エグゼクティブコーチングで会議をする際の特別な方法をお教えします。(Performance coaching) 12月第2週号

#42


今日の課題は、
Systemic View (全体把握)と Pause Chasm () です。

役員会、部長会などの重要な会議の議長をしている人達に必要な、エグゼクティブコーチングによる会議の基本・法則です。

その日の議題や資料を予め準備し、会議のはじめに爽やかに挨拶をして、参加者をリラックスさせ、安心させるオープンな雰囲気を醸成することがまず求められます。

あなたのプレゼンス、そこにあなたがいる事が参加者を適度に緊張させ、信頼をもたらすようなポスチャーです。これができたら既にれっきとしたエグゼクティブです。

1.    はじめは簡単な質問で参加者をリラックスさせ、徐々にパワフルな質問へもっていく事です(段階的な質問力)。最初は “YES”「ハイそうです」、と言う答えが返ってくるようなクローズド質問で構いません。議論を戦わせるような質問は最後の方でします。

2.    話が終わった瞬間に間(‘ま’)Pauseを取ることです。休みもポーズもなく矢継ぎ早に話さないことです。間(‘ま’)は2~3秒位必要です。4秒以上だと長く感じます。その間に人は潜在思考の中で考えているのです。自分の思考を促すためと相手が話したことの理解、整理をするためだと思ってください。

3.    あなたが傾聴している姿が参加者を信用させます。一番大切ですが同時に忍耐が必要なのがこの傾聴です。あなたはどうしても自分の意見を言いたくなるのです。相手の話をさえぎって自分もそのことは知っている、これだけどうしても話しておかなければ気が済まない、ということを皆に吹聴したいのです。それはあなただけでなく、他の人も同じです。自分がしっかり我慢して、相手の言うことを100%理解するように傾聴することが大事なのです。次に自分が何を話そうかとか、その人に対しての質問を考えるのではなく、相手の話していることを真剣に理解するように聴くことです。これは当たり前として理解できても、実際に行動するのが一番難しい技です。特にエグゼクティブの人たちは判っていても出来ないのです。自分の限られた信念、過去からの経験とエグゼクティブとしてのBehavior 振る舞いがそうさしているのです。

4.    最初はどんな話でも忍耐強く聞くようにしますが、あまりにも長かったり、話の整理が出来ていないような場合は、全部聞いてから、「すみません、今仰ったことを短く、かいつまんで、もう一度お話ししていただけませんか。」とか、「今仰った中で一番重要な課題はどの部分でしょうか。」と言うようなことをさらっと聞くようにします。これは次回から話を短くしてもらうことと、相手に話している内容を理解しやすいように話してもらうための用意です。

5.    次に必要なことはバックトラックです。これは相手からの信用を確実に得ることができます。「今あなたの仰ったことは、~」から始まって相手が話したことを要約してあなたがもう一度繰り返すのです。この様な繰り返して話すことをバックトラックと言います。相手が話した直後に、自分の意見や私はこう思うというようなこと(フィードバック)は絶対にすぐには言わず、相手が話したことをもう一度簡単に繰り返すことで相手はあなたが自分の話をしっかりと聴いて、理解してくれたと解釈するからです。もちろんそのあとでご自分の意見や話したいことを言うのですが出来るだけあなたが話出せるように質問をさせることができれば一流です。。

他にも、何事も肯定的に受け止め、肯定的に会話をもっていくことや、相手を尊敬・尊重すると同時に自分をも尊敬することなども重要です。

その他、基本的なことであなた自身がこれらに付け足すことがありますか。 

会議の話し方の中での習慣も大切です。

1.    批判は恐れずに、大切な事を話してくれていると受け止めることです。自分を責めているのではなく、それを直すことにより、更なる向上ができるというように受け止めることです。反対意見を真摯に受け止める心が必要です。

2.    議題の重要性を先に考えることです。緊急事項ばかり考えていると、最後に多くの重要事項が取り残されて結局は後の緊急事項になってしまからです。

3.    大切なことの中でこれは特に習慣としてください。新しいことを取り入れる事ばかりではなく「捨てることは何か」を相手に考えさせることです。これはコーチングの基本ですが、特に自分の信じていると思う「限られた信念」を取り除き、みなさんの言うことを聴くという一番難しい技です。

4.    目的とゴールを明確にすること。特に未来に関しての課題に視点を置き、過去の問題はしっかりけじめをつけて終了することです。未来のことを課題とするということは議題を絞るということです。過去のことに引きずられないで思考を別の方向に向けるからです。

5.    質問をする際、または自分の思考の整理をする際には論駁方式を使うことです。すなわち、論理的・現実的・実行可能か=帰納法演繹法を明確にすることです。話に信憑性を持たせるようにする技です。これが無意識にできるようになれば既にあなたの話し方は一流です。

6.    期待と約束の区別を明確にすること。全てが明瞭である必要はありません。明瞭とは、はっきりさせることで、約束とは短期的で、決断、決め事をすることです。あやふやなままは禍根を残すもとです。特に期待とは何も決められていないことを皆に分からせることです。これは自分には関係なく、相手任せですよということです。コミットメント、責任に対するアカウンタビリティーとは違います。(前項)
  
最後に最もエグゼクティブに必要な高度な会議での方法です。

1.    常に全体をシステミックに見るように持っていく事です。これは静的ですが、この後に動的でかつエネルギッシュなシステマティックな思考に持っていくのです。

2.このシステミックの静的な間と間のあいだ、の行間が読めるようになれば会議は非常に理解度が有効に行われ、思考の範囲が広がっていることになるのです。

3.他に何がありますか、教えてください。本当のコミットメントとは何かを理解しましょう。


この続きはいつかブログに載せますが、実践で行わないと実感がわかないことが多いですね。

杉井要一郎

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