2月第4週号 行動科学への誘い

#159 行動科学

会社の成功、未来の幸せはリーダーであるあなたが、未来に向けた思考から導かれた5つの行動を実行するか否かにかかっているのです。


リーダーが未来の戦略を考えられるようになっても,それを実行できなければ机上の空論にすぎません。
あなた自身の思考を実現できるように、社員の一人ひとりがその能力を発揮しなければ、組織が一丸となって前進することはできないのです。

一歩前進二歩後退、三歩進んだらそのまま勢いで前に進めるような訓練が必要なのです。

そのために義務と責任、それを実行する能力を持たなければ前進ができません。前進するためにどのように不必要なものを取り除くか、その条件と理由をお話しします。

1.       過去のことは捨てる・頭の中から取り去って空っぽにする。発見・アイデアが出すぎて困るくらい発想が豊かに出る柔軟さを持てるスペースを個人、チームで作れるようにする。もしあなたが過去の事ばかりにこだわっていて、未来に関心がなければ社員はついてきません。たとえその過去のことがとても良いことであったとしても未来に成功例として持っていくことはできないのです。

2.       もしよいアイデア、想像力、気づきがあってもそれが自分自身で考えたものでなければ長続きしません。社員全員が自分で考えた内容で、自分たちで責任を取ることです。それはあなた自身のパートナーでも全く同じです。

3.       取り除くもののリストができて頭の中が空っぽになったとしても、それが本当に取り除くべきものであるのかの判断/選択をしなければなりません。これは実際には簡単にできるものではありません。 一度行動習慣がつき潜在意識の中に入ったものは、取り除くために自己暗示的にアファーメーションをしなければならないのです。 
さらにそれを行動に移すには自分の顕在意識、潜在意識、第三者の影響などを克服する必要があり、3倍以上の努力が必要なのです。

4.       あなたが避けた方が良い人、環境が周りにあるとき
感情的にすぐ動揺してしまうようなマインドを持っている場合、意見はすぐに変わってしまいます。経験がないことを自信をもって責任を取るようなふりをする。
話し方がうまいので過去にいろいろな問題を持っていても他人をごまかすことができる人が多くいます。話術に長けたコミュニケーション能力でごまかす。過去に表明した自分の強い意志、意見を平気で覆し、皆に納得させる。周りの人はすぐに惑わされ、または軽くごまかされてしまう。このような人を見つける人がいない。

5.       これまでやったことがない人がやりたいと言い出した時
細かいことから入る人には戦術ではなく戦略から入るようにすることを気づかせます。
きちんと筋を通してメンタルタフネスと集中力、それに対する行動責任が本当にあるかどうかを見て判断することが必要です。

6.       人からの又聞きの話をする人、知識だけの人
ところでわたくしが人から聞いたことだけど、読んだ本によると、という第三者・外部Extrinsicからの情報を伝える人です。

7.       ネガティブな話し方をする人、楽しい環境にいない人
いつも心配ばかりする人、人の言うことにケチをつける、問題視する戦略的思考法を知らない人たちです。



あなたが創業者なら、これらを知っていて社員を育てることが重要です。このAIやITを中心にした劇的な変化の中でどのように教育をしたら良いのかわかっていますか。

創業者は事業の立ち上げの時には、自分自身はこういう会社をやりたいというわくわくするビジョンを持ち、そのゴールの達成のために日々努力経営をして行動して成長してきたのです。
今成功のためにやってきたそれらの行動を全員で変更しようとしているのです。
そのための第三者サポーター、アドヴァイザー、コーチが必要なのです。

特にGlobalチームという多様性のあるチームをけん引する場合、行動させるためのコミュニケーションに必要なことは慌てないでじっくりと自他を見つめ、未来のより大きな成功のために、変容リーダーがオープンに未来に向けての変容行動を発信し、忍耐をもって反対するもの/ことに強硬に変容行動を行うことです。
例えばオープン・コミュニケーションはどうでしょうか。
ミーティング中に、同僚または面識のない世界中の人に対して自分の考えを述べたいと思っているのに、失敗を恐れたり、変に思われないようにと沈黙していたことがありませんか?後になって、自分の考えがまさにその時の成功に必要なものだったと後悔したことはありませんか?「率直な意見を言う勇気」は、実践を通じて失敗したり、学ぶことができるスキルです。発言を妨げる障害を乗り越える経験をして忍耐・積極性というスキルを学ぶのです。自由に自分の意見を発言できるようになり、行動への道筋の第1歩を踏み出すことができます。
最終的目的は自由闊達に振舞い、話をした後に今まででは考えられなかったようなアイデアが沸き上がって行動できるようになるのです。
そしてOut of the box 思考で素晴らしい体験をしてもらうことです。
そのためのマインドフルネスが必要なのです。

1.        自分の心を静め、落ち着いて思考力をstressful (ストレスがない状態)、正常に保つ。
2.        集中力を持続させ自分の最高の成果を出す。
3.        心身ともに健康な体を維持する。

ShallowからDepthに入り、Deep thinking に行くのです。
それには基本的な5つの法則があります。そして行動に移れる姿勢に入るのです。
それらの5つの法則とは;

1.        自分が責任を取らなければならないものか
2.        他の誰かに説明責任があり、人から委任されたものか
3.        本当に必要なことか、前回も同じようなことがなかったか
4.        それをやることにより、会社・自分の資産になるか
5.        やった後でどんな価値観、または何が残るか

これらが明確になれば邪魔者(Obstruction)を取り払い、あなたの重要なことを実行するために制御すること(Constrain)が明確になるのです。

もし本当に現実には目に見えない資産(Intangible asset)としてそれが残るならばあなたの考えている課題はすべて素晴らしく現実のものになります。

未来の物語(Story)です。仮説を現実に話を落とした時に実現性、連続性、継続性がそこにあることが大切です。
例えば10億円欲しい、10億円貯めることが目的だとしたらお金が欲しいのか、そのお金を使って何かを達成したいのか、夢を実現するためにその手段としてお金が欲しいかを明確にするのです。お金だけを目的にする人は結局なんの得にもならないのです。
目的のための責任をもってやることです。それをやることが自分、上司、会社にとって価値があり、今真剣にやらなければならない、将来のこととして何か素晴らしいことにつながるのではないかと洞察することも必要なのです。

ただ10億円貯めることが目的ならばそれは自分にとっては邪魔者Obstruction以外の何者でもない、意味のないことを理解するのです。
責任もないし、誰に対しても価値を残すものでもありませんので、絶対に夢が叶うはずがないのです。このような人はすぐに野垂れ死にをしてしまいます。

もし自分には世界中の孤児を引き取って、彼/彼女たちが将来生活ができるように一般教育と自分で事業を起こせるようなサポートをする施設やサービスをしていきたい、そのためには10億円必要なのでどうしても貯めたいというStoryが真剣に責任を持って語れれば必ずや達成するでしょう。
あるいは自分はITリテラシーは無知だけれど、製造業のIT応用を促進させていく研究所を作りたいという目的があれば人の採用、研究施設、未来の製品づくりのために人を育てるという構想ができるでしょう。

こうなればすでにすべては準備が整っているのであなたの思考に邪魔者は入り込んできません。
マインドフルネスを再度行って自分を落ち着かせ、ストレスを取り除いて何に集中すればよいのか、どの課題が必要不可欠であるのかの順位付けが出来るようになり、成功します。

行動科学への誘いです。

杉井要一郎 / 2017年2月第4週号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.

コメント