7月第1週号 日本人の効率の悪さはグローバル社会では通用しません。What got you here will not get you there.

#125 Executive Performance coaching

あなたの部下は本当に“できる人”ですか。

普通の人の2倍の仕事ができて、そこではじめてグローバルで通用する人といえるのです。


日本に駐在した外国人のほとんどが疑問に思うことです。
何で遅くまで会社に残って仕事をしているのか、本当にそんなに仕事があるのか、スケジュールがきつくて間に合わないのか?

オフィスでの仕事の仕方も同じです。Power Point, Excel であなたが本当に納得するような書類を作ってくれていますか。

部下が「できた」というものを見てみましょう。
あなたの思う通りにできていれば、先ずは合格です。あなたが思っている以上にレディネスがある素晴らしい部下です。それはあなたと仕事をする上でのレディネスなのです。出来る人との比較ではありません。

その仕事のやり方を見ることができますか。
あなたが思っていたやり方よりももっと進んだやり方でやっている場合、その部下には思考力があります。

多くの人は緊急でない限りどのくらい時間をかけたかはあまり気にかけません。 
けれどその仕事にかけた時間はとても貴重です。出来る人の1.2倍くらいならばまだしも2倍、3倍かかっていてはどうしようもないのです。これは遅延(Procrastination)ではなく、時間を無駄に使っているのですWasting time、Ineffective Workです。

もっと大切なのがその人がその内容を理解していたかどうかです。それは裏の内容がPeripheralとしてあるかどうか、第三者が見てわかるようにできているかどうかです。

どのようにして作成したかも重要です。これはアルゴリズムと言います。Reverse Engineeringをかけると良いのです。アルゴリズムは、コンセプトをきちんと理解している人ならばすぐできることです。アルゴリズムを見ることにより、全体のプロセスがキチンとしているかどうかがわかるからです。
あなたの考えているのとは異なったやり方で効率よくできている場合、その人はあなたのコンセプトをきちんと理解して自分なりにもっと良いやり方を考えてそれを実行したのです。素晴らしいアルゴリズムの持ち主です。
「ハイ、言われたとおりにやりました」という人は昔のPP,Wordなどのプレゼン資料の作り方をしているのです。今ではとてもきれいでしゃれたデザインのppができるようになっています。ですから新しいやり方を知っているかどうかを見ることも必要です。

もちろんそれはあなたの指導の仕方によっても違ってきます。
自分が話したことを全部聴いて理解できているか、受け取るときに質問をしているか。これらが出来ていれば素晴らしいです。

ここからがコーチングです。どのように聴いたらよいでしょうか。

オープンの質問です。クローズドの質問は相手の意見ではなくなります。
先ずは全体です。


  • 全体を見てどういう感じがしましたか
  • 何か良かった部分がありましたか

次に部分です。


  • 何か気が付いたところがありましたか
  • 何かおかしくなかったですか
  • この部分をどう思いますか。意見を貰えますか

その後あなたのフィードフォワードです。


  • ありがとう
  • 助かりました

もし期待通りにできていない、自分が満足できるレディネスでない、答えが返ってこないなどの場合にはどのようにすればよいでしょうか?

上司として満足できない内容であった場合にあなたがいつもしていることを考えてみましょう。
次にあなたが部下で上司の言われるようにできない場合、上司からどのようなことを言われたり、教えてもらったりするのが自分のためになると思いますか。
あなたがコーチになった場合には第三者的に見てどのようなフィードバックを貰うのが一番自分のためになり、もっとやろうと思うようになりますか。
例えば自分の知らないことを質問してみましょう。
それならば相手が答えられなくてもあるいは答えなくてもかまわないはずです。
でもそれであなたは満足をしてはいけません。  
もしあなたが本当の未来志向の上司ならばコーチのようにならなければいけないのです。相手が知らないこと、自分が知らないことの質問をした時、あるいはできることでも新しいやり方の工夫がなされていない時には、そのままで終わってはいけないのです。

さもなければ、質問をする意味もなければ相手に気づきも与えることもできません。
今までのこの内容で何が気づきましたか、あなたのコーチングはこの後どのように継続していけばよいのでしょう。

今のままでは新しい時代のグローバル化についていけないかがよくわかると思います。

これからの仕事にはIT/PC(ITリテラシー)の効率よい利用が必須です。
「英語が出来ます」といっても日常の会話しかできない人は、仕事で使う場合にはもっと勉強をしなければなりません。
PCを学んで、使えるようになったからと言って、それで私は Word, PowerPoint, Excelが出来るということは絶対にありえないことです。
ITバブルの時にProgrammerプログラマーという職種の人たちがいました。この人たちはSE(System Engineer)と同様ほとんど素人なのに、簡単なプログラミングを覚えさせられて現場に放り出されたのです。その時には人が足りなくて猫の手も借りたかったのです。

現在も人材不足と言われています。そのほとんどは、PC、英語、基本の常識が不足しており、我々のニーズに当てはまらないからです。

もしそれらを依頼された方々が素人ならばそれでも良いのですが、すでにどこかの会社に勤めていてPCの使い方を知っていたならば、ITに関しての基本知識があるのは当たり前で、その基本知識とは例えばWord Processorには精通していることを言うのです。
Power Pointならばいろいろなツールがついていて考えなくてもきれいに出来ます。
相手が一目見てこれは見やすいという内容に仕上げるのです。
もし貴方がコンサルタントならば資料の見栄えは非常に大切です。その資料であなたの内容がわかるからです。
メラビアンの法則と同じです。見た目などの視覚情報で55%がわかるからです。
それがアシスタントの基本です。

今オフィスで活躍している人でも新しい仕組みを知らないと落ちこぼれていきます。ほとんどのPCはツールがきちんとできているからです。
これは礼儀、コミュニケーションなどと全く同じです。
ITに関しては学生のほうが余程よく知っており、よくできます。
コンセプトだけを話せばPower Pointで作成してくれます。

もう一度よく考えてみましょう。

日本人の効率が悪いのは何故でしょうか。それは一般職でもプロ意識が少ないからです。
日本ほど一般の働く人が保護されている国はありません。それは終身雇用制度から新しい制度になるたびに雇用されている人々が保護されているからです。
終身雇用の際には本当に皆さんノンビリと働いていました。その時はそれでよかったのですが、グローバル社会になり仕事でのプロフェッショナル性が求められているにもかかわらず権利の主張ばかりして自己の研鑽を忘れ、グローバルには戦えない内容・質になってしまい保護が必要になっているのです。これらは良いとか悪いとかの話ではなく日本の企業にとって従業員が守られれば守られるほどどんどんと競争の激しい先進国との、さらには発展途上国との差が広がってしまうのです。プロ意識がなおざりにされ、技術力、ITリテラシーの専門意識が薄れるとともにその専門技術を持った人との格差がますます広がっているのです。何かあるとすぐ自分ではなく人の責任にするような人が多くなってきました。
早くこれらを自分たちで気が付いて修正しないと同じ職種の中でも能力の格差がますます大きくなってきています。

雇う方も真剣です、雇われる方もなんとか自分を売り込もうとしてできること/できないこと全部いい加減になってくるのです。
これからは本当に能力を求められる時代です。雇う方はそんなにいい加減には雇用をしなくなります。

単なる技術能力だけではなく、仕事の全体把握ができ、今やろうとしている仕事がどのような位置づけになるのかもわかるようにしなければなりません。
または仕事の内容に入っていなくて本質を知ろうとしていない人が多いのです。


  • 機転が利かない
  • 融通が利かない
  • 頭の回転が鈍い
  • 思考の回路が単純

さあ、皆さんの明日のスタートが遅れないようにチェックしましょう。
世の中はAGILITY(迅速)の時代です。これからはできる人とできない人の差はますます大きくなります。

年齢ジェンダーの差はありません。特に50歳を過ぎた女性でも75歳栗までは就労可能年齢です。男性もそうです。60歳を歳を過ぎてからでも体力気力があるのです、だってあと30根二条生きるのですから。ここでしぼむ必要は全くないのです。20代の気持ちで5年勉強に投資すればよいのです。
目的と仕組みさえわかれば後は自分の強烈な古い信念さえ取り除けば素晴らし技術と能力を既にお持ちなのですから皆のプロフェッショナルに仲間入りできるのです。ここでComfort zoneに入ったらおしまいです。

40代の若い方も同じです。

今からでも遅くはない自分が60歳を過ぎても皆さんに遅れないスキルを必ず身に付けましょう。


  • リーダーはこれから5年先の花咲くような人を育ててください。
  • あなた自身が最先端をいくトップバッターになってください。


杉井要一郎 / 2016年7月第1週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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