。今まで知らなかった事を知るようにすることです。未知のことを知らないのは当たり前ですが、それの上を行く自分では気づいていない無知を取り除くような思考法をマスターするのです。
潜在思考の中に入れておけば、いつかその機会に出会ったときには新しい混合思考が出来るのです。

自分の資質を上げるために今までどのような努力をしてきたか、自分の資質が何か、そしてその目的とゴールがわかっていますか。
失敗からその都度這い上がり、再度挑戦している人はいくらでもいるのです。
でもその人たちはそのノウハウや心構えなどをただでは教えてくれません。企業の現役のトップとしてとても忙しく、利益を実際に出さなければならないからです。


ではどのようにして学べばよいでしょうか。



それらを本気で教えてくれる人を探さなければだめです。その人が本物のコーチ、それがAuthenticエグゼクティブコーチです。

自分が本当に変容(Personal Transformation)したいと思ったらば、自分で変容をしたことがある人からコーチを受けなければなりません。自分で苦労をしてOut of the boxを自身で経験していなければコーチングすることは出来ません。その感覚がわからないのです。コーチングのサポートというのは単に話をして質問で相手の潜在意識からの気づきを出すということとは違うのです。50%は相手の気づきを掘り起こし、相手が自分から選択と決断をするようにするのですが、あとの50%はしっかりと方向性、または何が必要かをコーチすることが必要です。逆にコーチは50%をクライアントから学ぶのです。それは自分の知らないことを話してくれるからです。

コーチはクライアントの全体、持っている器を大きくするならばどのような人が器が大きい人かを知らなければなりません。そして、どのようになった時が器を大きくさせたといえるのかを知らなければなりません。資質も全く同じです。何が自分の資質なのかを知らなければなりませんし、どのようにして資質を上げるのかを知らなければなりません。勉強したければ資質がある人に学ばなければなりません。
それは過去の延長のLearningではなく、全体思考と思考上の変容です。

知識、事例のほとんどが過去の10年くらいの間にデータベース化されて何時でもだれでも取り出せるようになっています。AIも前に詳しく書いたようにそのアルゴリズムが何かをコーチが知らないと本当の気づきを与えることは難しいのです。


クライアント自らが進んで変容を起こすコミットメントする人をサポートするのがコーチです。



そうでない人を一生懸命サポートするには基礎的な研修も必要で、潜在知識がない場合は基礎から教えてちょっと良くしてあげる"Performance Coaching"ようにすることから始めるので大変です。
過去に成功していて、世界的に有名な大会社にいたからといってその人が大人(タイジン)であるとは限りません。
大きな人間になったのならばそれなりの苦労も経験もあるでしょうし、それなりに他人を魅了する何かを持っている人です。それがプレゼンスです。何も言わなくてもその人にそれなりのオーラ・後光が差しているはずです。

今の70歳以上の社長さんは終戦後直後から本当に苦労したのです。しかし、すでにその変換期(Transformation)を過ぎた今、2016年以降は未来に向けた思考を学ばなければならないのです。これ迄のノウハウはもうグローバル化のおかげで後進国に譲り渡しているのです。


グローバル化はそんなに甘いものではありません。



日本人はグローバル化によって市場が大きくなったと喜んでいるようですが現実はそんな単純なものではありません。規模と能力がものすごい勢いで拡張されているのです。

考え方、行動、実際に運営するプロセスの大きさ、含まれるコンピタンススケールの内容、すべてが大きくなったのです。
昔アメリカが世界を制覇した国際社会(international paradigm)の時代ではもうないのです。
小さい国が抱えている一つの問題が全世界に影響する時代なのです。
地球が一つになっただけではなく、インターネットのおかげで過去の軌跡はデータ化されているので、質問のインプットさえすれば後は何でもアウトプットとして取り出せるのです。


これからの30歳代の若い社長さんに必要なこととは、今までにないことを考えることなのです。



変わっていてよいのです、飛びぬけていてよいのです。15年前まではインディゴといわれる子供たちが成人になって社長を務める時代だったのです。そして彼らが今までとはちがった思考法を持ち、いろいろな発見をする特徴を持って世の中に出てきたのです。
それが今では潜在能力だけではなく社会脳、またはチーム脳の発達のおかげで全く新しいことを浮かび上がらせることがわかり大きくディベートをすることで世界を変容させているのです。

これらの事象はちょうど池の中の小さい波紋(ripple)が広がり始めたばかりの状態です。


結論から言うと、人材の変容(Transformation)が必要なのです。



今が変革期トランジットの最中であると認識できればよいのですが、さもないと変革(Revolution) だけで進んでしまいます。

この機を逃がすと本当に日本の企業のリーダーを問われることになります。
いろいろな企業の問題が浮き彫りにされています。本人にはまったく悪気がないのです。
社員はそれなりに会社に対してロイヤルティーを持っていたのですが、一夜にして自分らも放り出される立場になっているのです。それがtransformationへの機会となるのです。
そのほとんどが大手のために国からは手厚く保護されるのでしょうが、末端の人たちは大変です。


大局的に物事がわかる人を早急に育成しましょう。



いくらでも費用をかけて自分らの求めるマクロ的な思考も兼ね備えたグローバルリーダーを育成しましょう。特に役員、エグゼクティブの人たちに自主的にそうなるプロセスを踏ませるようにしてください。

社長さんにお願いします。


見えない価値観に投資をしてください。



企業でも個人でも構いません。

我々が持っているすべての能力をエグゼクティブコーチが提供してくれるのです。それもあなたに合った内容をあなただけにです。


杉井要一郎 / 2015年12月第4週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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