2018年1月14日号 日本の将来を担う若者をどのように育てるか?その若者たちが我々の国を支えるのです!

20180114

未来を見据え100年先の夢を考える時です。未来の目的を探す旅の始まりです。 

仮説が現実となってきている21世紀に、2018年はこれから生まれてくる子供たちに何をバトンタッチできるかを明確に考える年です。


2018年1月14日

現在の日本は私の知る限り、世界一心が豊かであり、安全であり、健康で長寿、平和であり、贅沢な国であると思います。統計データでない部分もありますが、東京オリンピックを2年後にひかえて日本を訪問する多くの人たちが感じていることです。

2018年の日本は;

1. ほとんどの家庭で水道の蛇口をひねれば水をふんだんに使うことができ、電化製品は日常の生活の細部にまでいきわたり、交通網は発達され、ほぼ予定していた時間で移動ができるようになっています。しかも非常に衛生的な環境で、健康寿命も延び、働く意欲さえあれば高齢者でも働ける職場もあります。スマートフォンを使って世界のあらゆるところの人と手軽に話しができます。

2. 国内外の様々な食料品が手軽に買えます。日本には食べるものがなく、餓えに苦しんでいる人は実際にはいません。そのような人は保護されています。外食したいと思えば値段の安いものから高いものまで美味しい食事ができます。家庭でもスーパーで好きな素材を安く安全に手に入れることができ、様々な調理器具を使って調理できます。

3. エネルギーの電気・ガスは水同様に各家庭まで供給され、様々な家庭用電気製品・ガス製品が普及し、外出先からこれらを操作でき、さらに便利な生活ができるようになります。都市部以外の地域では車は生活必需品となり、各家庭ではほぼ一台以上持っています。戦後日本人が夢見ていたアメリカの生活が現実になっているのです。

4. 経済的な格差はあると言っても他の先進国、例えばアメリカのように1%の人が国民の40%のGDPを担っている状況ではありません。ほぼ平均的でも何ら問題なく暮らしていける水準です。

5. ほとんどの子供は高等学校まで行けるし、大学に行くことも出来ます。2019年度からは無償で高校まで行くことができますし、奨学金制度もあります。また、専門職に就くことを希望する高校生には、専門学校も充実しています。ニーズが次々に生まれてきています。しかしこのように世の中が変わったのに自分らが変わろうとしない人たちが多くいるのも現実です。

6. 国民健康保険があり、失業者には失業保険、職業訓練所もあります。日本の若者は生まれてきたときから、生活を快適にするための必需品が社会に満ち溢れており、それらを当然と考え、維持することに稼いだ給料の多くを使っているのが現状ではないかと考えます。そしてさらに次から次へともっと良くしたいと願っています。

7. 働くことに関しては自分がしたいことを選べるし、昔3Kといっていた「きつい、汚い、危険」な仕事や作業はロボットがやり、いかに効率よく仕事ができるかに未来をかけています。

8. 治安は世界一安全で大都市のどこでも昼夜を問わず安心して歩くことができます。さらにそれが日本を訪れる人の安心をさそっています。

9. 原子力問題が叫ばれ、自然環境破壊の警鐘がならされ、自然災害の被害も甚大になっていますが、それらに対応するように未来を明るく見ていなければなりません。

10. ヨーロッパ、アメリカで起きている移民、人種差別問題、難民問題も日本では切迫した問題とはとらえておらず、ISの問題にもほとんど言及されていません。「朝鮮半島有事」もニュースでは毎日報道されているのですが、他人事のように見ているのが現状です。

このような状況にも関わらず、自分が幸福であると考えている日本人はどのくらいいるでしょうか?マスコミは日本人の6人に一人は貧困であると伝えています。しかし、日本人の貧困は後進国の貧困とは全く違うレベルであると認識する必要があります。

世界一の経済大国アメリカは人種差別、銃規制、健康保険、貧困等の問題を抱えています。一方多くの後進国はISなどの宗教上の問題が解決されたといっても実際にはテロの恐怖、貧困のよる水・食料・エネルギー不足などで満足な日常生活が出来ていません。具体的にはアフリカ諸国、中近東のシリア、パレスチナ、インド、アフガニスタン、パキスタン、バングラデシュ、チモール、北朝鮮などです。私たちも第二次世界大戦後には貧困にあえいでいました。食べるものもなく、仕事もない時代が続きました。

2018年を迎えて日本の国民が考えなければならないことは、この地球上の他の国の人たちのことです。中国も世界第2位のGDPになり、共産国であるといいながらも資本政策ではすでに日本を超えているのです。いいとか悪いとか言っているそばから追い越されて今や世界一になろうとしているのです。

これからの時代を担う若者たちに対して、戦後バブル期の幸福を経験してきた60歳以上の人たち、またはその年代に良き人生を送った人たちが何を残せるのかが今年の課題なのです。

現在は産業激変の時代です。電気が発明され、汽車が発明され、自動車、電化製品の発明、医療の発達、世界中が衛星で結ばれ、ネットワークは5G(世代)の時代です。今先進国で問題になっているのは少子高齢化です。60歳以上が人口の30%を超え、若者の割合が少なくなっているのです。年齢は関係なく自分らがどのように国に対して生産者になるかを考える時です。会社で言えばコストセンターにならないでプロフィットセンターにならなければならない転換期です。さもないと長寿公害といわれてしまいます。

皆さん60歳を超えても健康で元気です。預金もあります、頭もまだ明晰で能力もあります。人間関係や時代の困難を乗り越え、大きな器になっているのです。それなのにこの先何もしない人生なんて考えられません。もったいないです。自分のこと、他人のことを考える良い時です。
人生100歳、未来は150歳の寿命になろうとしているのです。自分らのこれからの人生目的、若者たちに残すキャリア開発環境、若者たちに面倒をかけない様に働く、プロフィットセンターになる目的を考える年にしましょう。

どの様な考え方を持てばそのようなことが考えられるかを考えるのです。

我々は今、自分らが考えなければいけないことをどのようにして考えるか、思考法を考えるのです。思考回路を変えなければいけないのです。それはグローバル思考かもしれません。文化の異なる国の人たちとの交わりがあまりにも少ない国になっていませんか。ネットワークで世界につながり、いろいろな国とコミュニケーションを容易にとれるようになっています。そこの国に定住することなく、世界中に住むことができるようになったのです。大きなチャンスです。世界中に住み、思考の回路を変えましょう。
倫理、宗教、文化、教育、自然、政治、経済に伴う課題の洗い出しです。

みなで顔合わせて話をしましょう。電子機器から離れて自然に戻って考えてみましょう。back to the future です。

今、もう一度本当の自分が生きる目的探しの旅に出てみましょう。皆さんが考えたことを是非ともここで発表させてください。時代が変わってそれらのことを忘れる前に。

杉井要一郎 / 2018年1月14日号 © 2018 Gledis Inc. All rights Reserved.

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