【特別寄稿】グローバル組織の夜明け・空洞化する日本のリーダー層

#89  10月第2週でお話をした「アメーバ・エネルギー組織・現代的グルーバル組織」第2弾

未来の為に何を考えるか


国境を越えた組織作りが本格的に始まり、日本の組織の空洞化が始まった。日本の重要Competency(技術、マネージメント力、IP)を持つ人財の備蓄がカラになる!?どこへ行く、日本の逸材?


思考するマネージメント力を世界ではどのように補てんしているのか、あるいはプロセス・構築化しているのか。


出て行くだけの日本のCompetency。どのように取り込み、吸収していくのか。


思考のためのコーチング


日本のリーダー、社長達は何を考えているのか。半世紀かけて育ててきた日本チームの大事なメンバーを平気で海外に放出し、人財の貯蔵庫と化している日本。このことを理解していますか。
逆に日本は世界中から必要な能力をどのように吸収しようとしていますか。これは真逆思考から出るグローバルの重要な質問です。





2005年ころから企業組織の高齢化、戦後の企業戦士の定年退職が始まりました。企業の大切な人財の多くがコンピテンシーを持って新興国に移って行くのを目の当たりにしたのを覚えていらっしゃいますか。そしてそれが引き続き今でも多くの人が流出し続けているのをご存知ですか。

これからの世界は、アジア一辺倒ではなくてアフリカの勢力がますます強くなるということを感じていますか。さらに中南米もアフリカと同様に成長していくと感じている方はどのくらいいらっしゃいますか。また、どうしてそうなるのかを考えていますか。

皆さんは今アフリカで多く起きている問題からエネルギーの爆発を感じませんか。
どうしてそう思われますか。またはどうしてそうでないと思われるのですか。

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ではあなた自身のことを考えてみましょう。

これは何度もお話ししていますので既にあなたの潜在意識の中にしっかりと根付いていることです。

もしあなたが60歳前後でもうすぐ定年、大手企業に勤務しているならば次の何年間は今までの半分以下の給料で嘱託として働かせてもらえ、その間安穏として次の人生を考えるでしょう。これからの人生、あと30年以上楽しく過ごすために今何をしていますか。
円の対ドルレートが昔より強くなったために起こった現象から日本は個人の貯蓄高が世界一です。それが幸せですか。

日本人シニアの方は物凄い貯蓄を持っていますが、それはあくまでも貯蓄であり、これからの運用、自分への投資資産ではない凍結した固定資産です。退職金、国からの厚生年金、又は過去に蓄積した企業年金です。

では個人のダイナミックな資産、将来の自分の人生の有意義な生活を営むための糧とは何でしょう。資産とはお金だけでなく毎日が充実するための自分の思考、マインドも含まれているのです。

あなたは一生を通して何が出来るのか、これもダイナミックな資産です。あなたは昨日まで仕事に対しての多くの目的とゴールを持って働いていたのです。しかも同じ会社、同じ業界、似通った仕事内容で40年以上です。 

世の中にはいろいろな人がいます。退職を期に田舎に戻って畑仕事をすることに生きがいを求める人もいますし、これからのんびりと旅をして、世界中を見て回ろうとする人もいます。また小さいながらも自分でビジネスや、店を開くことを夢見ている人もいます。皆さんは今までの緊張感とストレスから解放されて自由に余生を送ろうとしているのです。あなたが健康であるならばまだあと30年以上もある人生です。とても素晴らしい考えです。

今しかできない重要なこと、緊急なことは何ですか。これもダイナミックな思考資産です。今40歳だとしたら今がその準備期間であることをご存知ですか。一生に一度しかない人生の50歳より先のシナリオを作るのはあなた自身の責任なのです。

大切なのは自分に問いかける質問です。自分に問いかける強い意志と、チャレンジで自由なマインドが必要です。



質問一つとってもStatic静的な質問とダイナミックな質問があります。そのどちらでもいいので自分で選んで準備することが必要なのです。学校、又は会社の面接試験を受けるように自分に問いかける事が必要なのです。それほど大切な人生です。

単純で静的なStaticな質問では未来への跳躍を起こしません。
単純でも気づきを与えてくれるようなパワフルな質問は元気を与えてくれます。

ダイナミックな質問はパワーがありますので人の心を揺さぶり、思考が働き、同時にマインドを揺さぶるのです。

それはあなたのダイナミックな資産です。それは自分だけのものではなく、他の人に与えることができるとても重要な資産です。これは年をとっても衰えません。

もう一度おたずねします、他の人に出来ないあなたの魅力は何ですか。スキルの話ではありません、一生使えるものです。一つや二つではないはずです。貯蔵庫からの掘り出しです。とても重要なことです。

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現在働いている、あるいは働いていた会社では必要ないけれど、他社にとってはとてつもなく重要でのどから手が出るくらい欲しいスキルや今までの経験で培ってきたものは何ですか。

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あなたにしかできない思考法にはどんなものがありますか。
自分を取り巻く環境が過去とは全く違ってきていることは何ですか。

10年前まではあなたの抽象的で空想的な考えは誰からも受け入れられなかったが今ではとても必要になっていると思っているものは何ですか。

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これまで必要だったがもう必要でなくなっているものであなたが大切にとっておいているもの(残しているもの・考え方)は何ですか。これ等をすぐに考えられる方は素晴らしいです。
それらはもう陳腐化しているものですか、それとも現在形または未来型のものですか。

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コーチのスキルは他の人の脳の回転を速くするもので、これがマインドセットの中で働くと効率がとても良くなります。

そのためには単なる思考だけでは駄目かもしれません。 体技心をわきまえなければならないでしょう。
経験してみなければわからない事もあるかもしれません。

しかし企業や組織で働いている場合、同時に別の会社で働くことは禁止されているでしょうから、自分は何を要求されているかを試すことは出来ないでしょう。
これは当然のことで仕方ありません。ではどうしたら良いのでしょうか。

同じことが30代から、50代にも起こります。40代で真剣にこれらを考える人はまだ良いですが、今直ぐにでも会社を変りたいと思っている人にはどのようなことが考えられるでしょう。もちろん人材のエージェントに登録することもできます
しかし、今40代で働き盛りの人がすべきことは今以上に自分に自信と能力をつけることです。それも未来を見据えた思考力が必要です。

私達の業界の同世代の人の中には瞑想をやっている人がいます。
マインドフルネスを勉強しているのです。

これも本当に自分のモノにするには時間がかかります。これらは他人のためではなく自分のためです。

アメリカの著名なコーチは瞑想、禅を勉強しています。また最近ではソフト開発、ECの大手企業がマインドフルネスを勉強させるためにモンク(修道僧・禅僧)を招待して自分を見つめ、自由や本当の幸せ等の勉強をしています。会社の一般社員に対してです。

従来のKnowledge 知識の収集・向上とは別の、自己を見つめることによる自己育成法です。
瞑想することにより、自分を見つめ直すことも若いうちから出来れば素晴らしいですね。ヨガ、禅、その他の呼吸法による自分を見つめることです。

日本ではこれらのIndirect 間接的な倫理的な教育を昔は親、教師が当たり前にしていたのが、今では全くといって良いほどなくなってしまいました。宗教に関係があるのかもしれません。

このように先進国では人間としての倫理的、且つ哲学的な内容も教えているのです。かつて日本では親が子に当然のこととして教えて、そのモデルとなる人物の精神や振る舞いを見習うようにと言われたものです。今日廃れてしまった古い教えが今また求められている具体的な例です。

何故このような話をするかと言うと、この経済が激変する世の中で、国が何かを自分のためにしてくれるということはないと思った方が良いのです。
貴方の将来行く道はこちらですよと言う方向を国は示してくれません。発展途上国ならばまだしも日本は世界第3位のGDPを誇る先進国で他の国をLeadしなければならないのです。
企業の中にいて、今このときを生き延びさらに成長していかなければならないのです。未来の自分は、自ら今までの人生・ビジネスモデルから脱出し、新しい時代を築いていかなければならないのです。
これらは経営と全く同じです。
大手企業に勤めていても全く同じです。企業の地図は新しい産業に次々と塗り替えられていくのです。Google、Amazon、電気自動車、その他多くの企業がここ10年の間に勃興しているのです。

今や重工業の時代から新しいIoT(Internet of things)情報社会に変ろうとしているのです。
既にお話したディジタルワールドです。時代に学ぶということが未来の企業にとっては必要です。未来は過去の延長にはないからです。

このような精神的なこと、倫理的な事だけでなく似たようなことがたくさんあります。
チームマネージメント然りです。メンタリング然りです。
それらを考える時が40代からなのです。

今の世の中は大きな問題が起こった時に騒いでいます。それはハインリッヒの法則にあるように、小さなチャンス、課題、問題を見逃してしまっているからです。
これ等に気が付いた時にはもう別の問題が起きているのです。それが日本でも世界でも起きている会社のガバナンスの問題なのです。他人事とは思わないでください。
皆さんに火の粉が降りかかってきているのです、それらがステークホルダーに流れているのです。

個人の課題が小さいというのではなく、小さないろいろな課題を指しているのです
今のシニアの人は戦後の復興を実際に経験してきた人たちです。どうして日本は国連の常任理事国になれないのか、なりたいのか。なぜ自国の防衛を自分たちでやらないのかその経緯がよくわかっている人達です。それが今の60代以上の人達です。

いろいろな歴史を顧みながら未来を考えなければなりません。その転換期にいるのが今の40代、戦後のバブル期以降に成長した人達です。
歴史を伝承することさえもかつては出来なかったのですから、今の人達はプラスαの思考をしなければなりません。本当のオープンコミュニケーションになってきたのです。SNS然りです。しかしまだまだ自由に話せるグループは少ないです。個人をもっと豊かにするための建設的な話し合いをする場です。(オープンコミュニケーションとは、恐怖心を取り除き、お互いが壁を越えて自由にいろいろな事をディベート出来る、お互いが意識拡張のために意見交換ができることです。)
しかし、逆にIP(Intellectual Property)ノウハウ、諸々の特許の問題は全く無視されるようになってきました。余りにも内容が複雑になり複合化してしまい、基本的な内容が陳腐化してしまったか、わからなくなってしまっているからです。これらもきちんと解決しなければなりません。

同じことが経済、経営にも言えます。良く考えてください。自分たちが30年間経験してきたことが今、アフリカの経済発展の中で起きているとしたらどのようなことが起きているのでしょうか。物凄いエネルギーです。アフリカ民族の大結束が始まっているのです。その点ASEANは遅れています。自分らで独立して何でもできると思っているのですから。

これ等複雑な事柄を整理できるのは実際に経験をしてきたシニアの方々です。
もし思考をクリアーにしているなら、思考法も40代でしっかりとマスターしておかなければなりません。40代の人の思考は本当に柔軟性が大切です。

世界中がクラウド・ネットワークでつながっている時代です。
世界中がSNSでつながっている時代です。Linkされているのです。

それらを維持することも維持させることも大切です。
またどこかでそれらを分断しておくことも必要です。

ではあなたがもし50歳から60歳前後であったならば、何を今考えなければならないのか、又はそれらの人に何を思考させなければならないでしょうか。

自分たちが知らない未来のパラダイム、ディジタルワールドが押し寄せてきています。それらはもう止める事が出来ない大きなうねりとなっているのです。

思考のリフレッシュメントをどのように提供したら良いかもコーチの役目です。
これができるようになりましょう。

日本だけでなく世界各国で長寿記録が更新されています。人生は一度だけです。生きている人全員が自分の一生を大切にするためにどのようにしたら良いかの選択ができる社会にしましょう。それは利己的ではなく自分も含んだ自己実現、皆の為です。

文化、習慣、倫理は違うかもしれません。でも齢はみな同じようにとっていき、ある年齢になるとこの世から去っていくのです。その時にああ良い人生だった思いながら去っていきたいですね。
其の為の人生です。一緒にリフレッシュして、Stay youngしましょう。



【お知らせ】この寄稿の詳細版(続編)をご希望の方は、「11/8 特別寄稿詳細版希望」と書き、お問い合わせください。

詳細版(続編)のタイトルは以下となります。

  • そのIII 現在の自分 Present State、強み、弱みを探す旅
  • そのIV 未来の有り方を考える。 夢を語るEntrepreneur
  • そのV 後に残すもの 後輩へのお土産 人生はPassion


杉井要一郎 / 2015年11月第2週特別寄稿 © All rights Reserved by Gledis Inc.


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