#57 Life Coaching
あなたは人生を楽しんでいますか。
あなたは他の人達を楽しませてあげていますか。
1961 年に大学を卒業してから、私はいろいろな国の会社のリ-ダーとして、様々な国の人たちと仕事をする中で人間関係を学んできました。
特に1994年に入社したオランダのBaan社は、人間関係が非常に強く求められている会社でした。
私は翌1995年に日本の会社の代表として、また本社の副社長としてオランダに赴任しました。
私が住んでいたヒルベルサムはオランダの中央に位置し、住人のほとんどがオランダ人という街です。オランダはキリスト教の国で、海外からの住民からも毎年必ず教会税が徴収されます。
オランダ人は昔から多くの国々との貿易が盛んで、商売に対しては非常に厳しい人たちです。また、割り勘のことをGO TO DUTCHということからも類推されるように非常に合理的な人たちでもあります。
オランダ人は大きな家に家族とともに住んでいて毎週日曜には決まって教会に行くのです。海外から来た人たちは街の中心に近いところに一塊になって住んでいます。
一歩その街を外れるとそこには大きな運河で分断された別の街があるだけです。
この街の人たちは町ごとに一つのコンツェルンを作っており、とてもクローズドな生活をしているので、お互いが家族のように仲良く暮らしています。表通りには大きく開いた窓があり、中が全部見えて誰が何をしているかが一目瞭然です。
フロントの庭の花壇には綺麗に飾り付けるように花が植えられ、中級の家庭は皆本当に家族的です。
海外から来た人に対してはアメリカのようにすぐパーティーをしたり、自宅に招いたりすることはしません。彼らが英語を話さないということと日本人がオランダ語を話さないということもその理由の一つです。また日本人が地域コミュニティ作りに大切なコミュニケーションの場である教会に行かないからかもしれません。
日本の長野、群馬、栃木の別荘地で仲間内だけで住んでいるみたいなものです。
そして新しい住人が来るとなかなか打ち解けず、打ち解けると今度はそこから外へはなかなか飛び出すことができないようになるのです。
私がいた会社の社長はJan Baan氏、そして弟のPaul Baan氏がいました。両氏はいずれも私の上司でした。日本とは文化も習慣も宗教観も全く違います。私の他にはアメリカから来た人達が数名いました。
私たち日本のカルチャーはご存知のように、非常に品質管理的で、プロジェクトマネージメントがしっかりしていて、製造業のお手本です。小さいことにもきちんと対応し、時間を守り、上司の言うことには絶対服従というものでした。
大手の半導体メーカー、自動車等の複雑な製造工程、サプライチェーン、シックスΣのような品質管理をしている会社を相手に仕事をしていましたので、仕事の内容はソフトですが、実際は製造工程のような管理系のものでした。もちろんソフトですが、品質や強度などが非常に求められていました。
また日本企業への要求はものすごく細かく緻密です。欧米のその頃のソフトウエアにおけるシステム開発は間違っていれば直せば良いという感じでしたので、何か問題があるとそれを解決できるのは社長と技術取締役だけです。
前にも書いたとおり、どんな問題があろうともトップはびくともしないで問題の整理にあたります。ドイツ式のヒエラルキーとアメリカ式のオープン型のミックスです。
Jan Baan氏のやり方は完全なEmpowerment 型でした。任命された人たちが責任と権限を持ってその問題を解決するのです。 そのためのReadiness(リーダーとその部下たちとの関係)が会社の行動規範としてものすごく明確です。
どのようにしたら日本からいった文化の違う人がこのような会社で仲間になれるのでしょう。今回はそこが大切なポイントです。グローバル展開している会社が上手にしている方法です。如何に人生の満足感を取り入れるかです。
これからは海外から日本に多くの人がやってくる時代です。
中国とその周辺、ASEANからは既に工場労働者として多くの人達が来ています。また中近東、アフリカからも来ています。中南米からは多くの日系の人たちが来ています。このような環境において、今まで閉鎖的であった日本人はどのようにして外国人を受け入れればよいでしょうか。
今回はオランダでのことを例としてあげましたが、彼らは国内では基本的にはオランダ語しか話しません。
ではどのようにして海外に進出しているのでしょう。また海外の文化を取り入れているのでしょう。アムステルダム、ロッテルダムは世界中の物流の街です。
ここで質問です。
アフリカや中近東から来た人達がセミナー中に私に質問することがよくあります。
「電車の中で私たちが座っていると日本人は私たちのそばに座りたくないみたいです。なにか差別されているように感じます。どうしてですか?」
皆様ちょっと考えてみてください。
電車の中で実際にまわりを見回しながら考えてください。
日本人はそよその国から来た人達とどのように交わろうとしていますか。
何か避けようとしていませんか。
日本人は悪い意味での差別感は持っていませんが、何か恐れを持っているように思われます。このことを彼/彼女らはすぐに気がつくのです。これらを取り除かないといつまでたってもグローバルで人生を楽しむことができません。
日本人は細かいことに神経が行き届き、作り上げたモノの品質が良いことで知られています。これは正確性や完全性を求めているのです。何か質問をされてもきちんと答えなければいけない、回答を出そうとする几帳面さがあります。
人間関係においては必要以上に正確性を求めると角が立ちます。とは言えずぼらな性格、優しさを欠いた感情はかえって関係性をだらしなくしてしまいよくありません。
この問題は、今まで見たこともないような国の人が海外から来て、私たちの環境の中に入ってきた時には日本人らしくおもてなしをしなければならないということです。
それはその人たちに対して親切にすることではありませんか。
私たちと文化も習慣も異なる国から日本に来た人たちに対して暖かく声をかけるようにしましょう。
簡単な英語で構いません。文法とか発音を気にする必要はありません。
It’s a nice day.
Where (are) you from?
学校では見知らぬ人に話しかけられないようにと教わってきました。
しかし現実は見知らぬ人ばかりの世界になりつつあります。
オランダと同じです。違いは移民を受け入れていないことです。
日本は海に囲まれているので近隣の国の人しか知りません。それは中国と韓国です。彼らとは一緒にいても見た目が似ているので平気ですが、アフリカ、中近東などのこれまで親交がない国の人達ともこれからは接していく機会がますます増えてきます。
彼らの現在の母国語は英語です。なぜならば彼らの国の民族言語は余りにも多様化されていてお互いに理解されにくいので皆英語を流暢に話します。会話には何ら問題はありません。もちろんイントネーション、発音(Pronunciation)には強いなまり(アクセント)があります。これらは日本人が英語を話している時も全く同じです。
いずれは同化するのでしょう。しかし、国際人である日本人として、電車や乗り物の中やレストランなどで見知らぬ国の人達と同席したときや、彼/彼女がなにか困っていたり、不思議がっていたりしたら是非ともこちらから話しかけてください。
さもないと彼/彼女たちは日本人よりも恥ずかしがり屋なのです。
問題は相手から英語で流暢に話しかけられた時にどう答えるかです。
電車の中での会話でもしわからなかったら、何度でも聞き返しましょう。そうすると耳が慣れてきて、相手が何を言いたいか単語で分かってきます。
さあ今日から今書いたことを心にとどめて乗り物に乗りましょう。それがおもてなしです。あなたの心は準備できていますか。 それがレディネス(readiness)です。
人生をみんなで楽しみましょう。それはコミュニケーションです。
これはほんの一例です。会議の中でも日本人は話さないので、なぜ話さないのですか、とよく聴かれます。意見がなければ質問だけで良いのです。
人生楽しみましょう。
杉井要一郎 / 2015年3月第5週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.
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あなたは人生を楽しんでいますか。
あなたは他の人達を楽しませてあげていますか。
1961 年に大学を卒業してから、私はいろいろな国の会社のリ-ダーとして、様々な国の人たちと仕事をする中で人間関係を学んできました。
特に1994年に入社したオランダのBaan社は、人間関係が非常に強く求められている会社でした。
私は翌1995年に日本の会社の代表として、また本社の副社長としてオランダに赴任しました。
私が住んでいたヒルベルサムはオランダの中央に位置し、住人のほとんどがオランダ人という街です。オランダはキリスト教の国で、海外からの住民からも毎年必ず教会税が徴収されます。
オランダ人は昔から多くの国々との貿易が盛んで、商売に対しては非常に厳しい人たちです。また、割り勘のことをGO TO DUTCHということからも類推されるように非常に合理的な人たちでもあります。
オランダ人は大きな家に家族とともに住んでいて毎週日曜には決まって教会に行くのです。海外から来た人たちは街の中心に近いところに一塊になって住んでいます。
一歩その街を外れるとそこには大きな運河で分断された別の街があるだけです。
この街の人たちは町ごとに一つのコンツェルンを作っており、とてもクローズドな生活をしているので、お互いが家族のように仲良く暮らしています。表通りには大きく開いた窓があり、中が全部見えて誰が何をしているかが一目瞭然です。
フロントの庭の花壇には綺麗に飾り付けるように花が植えられ、中級の家庭は皆本当に家族的です。
海外から来た人に対してはアメリカのようにすぐパーティーをしたり、自宅に招いたりすることはしません。彼らが英語を話さないということと日本人がオランダ語を話さないということもその理由の一つです。また日本人が地域コミュニティ作りに大切なコミュニケーションの場である教会に行かないからかもしれません。
日本の長野、群馬、栃木の別荘地で仲間内だけで住んでいるみたいなものです。
そして新しい住人が来るとなかなか打ち解けず、打ち解けると今度はそこから外へはなかなか飛び出すことができないようになるのです。
私がいた会社の社長はJan Baan氏、そして弟のPaul Baan氏がいました。両氏はいずれも私の上司でした。日本とは文化も習慣も宗教観も全く違います。私の他にはアメリカから来た人達が数名いました。
私たち日本のカルチャーはご存知のように、非常に品質管理的で、プロジェクトマネージメントがしっかりしていて、製造業のお手本です。小さいことにもきちんと対応し、時間を守り、上司の言うことには絶対服従というものでした。
大手の半導体メーカー、自動車等の複雑な製造工程、サプライチェーン、シックスΣのような品質管理をしている会社を相手に仕事をしていましたので、仕事の内容はソフトですが、実際は製造工程のような管理系のものでした。もちろんソフトですが、品質や強度などが非常に求められていました。
また日本企業への要求はものすごく細かく緻密です。欧米のその頃のソフトウエアにおけるシステム開発は間違っていれば直せば良いという感じでしたので、何か問題があるとそれを解決できるのは社長と技術取締役だけです。
前にも書いたとおり、どんな問題があろうともトップはびくともしないで問題の整理にあたります。ドイツ式のヒエラルキーとアメリカ式のオープン型のミックスです。
Jan Baan氏のやり方は完全なEmpowerment 型でした。任命された人たちが責任と権限を持ってその問題を解決するのです。 そのためのReadiness(リーダーとその部下たちとの関係)が会社の行動規範としてものすごく明確です。
どのようにしたら日本からいった文化の違う人がこのような会社で仲間になれるのでしょう。今回はそこが大切なポイントです。グローバル展開している会社が上手にしている方法です。如何に人生の満足感を取り入れるかです。
これからは海外から日本に多くの人がやってくる時代です。
中国とその周辺、ASEANからは既に工場労働者として多くの人達が来ています。また中近東、アフリカからも来ています。中南米からは多くの日系の人たちが来ています。このような環境において、今まで閉鎖的であった日本人はどのようにして外国人を受け入れればよいでしょうか。
今回はオランダでのことを例としてあげましたが、彼らは国内では基本的にはオランダ語しか話しません。
ではどのようにして海外に進出しているのでしょう。また海外の文化を取り入れているのでしょう。アムステルダム、ロッテルダムは世界中の物流の街です。
ここで質問です。
アフリカや中近東から来た人達がセミナー中に私に質問することがよくあります。
「電車の中で私たちが座っていると日本人は私たちのそばに座りたくないみたいです。なにか差別されているように感じます。どうしてですか?」
皆様ちょっと考えてみてください。
電車の中で実際にまわりを見回しながら考えてください。
日本人はそよその国から来た人達とどのように交わろうとしていますか。
何か避けようとしていませんか。
日本人は悪い意味での差別感は持っていませんが、何か恐れを持っているように思われます。このことを彼/彼女らはすぐに気がつくのです。これらを取り除かないといつまでたってもグローバルで人生を楽しむことができません。
日本人は細かいことに神経が行き届き、作り上げたモノの品質が良いことで知られています。これは正確性や完全性を求めているのです。何か質問をされてもきちんと答えなければいけない、回答を出そうとする几帳面さがあります。
人間関係においては必要以上に正確性を求めると角が立ちます。とは言えずぼらな性格、優しさを欠いた感情はかえって関係性をだらしなくしてしまいよくありません。
この問題は、今まで見たこともないような国の人が海外から来て、私たちの環境の中に入ってきた時には日本人らしくおもてなしをしなければならないということです。
それはその人たちに対して親切にすることではありませんか。
私たちと文化も習慣も異なる国から日本に来た人たちに対して暖かく声をかけるようにしましょう。
簡単な英語で構いません。文法とか発音を気にする必要はありません。
It’s a nice day.
Where (are) you from?
学校では見知らぬ人に話しかけられないようにと教わってきました。
しかし現実は見知らぬ人ばかりの世界になりつつあります。
オランダと同じです。違いは移民を受け入れていないことです。
日本は海に囲まれているので近隣の国の人しか知りません。それは中国と韓国です。彼らとは一緒にいても見た目が似ているので平気ですが、アフリカ、中近東などのこれまで親交がない国の人達ともこれからは接していく機会がますます増えてきます。
彼らの現在の母国語は英語です。なぜならば彼らの国の民族言語は余りにも多様化されていてお互いに理解されにくいので皆英語を流暢に話します。会話には何ら問題はありません。もちろんイントネーション、発音(Pronunciation)には強いなまり(アクセント)があります。これらは日本人が英語を話している時も全く同じです。
いずれは同化するのでしょう。しかし、国際人である日本人として、電車や乗り物の中やレストランなどで見知らぬ国の人達と同席したときや、彼/彼女がなにか困っていたり、不思議がっていたりしたら是非ともこちらから話しかけてください。
さもないと彼/彼女たちは日本人よりも恥ずかしがり屋なのです。
問題は相手から英語で流暢に話しかけられた時にどう答えるかです。
電車の中での会話でもしわからなかったら、何度でも聞き返しましょう。そうすると耳が慣れてきて、相手が何を言いたいか単語で分かってきます。
さあ今日から今書いたことを心にとどめて乗り物に乗りましょう。それがおもてなしです。あなたの心は準備できていますか。 それがレディネス(readiness)です。
人生をみんなで楽しみましょう。それはコミュニケーションです。
これはほんの一例です。会議の中でも日本人は話さないので、なぜ話さないのですか、とよく聴かれます。意見がなければ質問だけで良いのです。
人生楽しみましょう。
杉井要一郎 / 2015年3月第5週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.
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