6月第2週号 企業の経営者/リーダーは、経済や新しい時代環境に適合するビジネスモデルの変化に対応するためには、自ら変革を求めて思考の変容に挑戦し続けなければならないと従業員に事あるごとに言っています。

#67 Transformational coaching



ところがそのリーダー本人は毎日を変革していないのです。
あるいは出来ないのか、実際には行動していないのです。
これはサボタージュやProcrastinationの問題ではありません。
自分自身の自律と自主性の問題です。

 どこかのニュースで聞いたことを話したり、本で読んだり、座談会で話しているのを聞いてヒヤッとしたことを部下に教えているのです。

特に教育に関しては教えている人が理解できているのか、教えていることを実行して結果を出しているのかは、なかなか判り辛いのです。
その人はどう挑戦し、変革したらよいのかを知らないのです。覚えた知識でしかないからです。さらにその知識も古いものである場合が多いのです。
確かに一度決めて習慣づけたことを変更するのは大変です。
古きを捨て新しきを取り入れることの難しさはここにあります。
まずは思考から行動へ移すことができるかどうか、選択と決断、意志の確約、そして実施です。

ではコーチはどうでしょう。
今のコーチはこれも全く同じで過去5年間やってきたコーチングをそのまま継続してやっているのが現実です。

言っていること、コミュニケーション、比喩、行動も同じです。
自分でできないことを人にコーチをしていたり、研修しているような人からコーチングされることほど馬鹿げていることはありません。
コーチは何も知らなくて良いのです、コミュニケーションにより相手に気づきを与えるのですと言っていたのは5年前です。
コミュニケーションが全てですと言っていたのも同じ時期です。

そうです。確かにコミュニケーションは一番大切なツールです。コーチの中にも相手の気づきを引き出すような話し方をするコーチもたくさんいます。それはコーチングに限った事ではありません、しかし、コーチングをうける人たちからすれば今までのコーチングはもう当たり前のことで、そんなことはオープンカレッジ、公開セミナー、本、DVD, 研修でもできます。

では今まで一生懸命高いお金を払って学んできたコーチングをどのように変革、変容すれば良いのでしょうか。

今までのコーチングは、コミュニケーションを主体として学んできた知的ツールの一つです。このツールはもちろん非常に大切ですが、それだけでは足りなくなっているのです。もっと大切なことを一生懸命にやらないとコーチはObsolete 古い大学の講師と同じで自分の教科書を読んでいるに過ぎません。
ではコミュニケーションの他にどのようなことを追加すれば良いのでしょう。
身近な例ではメンタルです。今までのIQよりからEQに移行しないと人間のOSが変遷しているのです。

思考に関して大切なことを3つお話しましょう。

このグローバルで劇的に変容をする時代のコーチあるいはコーチング、コミュニケーションを習得する人は、今までの3x3倍以上の情報を得なくてはなりません。その方法はIQではなく思考の変容のためのEQです。

次にこの情報を整理して大切な情報だけを繋げ、連鎖出来るようにするための思考スキルを作り上げます。または必要な情報だけがまず入り、そのあとに周辺の情報が薄く入るような思考スキルを自分流にマスターするのです。

この出来上がった自分流の情報分析だけではまだまだ足りないのです。最後は集積能力・社会脳です。一人の情報量は限られています。この情報社会においてはチームを組んでことに当たらないと後れを取ってしまいます。自分たちが一番良いと思っていても、そのような顕在的な思考の結果は既に他の人、チームは実行しているかもしれないのです。そのためには会社の中でも異なる意見を持っている人、異なる環境の人達といろいろなことを話し合ってみてください。

これこそがフィードバックであり、自律する最初の一歩です。
自分が成長するのと同様にチームのメンバーも成長できるのです。
そうすることによって全体の連合ができ、さらなるIntuitionが結合され、自律する規範となるでしょう。

さあ具体的に行動してみましょう。さもなければただの読書です。

杉井要一郎 / 2015年6月第2週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.



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