#32 Business coaching |
社内でプリンターの購入時に起こった本当の話です。全く考えられていかった派生効果を、如何に現実化してシナジー化するか。
私の会社で使用していたC社のコピーマシンは使用し始めて3年になっていました。3年もたつと品質が変るだけではなく、経時変化も起こり、故障と言うよりもスピードが落ちたり、機能がうまくいかなくなる課題、マルファンクション(malfunction)が起こるようになりました。
そこで新しいマシンに取り替えようと、C社に連絡して交換を決めた時です。弊社の担当者が以前に勤めていた会社で使っていたF社のコピーマシンが好きなので一度見積もりを取っても良いかと言うことになり、F社に連絡をしました。
勿論F社の営業が飛んできました。そこで始まったのが競争です。
それに追加する事、別の会社も入って3つ巴の競争となりました。
最初は自社の機種はこう良いですよ、と言う話だったのが、後から来た会社が特別な価格を出してきました。
それに負けじと最初の会社もそれ以上に価格を下げてきました。
もう一社は提示した価格を下げる事は出来ないので、降りてしまいました。
そんな中、更にもう一社が安い価格で提案してきました。
この様な価格競争は日常茶飯事ですし、購入側もそれ位のことは当たり前のこととして聴いているだけです。勝手に競合同士がそれぞれの社内での駆け引きをクライアントに試しているという構図です。
もうそんなに値引きをしないでよと言うのが私の価値観です。
基本としては、機械が故障しないで基本の動作で楽しく動いてくれればよいのです。
価格は既に課題の外で、受け入れられる価格です。(reasonable price)
このような私の考えを営業担当者に言いました。
次の日に最初の会社の部長さんが新しい提案を持って飛んできました。
もう一社も私の話を担当から聞いて新しい提案を持ってきました。
別の競合他社がこんな提案を持ってきたなどという倫理的にはしたないことは一切抜きで、どのようなエネルギーの移動が起こっているかを見たかったからです。
どんなソリューション提案をしてくるのか、又はソリューション以外のよい提案があれば、それによって決めようという弊社の社内的な戦略になりました。
スターバックスはなぜマックPCを自由に使用できるのか
ANAの乗客はなぜ多いのか
JALの乗客はなぜマイレージメンバーが多いのか
なぜこのようなことがわかるのか
ビッグデーターによる分析能力とは
LCCになっても普通の客はなぜ減らないで大丈夫か、他社に流れないか
これらの事がわかった上で思考のアウトボックスが個別に出来れば無駄な競争はしなくてよいはずです。
従来の思考を破った提案、本当のプッシュアウトの思考とは、
自分たちだけの考えでなく、他社の全く違うマーケティング事例をいかに自分たちの社会的な潜在能力に取り入れ、それらを料理したアナロジーからの誘い、10手先の直観に繋げないのか。
これが今迄の積み上げでない気づきを使った直観、又は新しい戦術になるのでしょう。
コーチの役目とは、クライアントからは反射的にそれほどアイデアが出るものではないということを理解した上で、忍耐強く、発達段階的に深くクライアントに考えさせなければなりません。
大きな思考の器の成長をサポートするのがエグゼクティブコーチの役目です。
ではどのように進めることができるのでしょうか。
これらはMBAで学んだケースメソッドに似ていますが、似ていても非なるのが連鎖思考による変容です。(思考のTransformation)
未来の思考法が市場における優位性を勝ち取る時代です。そのための勉強法を取り入れて簡単には真似のできない気づきを探るのはとても面白いし、自信が深まります。
思考の拡大(enhancement)はやればやるほどチャンクアップしていきますね。(上への思考拡大)
この思考の結果が競合他社からの勝利を導いたのです。
それが思考のシナジーにつながったのですね。
クライアントの本当のモチベーションアップにはクライアント自体が知らないことを連鎖思考、真逆思考、ギッタンバッコン思考等でマインドを熟成させることをお勧めします。
今まで過去に学んだランチェスター思考の変容型だと思ってください。
そうすれば簡単ですね、だって皆さんの潜在知識にがっちりと埋め込まれているのですから。但し、ロジックは違いますが…。
思考とは自分の一番大切な要素です。その要素を開発することができるのならば人生とはなんと素晴らしいことではありませんか。
杉井 要一郎
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