5月第2週号 セルフ・コーチングが出来るようになるには

#63 self coaching


コーチングは相手が自分で成長できるように、あるいはゴールに達成できるようにサポートすることですが、コーチングを学ぶ中で、いろいろな思考、マインドを自分で取り入れて自分自身で成長する、自分で自分を育てることができるようになることでもあります。

  
自分に気づきを与えてくれるようなメタファーを持つことや自問をすることにより、自身に気づきや直感が出て、それが未来への自分のモチベーションのきっかけとなり、常に目的に向かって行動ができるようになることです。

セルフコーチングができるようになると自然にその境地に入りますので、肩が凝ったりして、しかめ面するようなことがありません。ストレスが溜まらないからです。

自分のプレゼンス・他人から見た存在感がきちんと出来てくると姿勢も良くなり、顔付きも常にしまってキリっとした表情になります。
背筋を伸ばして歩いている姿、いつも微笑みがあり人に話しかけるような温かみがある顔、これまでへの字になっていた口元も、尖っていた目つきも和らぎ、穏やかな表情に変わっているのです。

自分で気づきが起こり自ら成長していく、それが自分の普段の行動になり、以降は自分で自分を成長させることが自然と意識しなくてもできるようになります。外からExtrinsicの意見がいつの間にか自分のIntrinsicの考えになるのです。素晴らしいですね。

もしそれが皆様の中で起きているならば、自分自身で成長していく術を既に持っていて、自分の課題をこなして成長しているはずです。

この一年間、様々なブログを書いてきましたので、その中にはご自身に当てはまることがあり、ハッとされたことがあった事と思います。

気づきというのは言葉では簡単です。

では皆さんが自分自身に質問をして、それがきっかけとなる気づきが起き、そのことがモチベーションとなり、大きな行動のための勇気のエネルギーがでて、自分の成長は自分自身のコーチング・セルフコーチングに負うところが大きいということが分かっていますか。

コーチングを学ぶということは人とコミュニケーションをする他にコミュニケーションによりひらめきや直感が湧き、自分の価値観が大きくなる必要性が見えてくるのです。それが当たり前にできるまでの発達段階をコーチがサポートするのです。発達段階とは回数を重ねることによる成長を意味します。
コミュニケーションとは単なる会話だけではないことはすでにお話ししました。

このブログは前々回から3回続けて読まれることにより、気づきと価値観の関係性の発達が分かるようになりますので前回・前々回をお読みでない方は是非そちらをお読みください。

今回からこの後3回続けて自分の本当の気づきとは何かの初級編をお話しします。


直接的にお話するのではないので、一度に読んでパッと気づきが出るひともいるでしょうが、人の心というのはそんなに簡単には出来ていないのです。
なぜならば、顕在意識がすぐそのまま潜在意識になりすまして自分の習慣や癖になって無意識にそのような行動ができるようには出来ていないからです。

よくVisualization が大切だとか、Affirmation がきちんと出来ていないとダメだと言いますが、Visualization のゴールはそんなに簡単にしっかりとは出来ないのです。ゴール到達までにはその要素が何かとか、その裏に隠されている必要なゴールがあり、そのさらに必要なゴールに到達するための必要な条件や別のゴール、目的、周辺要素があり、そのものができないと本物のゴールに行くまでに余りにも障害が多いというような阻害要件が立ちふさがっているのが分かるからです。Affirmationはきちんとしたゴールに対するVisualization
がきちんと出来てなければできません。

今回はVisualization ビジュアライゼーションです。


コーチはよく、「ゴールを明確にしてそのゴールを目に浮かばせなさい、その時のゴール達成した時のことをきちんとビジュアライズすることにより、モチベーションが湧き、忘れることができなくなります」といいます。

夢は叶えられる、自分が思ったことは必ず達成できる、などと言われます。

しかし本当に夢が達成できたら素晴らしいです。白昼夢でも良いのです、まずは大きな夢を持つことです、何度でもいいますが、自分に足かせのない夢です。

これからが本番です。

その夢、ゴールが本当に自分にとって一番大切なゴールか。これも時と場所、優先順位、環境によって変化します。

他人から言われてそれは良いと思ったゴールなのではなく、自分の考えでどうしてもそうなりたいと思ったのかが必要です。

自分の知っているドメインの中の話なのか。

自分にとって重要で緊急なものか。(特に緊急なものは夢ではないことが多く、直近の戦術、仕事になります。)

その夢は実現の可能性があるのか。

それらは新しい潜在意識の中でも表層に近いところのもので、またリコールできるものなのか。

その夢、ゴールは達成するために自分でどのようにすれば良いかのプロセスを考えることが出来るのか。

一人でできるのか、他の人を巻き込まなければならないのか。

短期で達成できるのか、長い時間をかけても達成するのに構わないのか。

それらを一つずつきちんと精査していかないと、出来上がった、あるいは到達したゴールに何らかの欠陥があるのです。ゴールの後になっての問題は最初にきちんとした養生をしていないことが原因です。
それは自分だけの問題ではないはずです。 

他にも様々な理由から遅延・プロクラスティネーションが発生したための遅れにより途中でできなくなり失敗することです。
そのあたりは後編でお話します。

なぜこのようなことが大切かというと、エグゼクティブ コーチングをやっているとセッション中に相手の方から気付かされることが余りにもたくさんあるからです。

それらはとても大切なことで、相手にとっても新しい気づきなので必要なことです。時にはそれをコーコーチングと呼ぶことがありますが、コーチがその深い部分を理解していなかったり、コーチのネグレクト、サボタージュによることが多いです。

もちろんエグゼクティブコーチングですので、こちらから教えるということはほとんどありません。

また教えてもらうということも念頭にありませんので、お互いが現在直面している最も重要なこと、課題を自由に話しているだけです。しかしそれだけでもものすごい量の情報をお互いに解釈しようとしているのです。
それは今まではInternationalというドメインでしたのがその何十倍も大きなグローバルという環境の話になり、もっと情報と課題、答える範囲が広がっただけではなく、奥行も深くなったのです。

今までの課題等はほとんど自分が知らないだけ、無知なだけで、他の人には既に結果が見えているようなものでした。

今まではコミュニケーションといえばお互いに話し合ったり質問をしたり、会話の話しを言っていましたが、これからはマルチダイアログ、対話です。


現在は、明治、大正、昭和20年までとの戦前とは時代が全く違いますから、思考法も全く違います。

もうとっくにIQの時代ではなくなり、思考法そのものも変わってきました。なぜならば情報量が全く違うだけでなくその分析方法も変わってきているのです。比較にならないのです。

さて質問です。
あなたが正解を持っているとしたらそれはどんな質問ですか。

  • 例えば過去に出た質問。
  • 回答がどこかにある質問。
  • 分からなければ人に聞けば教えてくれる内容。

ITの発達によりその情報量も爆発的に増え、それらのシステムが作り上げた時代の遺物が戦前とは比べ物にならないくらいに大きく、大量になっているのです。情報はいくらでもありますが、必要な情報だけでなく不必要な情報も入ってきます。
それではWEBで探せばよいかといっても回答が出てこないものもあるのです。

物事を知っているのは当たり前ですが、知っているということだけではもう古いのです。

どのようにして回答を出すか。実は回答がいくつもある、別の言い方をすると、これが正解という一つの答えではなくなった時代になっているのです。

知識の収集はITのプロセスがとって変わっています。
知識をある一定レベルまで持つことが義務教育です。それは人としての常識の部類です。そして最初は質問と答えを学びます。次に考えなければならない質問と答えを学びます。これらが因果関係です。
コーチの一番必要かつ欠かすことのできないことは、この答えは一つではないということを相手に認識させることです。
また答えをいくつも出させるために、オープンな質問を出すのです。

このオープンな質問により、目の前の顕在意識からの回答ではない、答えを考えさせるのがPower 質問です。

そしてこのパワー質問を出せるようにトレーニングをするのがコーチトレーナーです。そしてエネルギーの放出をさせることにより、集中と行動を起こすのです。

答えを知っているということは自分の顕在意識の部分です。

ではみなさんはどのようにして潜在意識の自分の特徴を大きく拡張していますか。

この答えをじっくり考えてください。
それこそプロのコーチになったつもりで。


杉井要一郎 / 2015年5月第2週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.


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