8月第4週号 世の中は劇的なディジタル時代です。 どう対応していくべきか、自分一人では何もできません。 AIにどのように接するのか、自分で考える脳を作りましょう。 それがAIとの付き合いの第一歩です。

#182

How to think


あなたの会社に欠けているのは、変化の先見性とそれにしっかりと対応できる上司、監督、トレーナーがいないことですか。あなた自身は自分が何をどのように考えていけばよいかわかっていますか。
何か新しいことを会社が決めたとしても、それを実際に実行できる人が会社の中にいないのです。

お金になることだけに投資をし、何をすればよいかという思考法だけに特化してきたため、将来を考える余裕がなかったからです。


What to think



物事はすべて発達段階的に成長するものです。段階的に成長しなければならないもののあるプロセスを飛ばしてしまうと、結局は未熟児となって成長/達成できないのです。

AIも同様です。AIのエンジンだけ買って、はいこれでOKというそんなApplicationはまだないのです。
ご存じのようにAI(Artificial Intelligence)には大量のdataが必要です。そしてその大量のdataをDeep Learning(深層学習)させるのです。この機械学習は人間でいう成長期に当たります。 (詳細はAIに関する本を読んでください。)いろいろなことを試しながら成長していくのです。

これは、どんなプロジェクトでも良いアイデアが出たからといってすぐにそれが使え、達成できるものではないのと同じです。
アイデアを使うためにはその目的があり、その目的に沿ったゴールを設定して、それが可能になるための実行、行動をがむしゃらに何度も成功するまで繰り返すのです。

事業計画も全く同じです。

事業計画を達成するためには目的とゴールを設定して、そのための綿密な計画を練っているはずです。この計画したゴールを達成するために一年かけて営業、製造、技術、R&D、マーケティングが一生懸命にプロジェクトを起こし、プログラムに沿った方法で実行するのです。

皆さんはExcelやPower Pointを使いこなせると思います。今Officeを買えばほとんどのコンピューターにはWord, Excel, Power pointその他がついてきます。
始めてこれらのソフトを使うにあたって、何のために使うのか、どのように使うのかという計画を練っているはずです。今皆さんはこれらを使いこなせていますか。これらすべてが必要ですか。

全く同じことがAIエンジンにも言えるのです。IBMのワトソンを買えば何でもできるのではありません。
AIのエンジンを購入したとします。そのAIエンジンに囲碁の勉強をさせて、どのように勝つかを教えるのです。それがデータベースです。
機械学習です。

学習には時間がかかります。
子供が新しく算数を学ぶのと同じですね。AIを子供が自由に考えるためのツールにするのです。そして脳の成長時期から柔らかくしてあげるのです。基本的な自由な潜在意識を作るのです。

ここで問題が起こります。

会社がそのための準備を全くしていないのです。
家庭が子供たちにその様な教育をしていないのです。
ただ黙ってみているだけで結果を教えてくれと言っているのです。
何か買い与えればそれでよいのだと思っているのです。

AIに関して日本はアメリカ、中国、イギリスよりも1周以上遅れています。次々安いエンジンが出てきていますので実際にそれらでAIがどのようなものなのかを勉強をしないといつまで待っても結果は出ません。

勉強といってもプログラミングを学びなさいと言っているのではありません。それらはプログラマーの仕事です。皆さんはただ実際に使ってみてどのようにしたらどういう事ができるのかを知ればよいのです。
使っていると、あっと思うようなことが出てくるのです。ちょうど私たちがひらめいた時と似たような状況になるのです。ただそれには時間と経験が必要なのです。

今皆さんは本当に気持ちの良い人生を送られています。それがいつまで続くのかはわかりませんが、ぜひともAIに積極的に接し、新しい人生の環境づくりをしていただきたく思っています。

ご質問等をいくらでも受けます。

杉井要一郎 / 2017年8月第4週号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.

コメント