過去を振り返ってもよいでしょう。でも、未来の人たちに残せるもの、引き継がせるものを考えなければなりません。
私たちの場合は、バブルのつけが残りました。その結果、甘えが出ていろいろなことが遅れてしまったのです。
自分が残すもの、自分だけの価値観ではなく、後世に自分が本当に残したいもの、残せるものを探すのが人生です。毎年残すのではなく、2017年にやり残したものを引きずらないようにして未来に向かって何が出来るかを考えるのです。
毎年年末には今年は本当に良い年だった、このような一年をまた送るようにしたいと思えるような年であってほしいものです。
寿命が100歳になると人生は30年のサイクルを3回おくることができるのです。
最初の30年が人を作る時代です。
次の30年は人生の前半です。ここまでくるとよいこと/悪いことがわかるだけでなく、人生は楽しいもの、どうすればより充実した人生を送ることが出来るか、成功と失敗を理解できるはずです。もちろん苦しいこともあるでしょう。けれどこの間のパラダイムは全く過去とは違うものになっているはずです。
そして第3サイクルの30年。
自分がもう一度生まれ変わった新しい人生です。2度と失敗はしないし、自分のことだけでなく他人のことも見る人生です。これほど自分を見ながら過ごすことはこれまではありませんでした。
そして残りの10年を赤ん坊のように無邪気に楽しみながら可愛く童心に戻って過ごすのです。
ではこの3つのサイクルを有意義に過ごすにはどのようにしたらよいでしょうか。
有意義に過ごす自分の目的となる価値観を見つけなければなりません。
そのために30代、60代でやっておくべきものはないか、未来に何を残せたか。これまでの成功や失敗を引きずらない。そして山岳レースに挑戦することを残さなければまたもや同じ経験をしてしまいます。
レースのスタートラインに立って後悔しないためにやっておくべきことをきちんと整理しておくのです。
2010年頃からは、厚生年金が心配だ、退職金が減る、老後の蓄えは、会社の年金、保険とか自分の心配ばかりしていました。なんと後ろ向きの心配ばかりなのでしょうか。
時代は変わり、会社のビジネスモデルも変わり、今や銀行、証券、保険など、大手の一生働ける会社もなくなりつつあります。
デジタル、AI時代になり、仮想通貨、EC ネットショッピングのフリーサービスの時代になってきたのです。
これからは自分で何かスペシャリストとして自立することを考えなければ会社に頼っていくことはできません。短いサイクルでもいいのです。
そのためには遅くとも5年前には準備をはじめなければならないのです。あまり早くからだとマンネリが起こってしまうので5年前から準備をはじめ、2年前には助走に入れるようなビジネスモデルが考えられる自分の特異点を探すのです。エキスパートになれるかなれないかは、その時の自分の思考力、マインドとのかけ合わせによる変容をトレーニングしておかなければなりません。それがあなたの人生、未来への分かれ道です。それは3回あります。
50歳で一人前になってその後20年は走り続けまた5年前から次への準備をするのです。もしかしたらそんなに長くないショート期間で次へのパラダイムの変革が起こるかもしれません。
世の中はアジリティー、短いサイクル、多様な展開の時代です。
この変容を後悔しないために、各転換期で自分が切り捨てておくべきこと、またやっても無駄なことの判断をして断捨離をしなければなりません。捨てるものを見つけることも必要です。
その頃には大手に入って一生その会社の正規社員という考えはなくなるでしょう。
全ての人が正社員という観念を捨て、好きなときに好きな所で好きなように働けるようになるし、会社自体も必要なときに必要なスキルを持った人を必要な期間だけ雇うようになるでしょう。丁度タクシードライバーのようになるのです。Uberになり、ついには無人運転のタクシーになるのです。
次に必要なのは新しい時代に向かって挑戦するために必要な心構えです。
今から明確な目的意識を育てること。その場限りの思いつきでは絶対に駄目です。
これらのことを考えている自分よりポジティブな人たちの仲間に入ることです。未来を見据えて物事を考えているチームの仲間入りをするのです。自分一人では限界があります。シナプスの変換とハイブリッド化が始まるからです。
それはアジリティーで変化が早く自分一人ではついていけないのです。
常に前向きで、小さな事ではびくともしない、不満のない明るい思考を持っていることが大切です。そして我慢をしなければならない時もあるでしょうから、良い人間関係を持ち、柔軟に物事を受け入れることができる器の大きな人間になることです。
転職ということはもうなくなります。会社を変わるのではなく古い仕事を変えるのです。お金が目当てでは全くダメです。それよりも未来に向けての勉強に投資するのです。お金目当てでは絶対に成功しません。それは目的ではなく物乞いと同じです。
時間内にきちんと仕事をするだけではなく、もっと考えることをしましょう。時間を効率よく使い、余った時間を有効に使うのです。
時代の流れ、自分の置かれている位置を常に把握し、もしそれが衰退している文化、ビジネスならば思い切り捨てるのです。
一番の課題は常に自分が人に使われるのか、それとも一人でやるのか、自分が人を使うのかにかかってきます。
人に使われる側から使う側へ変わらないと今までの転職と全く変わらないのです。新しい自分のビジネスモデルを作るのです。人に使われるのと人を使うのでは180度の違いです。若いうちから独立するためにどんなビジネスモデルが必要か、未来に向かってどのようにして経営するのかを常に勉強するのです。
アメリカの大学では寮長が学生に、一生に一度はIPO(新規上場)を考えなさいと言います。同じことを日本人はあまり考えたことがないのです。
また現在の金融環境は昔と違っていろいろな方法で資金を集めることが出来るようになりました。それが分散処理環境における仮想通貨です。あと10年もしたら全く違う世の中になっているでしょう。飛行機は音速を超え、電車はすべて無人運転でリニア‐モーターになり、倫理観も変わり、人生120年は当たり前になっているのです。心を大きくして人を動かす術を勉強してください。それが自己実現です。
他の人も皆同じことを考えているはずです。そう話していますから。
そのためには相手が嫌なことはやらないこと、命令しないこと、自分のことばかり話さないこと、人の話を遮らないで我慢することです。さらに絶対にヒステリーになったり、偉そうな口をきいたり、上から目線で人を見下したりしないことです。
人が嫌がることを自ら行い、人に与えることを行えば結果はすべて自分に返ってくるのです。
これがあなたの50歳以降の復活宣言です。
年末に自分の大切な価値とは何かをもう一度考えましょう。
勇気をもって自分の心の木を育てるのです。
そして新しい旅にでましょう。自分も友達も知らない全く新しい希望に向かって出かけるのです。そこには誰も知らない新しい世界、宇宙が待っています。
今迄の失敗や困難はこれからの折れない心の強い芯になるのです。
新しい年に今までとは違う新しい思考力を身につけてください。
良い新年をお迎えください。
杉井要一郎 / 2017年最終号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.
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