8月第1週号  知的な(知識・知性に富んでいる)人にも色々な人がいます。あなたの持っている資質、外から見たスタイルの話です。

#75 Performance coaching

・Highコンテクスト(自分でナラティブに理解できる人)/Lowコンテクスト(詳細まで細かく説明しなければ分からない人)

・人に教えたがる人/人に気づきを与える人(なんでも質問する)

・批判する人(自分の優位性を見せつける)/褒める人

・肯定的に話す人(未来志向)/否定的に話す人(過去の出来事を話す)

・自分だけで話す人/自分は聞き役になる人(聞き上手)

・自分がなんでも話す人/相手に質問をして必要な話をする人


問題はその人の知性をいかに周囲に広げていくかです。

何でも自分だけができるのだと思っている人はその場限りの人です。
営業でも同じです。いくら売れる人でもその人一人しかいなということでは組織にとっては大きな問題です。
もしその人が病気になったらどうするか、その人が悪いことをしたらどうするか、値引きとか、インセンティブです。またはできないことを出来るとクライアントに言ってしまうこともあるかもしれません。

会社で一番必要なことはこのような人の能力が多くの人に影響を与え組織自体が人材を育成していくことです。
その結果、規模も大きくなり、品質も良くなります
その人は皆にその技術を取られることになりますが、その分会社がその人にインセンティブを与えればよいのです。あるいはその人がリーダーやそれ以上になって会社に貢献できるようすればよいでしょう。

このようなことは新しく提案しなくても誰もが出来ることです。
一番大切なことは、判断し選択ができ、決断が早く、新しい提案もでき、行動に移せる人をどのようにして育てるかということです

新しいことへのひらめきは、単に話をしただけではダメです、その人の持っている資質、潜在意識の中で過去のデーターベースが顕在意識よりも早く働かせる必要があるのです。
もし、それらを直感と呼ぶならば、その必要な直感を呼び起こす訓練、準備をしておかなければなりません。
そのための思考も必要です。その人の持っている特別なアルゴリズムの作成方法を直感で育てなければならないからです。

これらのひらめき、選択、決断を論理的な思考なしで、ぱっと出せるようなリーダーが営業、企画、人事、リーダーに一番必要なのです。
エキスパートと言われる人たちはこれらが出来ているのです。その範囲は自分の得意分野の技術、専門の範囲内で誰からも認められていることです。
その人はさらに上に行くことができるのです。何もしなくても落ちることはあまりありません。なぜならばそれは潜在意識からのメモリー(キャッシュメモリ)だからです。

ではこのような人をどのように育てることが出来るのか。
それが我々がやっている一対一のコーチングです。
相手の得意分野を見つけて伸ばしてあげるのです。またはそれらを邪魔している障壁を取り除いてあげるのです。コーチはそれらの方法を知っていてケーススタディーをしているからできるのです。
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知的な会話・高度な対話がしたい人へのコーチング、(前半)
問題がある会話・程度の低い会話をする人へのコーチング(後半)
大局的な話し方の質のお話です。
High quality of conversation.  質の高い対話が求められる時代、Intelligentな対話とは何を意味するのでしょうか。

皆さんは自由に生活を営んでいます。欲しい物を買い、よい家庭を持ち、毎日が豊かで制約のない生活をしているのです

話したいことを話し、好きな時に好きなことをやっている自由な生活ほど楽しいことはありません。これらの会話はただ自分で好きなように話しているみたいですが、本当は相手にとって大切なことを話しているのか、ただ自分の感じたことを話しているのか...。

エグゼクティブにおいてはそれらは異なります。
すべて相手がある事ですから、エグゼクティブは自分が自由になるためには周りの環境が変わらなければなりません。
そのためには自分が影響を与える人になるかそれとも無理やりやってもらう人になるかです。本当は相手が自分から進んでやってくれる人になってくれればよいのですが、何も知らない人に物事を頼むほどエグゼクティブは辛抱強くありません。

経営能力を発揮するにはそれだけの苦労と犠牲、忍耐と要求をしなければなりません。

  • 肯定的です
  • 相手を尊重しています
  • 人の話を聴いてくれます
  • 喜んでいます
  • 建設的です
  • 愛を感じます
  • 自信があります
  • 包容力があります
  • 我慢をしてくれています
  • 感謝の気持ちが表れています
知的な会話、対話が出来る人の話し方はこのような話し方をするのですね。

次のような人に会いませんか、又はあなたの近くにいませんか?
まさかエグゼクティブにこのような人はいないでしょう。

1.どうしても話したがる人

20%人の話を聴いて80%自分が知っていることを話す人、人の話までも取ってしまう人、自分では自慢をしているつもりはないのだろうけど、どうしても自分の経験を話す人、最後には自分の話しでなくて自分の知っている人の話までする人
  • 技術的なことですか
  • 自分が住んでいたことがある国ですか
  • 自分だけが知っていることですか
  • 人がちょっと話すとそれに対してコメントをしてくれるのですか
  • 頼んでもいないのに、説明がとても長い
そんなコメントどうでもよいのです。
もしそのコメントのお陰で自分に何か気づきがあるような場合は別ですが。博識であることと叡知があることとの関係性はどのように判断しますか?
トップで自分が一番知っていると思う人(信念・Limited belief)ほど問題があるのです。

2.質問、聴くことが好きな人80%傾聴する人、20%自分の話をする、質問する人。

  • 相手の出生地、学校、仕事の事、ミッションなど個人情報も含め、を根ほり葉ほり聴く人。
  • 趣味に至ってはもう大変、家族構成から連れ合いのことまで、調査員のように全てを聴くのです。
この様な人には辟易してしまいます。
話したがる人、聴きたがる人の特徴は両者とも矢継ぎ早に質問、話しかけてくるのです。
もっと困る人がいます。

3.全てオープンに話をする人ですが、なんでも最後には心配をする人です。

  • 自分のことの心配、相手のことの心配。
エグゼクティブは選択、決断、実行することで毎日が非常に忙しいのです。時間は貴重です。
時間が大切という人は、話を聴くにしてもじっくり聞いてくれます。それは重要性があるかないか考えているのです。思考の間です。(chasm)

エグゼクティブは我慢強いので、本当に相談相手にもなってくれます。
ましてや相手のことを常に真剣に考えてくれる人達です。

ではその人達と話すときにはどのようにコミュニケーションを取ればよいでしょうか。

それらがわかっているのがエグゼクティブコーチです。

コーチは全体を見るだけでなくその人の特徴を見るのです。
その人がどんな習慣、癖を持っているか、良いところは何か。
でも本人は気がついていないのです。コーチがいくら気づかせてあげてもまた次の日には忘れてもとに戻ってしまうのです。
コーチが一番知らなければならないのは、会話と議論そしてその間の対話の間、ポーズの質です。

特に質問と傾聴は大切ですが、その話し方、コミュニケーションの内容も非常に大切です。

  • 他の人を認めない、器の小さい、度量のない、忍耐のないトップはどうやって自分を見つめる事ができるのか。
  • 特に新しくトップ、幹部、社長になった人に多く見られる特徴です。
それを自分で気づかせることが出来るのがエグゼクティブコーチです。
経営者にそれを気づかせるのは並大抵ではありません。まずコーチとクライアントの間に相互の信頼がなければなりません。

経営者の持っている4つの最悪な習慣とは

  1. 自信と恐怖(強すぎる自尊心self esteemと恐れ fear)

  2. 限られた信念(Limited belief)(weak mindset)

  3. うぬぼれ(自慢 conceit)

  4. 同じことを何度も繰り返して話す(repeat)

コーチはこれらを第三者的に見て判断し、クライアント自らが直すような気づきを与えなければなりません。しかしこれらは何十年もかけて刷り込まれたクセです。そう簡単には直りませんし、自分ではそれで何一つ不自由しているわけではないのです。

一般の人でも同じことが言えます。
甘い物が好き、タバコがやめられない、お酒が好き、夜更かし等いろいろな習慣から抜け出られなくても特に不愉快ではないのです。自分で自分の未来の首を絞めているだけですから。

では高度な対話とは何を指すのでしょう。
コーチの役目はこれらのコミュニケーションをもっと効果的かつ効率的に結果を出すような話し方、対話にしなければなりません。

特に難しい問題を抱えている人たちは、
何かをすべきだ、どうしたんだ、遅いんだよ、何で出来ないのだ等の話し方をします。

これらはとがめています。

これでは駄目だという否定的な言葉がでてきます。
感情的に何か良くないことがある時の話し方です。
又は恐れを感じる時、交渉事で不利な時、相手を好きでないときによく出てきます。

高度な対話をしていくためには、コーチ自身が上記の4つの悪習慣を相手に気づかせるようにすることです

  • 習慣の気づき
  • 自分の価値観と第三者の価値観の共通点の気づき
  • 習慣を直す気があるかないか
後はコーチの技量次第ですね。これからがコーチングです。
詳細は又の機会にお話しします。

コーチがコーチングをしていてミイラ取りがミイラになる事が往々にしてあります。
それは自分がその内容の主人公になってしまい、周囲からの観察視点が失われてしまった時です。

チークコーチングなどで質問が原因と結果を聞く質問になった時はコーチはすぐに介入し、正さなくてはなりません。自分がそのままその中に入ってしまうとコンサルタントになってしいます。

熟達したコーチには、コーチの未熟なところを見つけて直すスーパーバイザーとしての役目もある事を知っておいてください。一度コーチになったからと言ってそのままずっとコーチでいられるわけではありません。

杉井要一郎 / 2015年8月第1週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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