1月第3週号 2017年、大衆迎合とナショナリズムにより始まった社会破壊と第3.5の波・AI 産業革命の始まりをどう捉えるか。

#153

2017年は昨年から始まった大衆迎合とNationalismの混とんとした世界的な従来の社会秩序の破壊の中でスタートしたと言ってよいでしょう。


その他にも地球環境問題、貿易自由主義の崩壊、独断と偏見に満ちた独裁者の台頭も挙げられます。この混とんとした中で新しいリーダー像とはどんな人を言うのでしょうか。

世論が真二つに分かれているアメリカ(トランプ政治)、ヨーロッパではすでに亀裂が入ったEU(ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどのEU加盟国とすでにEUからの離脱を決定したイギリス)、南西諸島への中国(GDP1位)の進出、その他数えればきりがないほど様々なことが起きているまさに激動の時代です。

これからの未来を背負って立つ若い日本のリーダーにどのような未来学を教えたら良いのでしょうか。これから始まるブロックチェーンによる金融変革、医療技術の発達による長寿社会、さらにはグローバル大衆迎合社会の中で、それをどう変化させていくか、どうしたらよい社会になるのかは従来の思考の延長の延長だけではやっていけません。

第2次世界大戦後確立した世界中の政治経済社会構造は変革を求める力によって崩壊し始めています。

25年前にはITのトップがすべての戦略を影武者として牛耳っていました。その戦略でさえもAIによって自動的に策定、あるいは書き換えられるとしたら、すべての産業はAIに取って代わられてしまうのではないかとさえ思える今日この時期に、皆さんはこれからの自分の計画、目標をどのように考えていますか。

今までの思考法では社会の変化に追いついていけないというのなら、今の若者たちは、AIが人間の能力を凌駕するSingularity(技術的な特異点)すなわちポストヒューマンにいかに対応していくかを勉強しなければならないのです。このためには従来の単一の学問だけを究めるのではなく、人間の営みのすべてを網羅するようなリベラルアート、哲学を今から真剣に学ばなくてはなりません。ムーアの法則によると18か月で2倍(3年ごとに4倍)になる半導体・集積回路の高密度化により演算処理能力も2021~2045年には限界点に到達してしまうのです。ではこの限界点を超えた新しい技術革新がその後に出てくるのだろうか。このようなことが一般の人の心配事になっているのです。本当にそのクリティカルポイントを超えた時に別の何かが出てくるという期待だけでは済まされなくなったのです。

世界はクラウドによって一つにまとめ上げられ、ITの進化によりバイオテクノロジーもものすごい勢いで進歩しています。

では我々はどのように未来に向けて学ばなければならないのでしょうか。先にお話をしたリベラルアート等で学生はいろいろな物事をHybrid的に学び、Hybridに思考しなければ追いつけないでしょう。その様な頭脳をもっていろいろな思考力を上げ、人間でしかできない、AIとは真逆なことを思考できるような3次元の思考をマスターしなければならないのです。

そのために今のリーダーの人たちも進んで難解な問題に挑戦するとともに、そのようなチャンス・機会を皆で分かち合わなければなりません。もちろんこれらはまだ技術論の話ですが、実際のPracticalな面においてもすでにCES(Consumer Electric Show)においては電気自動車・自動運転自動車が展示の主役です。農業も宇宙においてLEDと水耕バイオテクノロジーで土を使わない栽培生産が始まっています。

これらのことはあなたの頭の中ではIn the box(今までの考え方のまま)ですか、それともすでにOut of the box (今までの思考を飛び越えている)ですか。いずれにしても今までとは真逆な思考法、Out of the box、第3次元の時間軸を重ね合わせた思考法を用いてこの先何ができるかをDebateしなければ思考が追いついていけません。

今までにすでに商品化されているものもたくさんあります。電気自動車、自然資源によるエネルギー発電、EM菌等による水耕バイオテクノロジー、Deep learningするロボット、Uberによる無人タクシー、戦争にも使える自由に空を飛ぶドローン、人間と同じように対話してくれるロボット、宇宙旅行、IoTのネットワークなどです。

整理をしてみましょう。思考が2021年までにAIに凌駕されるとしたら、我々リーダーの仕事は何になりますか。非論理的なことと、未来に向けて創造性を駆使した仮想の理想社会像?これらによって開発された新しい機能を持ったDigital Machineに負けないための防御策、Securityと防衛力が出てくるのではないでしょうか。さもないと全てがAIに凌駕されてだめになりますね。

人はよくビジョンと言います。普通の人にビジョンを持てといっても共有する人がいなければなりません。そしてそれは自分だけのものです。

そうです。一人の時にはビジョン=夢を持つことです。
夢を持てるような楽しいおとぎ話の世界に行くことが大切になのでしょう。それもおとぎ話の連鎖、Hybrid が夢を大きくするのでしょう。
日本のおとぎ話、竹取物語のかぐや姫、浦島太郎の竜宮城、桃太郎の鬼退治等を掛け合わせてなんと解きますか。

今年は既に始まっていますが、あなたの夢物語を急いで作って皆で話し合いましょう。それはあなただけのCore Dreamでなく、その夢がTransformできるような話し方をするのです。
そうすることにより、今までと異なったエネルギーが生じ、創造性が増し、思考力が大きくなるのです。他の人と話すことにより、新しいクラスターを作り、1+1=8=2の3乗以上の効率化、想像力を作り上げるのです。

それらの仮説は以前は夢物語と言っていたのですが、いまでは夢物語=ビジョン=追いかければ実現可能なストーリーになるのです。

まさに、思うことは必ずできる、思わなければ何もできないとはこのことを言うのです。

杉井要一郎 / 2017年1月第3週号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.

コメント