#73 authentic coaching |
Authentic Coaching コーチングの本質とは、全ての経営者、リーダーに一番必要な、相手に気づき(mindfulness、 insight)、ひらめき(inspiration)、直感 (intuition)を起こさせ、クライアントが新しい、今までにない正しい選択(choice)と決断(decision)が出来るようになるために、コーチがやるべきこと、何をしたら良いのかを提供し、向上させるための探求をすることです。
そのためにクライアントにとっての思考環境、精神的な状態を常に最適化していくコーチング・プロセスを普及させることがGledisの使命の一つです。
日本のグローバル企業のトップ、リーダー、海外の企業の役員、また自分で起業したグローバル企業のトップなどを経験してきた私の40年以上にわたる様々な経験の集大成として、これから必要とされる日本の若いリーダーに未来のグローバル経営感覚(management environment)と情動的感情(emotional feeling)を持たせ、思考と感情を変容させ、激変するビジネス環境に立ち向かっていくための心の軸(mind toughness)を早い時期にしっかりと自分の記憶の中に留めてもらおうというビジョンを持ってエグゼクティブコーチングを広めているのです。
リーダーにとって経営感覚と共に必要なのは、人生、健康、ビジネス、グループ、チーム、趣味などです。これらはいずれも一人でできるものではなく、私たち人間は独りでは生きていけないということがわかります。
そのために他の人とのコミュ二ケーションは欠かすことが出来ません。そのコミュニケーションはまた人生を豊かにする一番の宝ものでもあるのです。
この豊かな地球に誕生した私たちが幸せな人生おくるというプロセスを、皆で共有するのが本当の人生です。
そのためにありとあらゆるコミュニケーションを身につけて、お互いよりよい意思の疎通をし、明るい社会を築き上げるのが自己実現self-actualization です。
我々が常に経験している、幸福、苦しみ,悲しみ、喜び、成功、失敗等は全て人間の感情からきているのです。これらの感情は自分だけのものですが、他人と共有することによりさらにその喜び、悲しみが大きくなります。これらが記憶媒体となって意識・潜在的な習慣記憶がどんどん大きくなり、その人の器が大きくなってきます。それと同時にコミュニケーションの大切さが本当にわかってくるのです。
そのために難行苦行をする人も多くいます。そこまででなくても私たちも少しでもその境地に近づこうとしていろいろな瞑想をするのです。
これらの成果はすぐに結果としてでることもあれば、発達段階的に大きくなって後になってからその人の本当の血となり思想となって成長した結果、自分という存在が他人によって評価されるのです。それがその人の本当の現在の外から見える姿(Presence)であるかは別として、人生のあり方をエグゼクティブという名のもとで他人に影響を与える存在になるのです。
もしあなたが既にそのような状況にあるのならば、このブログを読まれてご自身の幸せがご自分のものだけではないとご理解いただければ幸いです。人は独りでは生きていけないということと同時に皆と共同して豊かな心を持ってお互いを尊敬し合わなければいけないということを考えましょう。
コーチングでは、他人にコーチするだけでなく自分の内面を見つめるためのセルフコーチングもします。人にコーチする前に自分がコーチを受けたことがあるかないかで経験の差ができてくるのです。自分の内面と相手への思いやりが新しい信頼を築き、時間とともに潜在意識からの気づき、ヒラメキを早めていくのです。その繰り返しによって更に多くのヒラメキを起こし、より深くから出たヒラメキは直感となり、その直感はすぐにでも決断を導くきっかけとなり、これらは何年に一つということではなく、毎日、毎週、毎月といつでも、次々と出ているのですが、小さいものは無視されて大きなヒラメキになって出るようになるのです。
それらの感覚を訓練することにより、更に多岐にわたった関連性からもっと新しい気づき、直感へと発展していきます。
コーチは全体を見るMulti Perspective が出来ないといけません。それは自分が相手の立場に立った際に真逆の思考を持っていなければ単なるセミナーに終わってしまうからです。
泳いだことがない人、山に登ったことがない人に泳ぎや山登りで経験する様々な達成感、向上思考、感覚・感動を教えるのは難しいです。また危険が伴う作業、例えば交通整理を新人にいきなり実際にやらせて教えることは難しいだけでなく倫理的にもできません。医者になるにはただ勉強しただけでは駄目です。
このような人たちにはそれらの成功感覚を得るための準備から教えているはずです。そしてそのような人から出るヒラメキはベテランから見れば初歩のひらめき、その本人だけの気づきに過ぎないのです
リーダー、経営者、ベテランのヒラメキ・直感とは質が違うのです。
また、コーチとして出来ること、またはしてはいけないことの区別も倫理的にわかっていないとなりません。これは医者、弁護士、公認会計士と全く同じでコーチが絶対的に守らなければならない倫理と言うものがあり、遵守しなければなりません。
ではエグゼクティブコーチはそんなに大変なのでしょうか。そうです。クライアントに対する準備、プロとしての資質を持っていなければ前に述べたような同じヒラメキでも、発達段階的にまだまだ未熟なのです。
もしあなたがクライアントならば最初の相性(ケミストリー)のチェックの時から、またはその前から「この人にお願いしたい」、「この人はどうかな…」というヒラメキ、匂いが出ているはずです。それがプロのプレゼンスであり、営業のプロパガンダ、会社名によるブランドとの違いです。
コーチングはコーチによります。
もしあなたがクライアントだったらばどのようにコーチを選びますか。
実はコーチもクライアントを選んでいるのです。年齢、経験、性別に関係なく特にこの人とは相性(ケミストリー)が合う、クライアントとして安心できるかどうかを直感で見ているのです。もしあなたの会社にタレントマネージャーがいて、その方がトップリーダーについて信頼を持って話せるならばそのタレントマネージャーが判断する、それも良いかもしれません。タレントマネージャーは映画、芝居等の配役選びです。その役にピッタリの人をどこかから見つけてくるのです。コーチも同じようにしてタレントマネージャーによって選ばれるのです。
もしコーチの、トップリーダーの360度アセスメントがあればそれも参考になります。
360度アセスメントは成果的Performance コーチングで使うことが多いのですが、それは本当にトップリーダーがコーチに求めているものではなく、その多くはHRからの要求であることがよくあります。これらはどんどんと変化していきます。
トップ、リーダー、本人の行動・癖 (behavior performance)をよくしたら会社がよくなるというのは誰にでもよくあることですが、500人以上の企業になってくるともっと大きな、個人では解決できないようなチームの変容(トランスフォーメーション)が必要になるのではないでしょうか。
それは人材育成HRの課題ではなくトップ自らが戦略的に挑戦する課題です。
人間のコミュニケーションでは、会った途端にこの人ならば、という直感が生まれることがあります。特に人生の経験と諸々の選択、決断、危険、楽しみ、苦しみの大きな崖っぷちに立った経験がある人は思考が違います。
リーダーシップトレーニングや学校の授業で、マネージャー、生徒をわざとほったらかしにしておくことがあります。学校での場合は授業が始まっても先生は何もしないで生徒をほったらかしにしておくのです。10分もほったらかしにしておくと、その中でリーダーになる生徒と、指図されないと我慢できない生徒が出てきて、さらに20分、30分たつとリーダーとなるべき人はこれはこの時間に何かを教えてくれているのだと感じ、自分が何をしなければいけないかを自分で気づき、バラバラな皆をまとめていくようになるのです。逆に何も教えてくれないのだと頭にきて教室を出て行ってしまう人も多くいます。
大きな器の人は小を飲み込むようなことは絶対にしません。それは人としての軸が出来ており、トップ、リーダーとの忍耐力が全く違うのです。
上は下をわかっても下は上がわからないのです。
上は下に対していろいろな質問をします。下は答えなければなりません。下から上への質問は未来の課題捜してはなく、いろいろな要求質問、わからない事の質問です。下は下で自分が行っていることは常に正しいと主張しているのです。小さな器の中で、です。
常に答えのない未来を探求する上の人と、現在の時間とゴールを明確にされたマネージャーとで答えが全く違うのと同じで、それらがわからない部下を持ったトップリーダーは常に忍耐を持って部下を育成しているからです。
傲慢なトップリーダーはそれなりに習慣が出るものです。また表に自分を出さないトップリーダーもいます。本当にお互いが信頼できるというのはコーチングを始めてから半年はかかるでしょう、そのあとから本当の信頼に根差したコーチングが始まるのです。
一度始まると長いあいだのお付き合いになります。
是非ともここの所を理解出来るように常に自分より経験、思考の違うクライアントにコーチングをしてください。
マスターコーチ・エグゼクティブコーチも自分より、器の大きい人、軸のある人のコーチングはとても出来ません。もし出来たとしてもそれは相手がある期間は貴方の事をもっと何か自分に対して別の分野できっと気づきを与えてくれるという感覚を持って接してくれているからでしょう。
大学を出て直ぐに、又は3~4年して会社を辞め、新しく自分で起業したいという人が私の元にも多く訪ねて来ます。あるいは60歳を過ぎてから事業を始める人も非常に多くなっています。今は事業の継承者問題が多くあります。
これらの人が始める事業はなかなか成功しません。なぜならばこれらの事業はマネージメントの延長であって経営ではないからです。
これらの人は、これまでは他人の器の中で仕事をしていたのが急に自分で全て、経営も始めようとしているからです。
これらの人には本当の経営とは何かを考えるという気づきを与えて、自分から勉強するようなモチベーションを与えてくれるコーチが必要なのです。
またグローバルから見て日本のエグゼクティブコーチングができる人達、それも大手企業のエグゼクティブの研修ができる人達は20名位と言われるほどエグゼクティブコーチは非常に限られています。もっと多くのエグゼクティブコーチを社内外に育成しなければなりません。
コーチはその人となりで成り立っています。研修を受けて資格を取っただけでは全く役に立たないどころかクライアントにとって害になることもあります。相手が求めている、自分だけでは取り出すことのできない、自分を別な角度から見る事が出来るようなコミュニケーション、out of the box 的なコミュニケーションが出来るかによるからです。
これからは多くの経営経験者、人生の経験者でコーチングを目指す実践的な勉強をした人が増えないと日本はリーダー排出では後進国になってしまいます。それらの人が経営者、リーダーのパーソナルコーチ、個人メンター、経営ファシリテーターとして増える事を願っています。
コーチはセミナー屋さんではありません。
コーチングは結果を得ることが求められますので、勉強だけでなく、実践も必要です。ただ一方的に教えて済む学問ではありません。経営幹部、リーダーの経験もあり今後の日本を支えて行く事が出来る実践的に本当に必要とされるコーチを増やそうではありませんか。
経営者になったり、また勉強をしたり、そしてまたリーダーになったり、循環的に発達することにより、更なる発展があるのです。
杉井要一郎 / 2015年7月第3週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.
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