3月第3週号  部下を考えさせるリーダー (Leadership Transformation)

#109 Transformational Leadership: Influencer

  • あなたのリーダーシップを成長させる
  • 貴方がリーダーシップを変える

  • あなたが抱えている問題の整理をする
  • あなた自身の問題を整理する

  • あなたが知らないあなたの問題を整理する?
  • あなたも他人も知らないあなたの課題を整理する?

  • あなたの未来の課題を想像する?

同じことを部下に考えさせ、整理させるために未来のシナリオ作りの旅に出す。

ここまで思考を整理できたらあなたは素晴らしい思考力を持った、本物のリーダーです。
他人に影響を与えInfluencer、やる気を与える(Empowerment)Leaderです。

Transformational Leadership: Influencer
影響を与えることのできるリーダーシップ

思考力を持った本物(Genuine)のリーダーになるためには、どのようにしたら物事を簡潔にそして有効に整理できるかを知ることが必要です。
今まではただやみくもにいろいろな問題を思いつきで(without thinking deeply)整理していませんでしたか。

これからは違います。
きちんとした思考をすることが大切な21世紀型未来リーダーの資質になるのです。
そのためにあなたが持っているいろいろな思考法を駆使して考え、筋道立てて話さなければなりません。

いくつの思考法をお持ちですか?そしてそれらを駆使していますか?
部下を考えさせる、困ったリーダーです。

今回のリーダーの思考力の話は、思考力を勉強してくださいと言っているのではなく、相手にいろいろな想像をめぐらせるために、今までの論駁的(論理的、現実的、実行可能)思考から飛び出して、さらに深く考える思考をすることです。(Deep Learning)

課題解決をして問題の結果を出すことではありません。それは単純な5W2Hの戦術です。あなたにリーダーとして持っていただきたいのは、あなた自身の未来に向かっての成長戦略です。それは大きな夢と限りない可能性・チャンスを持っている自分を成長させる長い、答えのない、目的地探しの旅のシナリオです。そのような思考が部下、またはその他の人を成長させるという自分の目的が見えるように導くのです。

今までの思考は、あなたが経験した自分の成功や実践経験から得てきた論理的、顕在的な思考がほとんどです。

あるいは誰かに自分の知っていることを教えてあげよう、自分が知っていることを相手に知らせることにより自分がリードしている気持ちになれる、または親切心から考えているという思考です。

いろいろなコミュニケーションで教えてもらったPower Questionの例を使い、それらの質問リストを潜在意識の中に携えて話をしているのです。

質問リストと聞いて、「今のあなたならどうしますか。もしそれが出来たらどうしますか。それをどのように感じますか、もっと良い方法はないですか」などの質問集だ!!と極端に考えていませんか。これらの質問集ももちろん段階的には大切で良いことです。
しかし、それらが本当のリーダーである自分を整理したり、相手を整理したりする質問になると思わないでください。それは研修で学んだケーススタディーに過ぎないのです。

あなたが本物のリーダーになるには、その場の環境にあわせたTPO(Time, Place,Occasion)と相手にあった、何かの思考パズルを考えさせる話をしなければならないのです。

相手の気持ちを尊敬し、お互いが理解して心温まる会話でなければならないのです。
お互いが信頼し、尊敬をしているならばツール的な質問は全く必要ないのです。
質問される方はあるときまでは真剣ですが、誰にでもしている同じ質問とわかってしまうと、あるときからはその人の技量を疑い始め興ざめしてしまいます。本当にこの人は真剣に私の事を聞いていて理解してくれているのだろうか、この人はコンサルタントと同じではないか、と。

これらはあなたが何でもよいから相手から答えを引き出してあげようという思考から出てくるリード的な質問なのです。
答えが出ないとあなたは職業柄、上手くできていないと心配し、自信がなくなりコーチの資質を問われると恐れているからです。
そんな矢継ぎ早な尋問みたいな質問、またはすぐに答えられるような顕在的な話し方は卒業してください。リハーサルとしてはとても面白いですが、相手には本当に潜在意識から考える猶予を与えていないのです。
何度もお話ししていますが、会話の中で“I do not know what I do not know” 私が知らないことを私は知らない、というフレーズがあります。又、あなたが知らないことをあなたは知らないこと“You do not know what you do not know”というのもあります。禅問答みたいですね。

この意味が分かるようになることをまずは勉強しましょう。
それが基本で、相手に話をするのです。
あなたはリーダーです。
リーダーの資質には基本的に三つの資質が必要です。

(TIPSです。)
あなた自身は辛抱強いですか?(Patience)
あなたの決断はどのくらいのコミットメントを伴っていますか?(Decision)
貴方は他の人に行動させたり(Empowerment)、考えさせたりしていますか?


これらがリーダーの基本資質です。
リーダーは自分で気づく/気づかないにかかわらず、毎日200~300の決断Decisionを行って問題の整理をしているのです。

未来のリーダーになってもらうためにはこのパラダイム・ドメインの変革のために日夜勉強をし、自分自身が変容(Transform)しなければあとから現れてくる、若くしなやかなスペースをいっぱい持った自由な思考感覚のリーダーに追い越されてしまうか、相手にされなくなってしまいます。

そのために複合的な思考法で相手に深く考えさせるような幅のある、そして簡潔かつ有効に考えさせることができる自分を見つけるのです。
今まではただやみくもにいろいろな問題を思いつきで(without thinking deeply)整理していませんでしたか。

なぜならば今までの思考法は、長い間使って来た自分の潜在意識上での思考法です。それはある程度すばらしいものですが、自己を主とした自尊心の高い考え方です。長年使ってきたリーダーの自信という枕詞が付いたものです。身についた自己過信な思考でした。

未来志向のオープン環境を相手に提供させ、気づきを引き出し、相手のIntuition(直観的思考)を引き出すようになるには、これらからはもっと謙虚で、相手と論じることができ、聞く人の思考をかき回すような話し方が要求されるのです。

未来への夢、希望を大きくもたせ、今すぐには見えないことを考え出してもらおうとする話し方なので、自分に過信があっては絶対にダメです。自分という視野の狭い話し方を捨てるのです。課題から入ることで未来へのオープン環境ではなく示唆的な昔のリーダーに戻ってしまうからです。 これらは答えを求めている方々への話し方で、リーダーの思考はこのようなことから脱しなければなりません。

これがわたくし共の言っている忍耐Patienceなのです。
大手の会社に長年勤めていた方はすぐわかります。プロセス志向なのです。
物事を明確にきちんと相手にわかりやすく納得させるために結論から話して、最初に全体を理解させてそれから内容を話すのです。相手を説得させるためのPresentationSpeechと同じです。 または自分がこたえられる内容であること、自分が安心できる話し方なのです。
これはこれで一番大切なのですが、今日の話は、相手にいかに考えさせるようなことをどのように話すかです。

さて今日はどんな話し方をしますか。 コーチングを心掛けている方はご存知のように、相手に応じた対話の準備をしましょう。 そして相手に期待するのが行動の第一歩です。

明日は休日です。じっくりこのことを考えるか、または、頭の中を空洞化するように本格的に集中して遊び、休暇を楽しみましょう。


杉井要一郎 / 2016年3月第3週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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