4月第1週号 リーダーにとって“宝”となる人財を探しましょう。

#164 

経営者やリーダーに “気づき“ を与えることが出来る素晴らしい人、あなたのそばにもそのような人がいるかもしれません。絶対に必要となるそのような人を探し当てましょう。そしてその人を活用して宝の持ち腐れにならないようにするのです。


今自分が考えている講演、講義、研修にあなたはとても自信を持っていると思います。そうです、私も自信をもって研修をしようとしていました。

蕎麦屋の出前をしている人に会議に入ってもらえといわれます。
⓵これらの人は Super Vision 監督者のような知識やスキルなどを持っているわけではありません。でも時にはそのような人が必要なのです。今議題になっていることに関しては全く内容を知らない人、全く客観的な利害関係が一切ない人が良いのです。
⓶このような人は特別な Super Question を持っていません。普通の人よりも論理的で直接的な話し方が出来る人です。場合によっては相手に失礼な話し方をするような人でもあるのです。
⓷目的に関して、とても簡単にそして単純に疑問を投げかけるのです。抽象的でなく具体的な目的から絶対にそれない一撃になるのです。

最近海外で6日間のセミナーがあり、その中で3日間を私が担当し、残りの3日間を2名の講師がすることになっていました。その講師の方たちから自分たちの講義の前にどんな話をするのかという質問が出ました。私は今までに何度も日本で研修しているので、今回はやさしく、簡単に話そうと思っていたところでした。丁度良い機会と思い、お互いの研修の内容を話すことになったのです。

一人の講師は、内容としてLevel Iのことを3日間話すので、私にとっては、High contextなわけで、概要さえ聞けば、新聞の見出しみたいなものなのですぐに理解できました。その先には興味がないので私からの質問はすぐに終わりました。

私が質問され、説明する番になり、相手の人が聞き役の時です。この人は北欧の人ですが、英語はあまり得意ではありませんでしたので、内容に関しては最初からいろいろと詳細を明確に説明しなくてはなりませんでした“Low Context“。ただ、自分では知らないことばかりなので興味もわいてきていました。まず話の概要をかいつまんで話すのですが、タイトル、例えば ”Executiveのための未来思考,“について話すとしたら、急にExecutive とは何ですか、誰のことを言うのですか、エグゼクティブだけに未來思考がなぜ必要なのですか、あなたはどんな立場でエグゼクティブに対して話が出来るのですかと次々に直接的な質問が飛んできました。
最初はすごい人と話をすることになったな、と思ったのですが、この人は単に英語の5W1Hしか質問の方法を知らないらしく、“ 誰に、誰に、誰が、誰が”を直接的に投げているだけです。その答えが良いとか悪いとかではないのです。 
続いて話をしていると、このようなことは何でエグゼクティブに必要なのですか、と “Why, Why, Why“で最後には これを聞いて何が生徒(トレーナー)にとって必要なのですか、何を得られるのですか、そしてその結果生徒はどのような成果が出るのですか、と矢継ぎ早の質問です。

自分が納得できない内容ではそのセミナーに参加する必要がないと言わんばかりの質問で、High Contextでない人に話すときの話し方をこの20分の間に十分に勉強させられたのです。

日本ではこのような質問はなかなか出てきません、皆さん他の人が質問してくれて、それで自分の考えていることと同じならばそれでよいのです。直接的に話すことは逆に失礼だとさえ自分で考えてしまって質問が出てこないのです。皆さんも英語が得意でない場合でもこのような聞き方をされたらいかがですか。相手はびっくりするかもしれませんが、問題ないはずです。

日本では相手を慮ってばかりいて、失礼な質問はしないとか、相手が困っていると自分で解釈したりとか、相手の立場になって聞いているのですが、それでは相手にとって何もならないのです。

私にとって今回のようなことは、多くを学ぶことができ非常にありがたいことでした。相手が本当に理解するように私は話していなかったのです。私も傾聴してどのようにこのわからない人に説明をすればよいのかを学んだからです。

言葉がわからなくて少しの単語で直接的に質問する人、
全く関係のない人の意見、思考の方法がものすごく多くそしてすぐれている人から直接質問をされることはとても大事なことなのです。

アドヴァイザーの話し方としては、
・全体がわからなくても部分的な詳細な質問をする
・自分の知らないことに対してはチャレンジ的に質問をする
などです。

あなたのそばにこのような人はいらっしゃいますか。
多分会社内の人たちやいつも一緒にいるメンバーではあなたに対してこのような質問はしないでしょう。自分にとって本当に必要なことはたまに突拍子もない質問をしてくれる人です。質問をすることで今の自分のやり方に疑問を投げてくれて、思考の変革が起こったり、また別の観察眼が生まれるのです。このような人は外部の人が一番適切なのです。
例えばコーチとか一般の先生とかです。

エグゼクティブに最も必要な能力アップ
Executive CxOがもし頭が良くて、機転が利き、決断が早く、行動派だとしたら、皆さんはうらやましく思いませんか。

そのために必要なことを全員が学べばExecutiveになれるのです。
ではそのためには何が必要ですか。
そのような人があなたの周りに沢山いるようにするにはどうしたら良いでしょうか。
自分から進んで行動をするにはどうしたらよいのですか。
無駄な時間を排除し、その分を今後の戦略について短く話すにはどうしたらよいのですか。

直接的に話すようになると、今までは周りの意見を聞き、同意し、行動していたのが、自分でアイデアを出し、新しい仕事に挑戦することを考えるようになるのです。

あなたはそのような人を育成しなければなりません。

どのようにすれば自立し、率先していろいろなことにチャレンジするように変えていかねばなりません。もちろんあなた自身もセルフコーチングをしなければならないのです。

では明日からそのようになりますか。
あなたは何から始めますか。どのようにしますか。

これらはいつもする質問ではないことを頭の中に入れておいてください。でもこのような質問が出来る人を傍においておくことが重要です。

杉井要一郎 / 2017年4月第1週号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.

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