1月第1週号 2016年:新しいTransformation年の始まりです。激変するグローバル市場での企業繁栄にあらたに挑戦する絶好のチャンスです。胸がわくわくしますし、Passionな気持ちになります。 企業の継続的繁栄のための人材への短期的投資と長期的投資を考えるときです。

#97 人材開発のためのコーチング

なぜ会社にとってリーダーになる人材が一番重要なのか、その投資が成功するための二つの見方を伝授します。

(Organization development coaching)人材開発のためのコーチング


短期的人材投資


企業繁栄のための短期的投資は戦術的に今ある知識・能力を十分に駆使して素早く勝ち取るものです。
株への投資、株主は見返りを早くするために機会があれば投資をして回収をするのです。それは頭の回転を非常に速くして全体の筋を見つけるのですが、これはギャンブルであって本当の投資とは言いません。マネーゲームをしているだけです。本当の投資はその会社を運営している役員たちの変化に対応するための育成投資です。

長期的人材投資


企業の長期繁栄のための人材への投資は短期的な勝ち負けではなく、常に勝ち続けるための強い意志を持った耐久的人材育成をすることにより、新しいドメインを勝ち取ることが出来るのです。それは今ある知識や能力ではとても太刀打ちできないくらいに脳の中で俊敏に変化しているのです。
戦略といっても誰のための戦略かによってその重要度が全く違うのです。この場合はトップエグゼクティブ・社長・CEOが考える戦略です。
課長が思考するマネージメント戦略、部長が思考する部門戦略、そしてトップが一番大切としている戦略、その頂点に立つ柔軟な思考力を持っている人を如何に自分の手中に収めるか、またはそのような人を育てるかです。

企業戦略は長期的な時間とそれを実行するためのリソースへの投資・ビジョンが必要ですから、それには時間と資金と情報と人という困難が伴うのです。また人の成長には発達段階的に熟成することがあり、成長のためのトップのPatienceが必要です。逆に情報は理屈なしにめまぐるしく変化するのです。従って人が育つのを待っていられないこともあるのです。その場合はどのようにしてリリーフを獲得したらよいでしょうか。

Time Power 時間軸


未来を想像し、戦略を考えられる人を育てるのには時間がかかります。また育てたからといってすぐに結果・成果が出るわけではありません。育った人材が未来の為にいろいろと思考をしてその長期的な戦略が結果を出すまでのひらめき、直観を蓄えるにはそれなりの時間がかかります。流行の波が来てそれが最終クライアントに到達するまでには時間がかかるのと同じでそのあとの津波のようにです。

今いる優秀な社員は過去に時間をかけて育成・熟成させたのです。そしてさらにその上に教育を新しくして成長させたのです。覚えていますか、時間がかかったことを。
一度成長するとそこで新しいことを学べるチャンスが少なくなります。管理職は自分はまだ良いのですが、On-Lineで忙しくなり、部下を育てる時間が無くなるのです。
その成長した社員がいろいろとさらに現実に合わせて追加して勉強しその知識と能力を資質化して、会社のためのPriorityを考えゴールにFocusさせ、その後実行力をつけて行動するのです。

今の会社が持っているものすごい力となっているCore Competence とは長い時間をかけて人の育成をして作り上げたものです。同じことが短期間でできるはずありません。

そこで今成長している会社がこの先同じ方法で成長しようとしても、今までの知識ではグローバル変化への対応ができなくなっているのです。これがネット社会によるグローバリゼーションの怖いところです。特に日本人は古くからの教えを大切に温め、学問が好きな人間ですから、なおさらに昔の風習を重んじているのです。セメントのように凝り固まった意識の考えから抜け出すことができないのです。Out of the box 思考です。

その理由は大きく分けて二つあります。


今までの知識・能力は発達段階的に覚えてきたものです。それは徒弟制度に基づく親方、上司、先生を敬う教育から始まっていました。
そして、極端な話、新しい思考とは結果からくる知識でビッグデータです、このビッグデータのおかげで今ではあらゆることを簡単に調べられるようになり、自分の知識として覚えていることが無意味になったのです。もちろんすべてが無意味になったのではありません。今までの知識は必要ですが、その知識はあるものはどんどんと陳腐化していき、あるものは急激に変化しています。従って今までの勉強の仕方ではこの新しいパラダイムの中ではグローバルリーダーにはなれないのです。

今までのように知識を覚えるのではなくアルゴリズム、または全く新しい勉強法を取り入れなければなりません。それも今すぐに。


それだけでなく、新しい知識も習得しなければなりません。その知識やデータの利用法を覚えるのです。必要な知識をとりだして、それを混合Hybrid化する能力を身につけることが大切になるのです。

これからの勉強法は単に知識を身につけるのではなく、課題をもっと大きく膨らませる能力を使うのです。そしてその夢を実行するための情報を収集し、新しいレシピーを作る能力を身につけるようにすることです。このレシピートはHibridだけでナック包含して新しいDifinition定義を作るくらいの大きな変化の内容です。

短期的にできるもの、短期的に結果が出せるものは戦略的ではなく、目的に対して作ったゴールへの戦術的な実行ができていることだということを理解できたと思います。

Executiveに必要な能力は良い人材をさらに良く育てる能力です。

可能性への挑戦です。

後継者育成等もこれと同じです。


人材育成も全く同じです。重要なリーダーの育成は長期にわたってその能力・資質を高めることです。その間にも世の中は変化していきますのでダイナミックに変化していくことです。
この集団は当然必要な知識を共通に持っており、それを上手く使える能力思考を鍛えるのです。その次が戦術編の能力を上げる勉強です。
しかし自分一人だけの目的の勉強とは違い皆と同じに画一的な勉強ですから内容が一般的になります。

これに対してコーチングは知識を取得するためのものではありません。コーチは1対1で相手が本当に困っていることを掘り起こすサポートをしたり教えたりします。本当の学習(learning)です。その人が求めているものを提供するのですから直ぐにモチベーションが高くなります。費用もかかかるのです。しかし将来のROIから見ると1000分の一の費用です。

コーチングには経営者に特化したビジネス経営的なものと人生のように一般の人にも必要で例えば倫理、マナー、エチケット等からリスク課題、行動様式/習慣、(behavior)そして一生のあり方、仕事のキャリアパスのように誰にでも必要な部分があります。両方が重なるところもあります。しかしエグゼクティブのためのコーチングはその上を行くのです。例えばガバナンスやリスクマネージメントの拡大解釈へ、そして倫理は企業倫理、産業ドメイン倫理にまで入ります。

このように大きく拡大思考ができるようになる、またはマクロからミクロへ逆思考をしたり、FB (Feedback からFF/Feed forward)、あるいはその逆を柔軟にバランスをとったり、アナロジーを思考するようになることです。

この思考法を完全にマスターできる環境をリーダーたちに与えていることが本当の長期的な投資をしているといえるでしょう。
もちろん短期的な投資も必要です。これらはある程度の能力を持っている人の知恵を回すこと、Intuition 直観が出るようなオープン感覚の文化をトップリーダーが構築することが短期的には必要です。

そのための危機感を持たせて、恐怖感を味わせたり、適度なストレスを感じさせ、課題に集中させるのです。これらが自然とわかるようになり、企業は挑戦をしながら発展していくのです。ここにはタイムスリップが必要なのです。

新しい年が始まっています。この大きな変化についていくことができない会社はどんどんと消えていきます。
さらに大きく劇的に成長していく新しい会社もあります。これらの会社は目に見えないIntangible な思考を持って差別化を図っているのです。

もう一度おさらいです。今必要なのは人材です。それも今までの知識・能力型ではく、未来志向に立ったデータの収集能力と分析、その結果を応用した新しい行動思考法を理解できる人材の育成です。
もしこれらの人材がいない場合はどうしたら良いでしょうか。
それは昨年11月にお話ししているInboundのsearch method です。
そしてIntangibleな価値観を求める思考法をマスターしましょう。

この新しい年に日本から偉大なグローバルリーダーを世界に送り出しましょう。
世界に名を馳せるリーダーを育てましょう。
そのための投資をあなたはどのようにかが得ますか。

長期投資です。

その候補はあなたかもしれません。

自分ができなくて誰がやるのでしょうか。

杉井要一郎 / 2016年1月第1週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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