7月第1週号 フィードフォーワード 振り返りと繰り返しの発達段階とは。

#71 思考の為のコーチング

今回の内容はFeedback・振り返り実践編とFeed-forwardです。過去のブログの中のプロセスの一部でも取り入れていますが、あなたは実行していますか。どんな変化を感じましたか。


マインドフル、気づき、直観、そんなに簡単にひらめきが出来るものではありませんが、取り入れて実践することにより、30%成功すればよいほうです。それほど直観思考に実際の行動と権限、責任を与えるということは大変なことなのです。

さらにあなたの自尊心が途中で頭を持ち上げて、せっかくのファシリテーター、コーチのトレーニング中にかつての上司、リーダー、コンサルタントに戻ってしまい、直感が出たのに今迄の思考に戻らされて新しい直観への行動をブロックされてしまうのです。


プロセスは判っているけど、実際の現場・ラインの部長はトップのミッションをなかなか理解出来て居ないのが現況です。それほどトップのヒラメキとラインの受け入れる感覚とは思考の深さ、長さ、器に大きなギャップが有るのです。それは長い間かかって築き上げた文化と習慣が間にあるからです。

もしトップが新しい未来のリーダー、後継者、社長を今から育てようというミッションを各役員に話してそれらの可能性が有るリーダーを一堂に集めて長い間かけて育成しようと決めたのです。しかし各役員はどのようにして未来の幹部役員、社長後継者を育てるかの意味が理解できないので、KPI,KGIを立てます。

会社に一番貢献できるようにするためには、会社を一丸にすることが出来る人材を育てるための現在の問題点は何か。

直感が全くわいていないのです。戦術の延長、自分にとっての未来の成果が表れるような思考しか出てこないのです。

役員も同じです。社長の無邪気な心から出ている、人間性のある全てを受け入れる事が出来る未来の幹部、社長の後継者を世界中の人材の中から育てたい、そのこころは、・・・・・・・・です。

これが読めないのです。

これらは論駁的な思考ではなく、未来に対する感性の思いです。

これはHRが人材育成の目的をきちんと理解するのは如何に難しいかと言うことです。理解するためにはHRが率先して実践をしなければトップの思考を租借し新しい未来のリーダー育成が出来ないのです。
自分の会社の人材育成の目的を論理的且つ理性を持って証明できるだけの理解をしていないからおこる、トップとの大きな差・ギャップなのです。

投資とは、お金だけではなく忍耐や時間、方法、感情の育成も必要になりますが、トップの未来に対する思い、それをきちんと把握できる理解者は本当に自分でその気にならなければ判らないものです、其の為の上記のようなことが判るようにするための投資が必要なのです。

大切なことはそれをどのようにして発達段階的に実行すれば良いのかです。
あなたは部下に直観の為の思考の責任と権限を移譲していますか。

その時、部下とは何を話し、どのような合意をしましたか。

  1. あなたは何に対しての権限と責任を部下に与えていますか。
  2. 部下は与えられた権限と責任の目的が明確に肝に落ちていると確認できますか。目標にやる気を持たせましたか。
  3. その与えられた権限と責任に対するコミットメントとは何ですか。

あなたは部下に何を約束しましたか。

  1. 達成に必要な十分な環境をサポートすることを約束しましたか。
  2. もし途中でその責任を全うする意味が理解出来ない場合はどのようなサポート処置をとると話しましたか。
  3. あなたは部下がコミットしたことの意味つけ、進捗の報告をどのように受けますか。

問題は貴方にほとんどあるのです、それは貴方が部下の理解をそぐような身振りを一つでも見せたとたんに、社長からの想いが壊れてしまうからです。

部下は何をコミットしましたか。それは明確にあなたに理解させるようになっていますか。あなたの理解と部下の理解を阻害するようなことはないですか。

ケーススタディーで頭の中では出来上がっていても、はじめのうちは身体の筋肉がついてきません。反射的にはできないからです。

身体は思考よりも先に反射的に反応しますから、思ってから行動するのではなく行動し始めてから思考が付いてくるのです。それは表情であり、言葉に出てきます。そのための準備が貴方にも必要です。

リーダーはそれをファシリテートしていくのですがファシリテーターではそのゴールへの方向性だけで、実際の行動をしている人にどのような経験をさせれば良いかの理解の為のヒラメキを育成することが出来ません。

そうです、コーチングとファシリテーションのスキルの在り方がリーダーには必要なのです。

権限と責任を与えたあとのフィードバックとフィードフォーワードが必要なのです。

そのためのトレーニングをする環境を提供することがまずは一番大切で、HR,リーダーがそれらの準備を理解出来ないと本人だけでなくリーダー自身も含めて効果が出ません。そのためにはHR,タレントマネージャー自身が自分で身を持って環境を整備しなければならないのです。

ただコーチ、ファシリテートするのではなくその途中で部下が知らないこと、挑戦しなければいけないことにコーチは自分自身が気づかなければなりません。

リーダーと部下は既にそのためのプロセスは知っているのです。ですからその構造全体のつなぎ、筋肉を両者は知ることが必要です。

これらはプロジェクトではフィッシュボーン、石川ダイアグラム、*PERT法といいます。(*PERT法の説明

この全体像を見る肉付け方法を全員が共有するのです。

ここまで来てやっと全体像が見えるようになりました。でも紙の上です。
実際にやる前に、事例を使ってケーススタディーを行うのです。
何回かのシミュレーションをした後で初めてリーダーと部下のレディネス出来上がってくるのです。

さあ実行しましょう。ここまで来るのには多くの人の介入・キャタリストが介在してきたことでしょう。

そのための条件が整うようにすることです。条件とは単なるマッチングシートではなく、又目的とは、と単なる字に書いた行動の為のゴールではなくその裏に一杯秘められた理解力を養成することです。プロジェクトの性質と本人のやる気になるための思考シートです。

それらが十分でない時にはリーダーはまだトレーニングに介入する余地があります。タレントマネージャーはこの辺の両者をよく観察しています。日本ではタレントマネージャーが分かれているところは皆無ですので、リーダーに勉強させておくようにするとよいでしょう。

資質のアセッスメント、リーダーと部下の合意です。
上司と部下に対する事前の思考トレーニングを必要とします。
  •  ファシリテーション能力
  • ケーススタディーの必要性
  • コミットメントベースのフォーマット
  • お互いのコミュニケーションシート
これらの他にあなたが必要としているものは何ですか。
自分で考えてみてください。

これらは何度もお話をしました。
皆さんも覚えていらっしゃるでしょう。
コーチングの基礎の一つです。
基礎とは、ここにある図のなかで何が一番大切だとお思いですか。
  1. Present state (現在地)
  2. その時の目的の理解とやる人のアセッスメント
  3. 責任とは行動だけではなく環境の養生であること
  4. 上司Sと部下Fの思考のreadiness レディネス
  5. 本当にここに来るまでは、トップと幹部の意思疎通が欠かせない

  
さあ責任と権限を任せたあなた、リーダーです。
大船に乗って大海原に船出しようではありませんか。

そうです。
それらは一番重要なProcrastinationにならないための元です。

これから何度も同じことを繰り返し学びましょう。

それがあなたの潜在意識になるまでです。
 

杉井要一郎 / 2015年7月第1週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.


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