スポーツでも経営でも同じです。自分の前にはいつも大きな壁があることを知ってください。
その壁とは、経営とは何か。
継続して打ち破るエネルギーです。
経営コーチング
一回のビジネスチャンスで大きな利益を上げることが出来てもそれは経営ではありません。それは単なるビジネスモデルでのチャンスでしかありません。
経営は継続して利益を出しつつ自分たちのビジョンを追及していくことです。
そしてその経営のために、あなたは自分や従業員の体力と能力を未来に向けて発揮し、成長できる環境を提供しているのです。これはチームでも同じです。
一つの目的に集中(Focus)して、可能性の追求をしているのです。
それは自分の価値観の追求かもしれません。あなたは今までスポット的に周囲の人よりも能力(Ability)を発揮することがありました。それが未来のさらに上を行く能力の可能性(Potential)とみなされてそれまでよりも難しい仕事を任されるようになったのです。それらはあなたに合った未来への価値観の拡大です。その価値観と可能性 (Value & Potential)を如何に創造的に未来に拡大していくかがこれからの課題です。
経営はマラソンと同じだといわれます。もちろんマラソンは勝つために苦しいトレーニングを積んでおり、それは長距離走でも同じです。途中で棄権する人はその時点で失格です。
経営はマラソン以外にも様々なスポーツに例えられます。
短距離走は瞬発力、マラソンは持久力です。
皆さんスポーツのトレーニングがどんなにハードかお分かりだと思います。心技体、技や身体だけでなく、メンタルのトレーニングも必要です。そのために様々なコーチがついているのです。一人のコーチですべてをコーチできるようなコーチはいません。
それぞれのスポーツによって様々なトレーニングメニューがあるからです。
お相撲さんになりたければ身体を大きくして筋肉を柔らかくしなければなりません。
ラグビー選手になりたければ、さらに体幹を鍛え、瞬発力、キレのある動きをするために筋肉を鍛えなければなりません。
サッカー選手になりたければ、全身をバランスよく鍛え、キック力も強くなければなりません。
ゴルフの選手になりたければ、4日間の試合に耐えられる十分な体力を作ることも必要です。
アマチュア選手でもそれぞれのトレーニングメニューをこなし、プロになってもライバル達よりも抜きんでていなければならないのです。
特に食事は多種多様なメニューを用意して自分が向かうフローに対応できるような体力つくりをしているのです。
プロでなくても一般の人でも一番気になるのは、体力・気力・能力です。見た目だけでなく自分ではわかっているからです。走ったり、歩いたり、健康的な食事を考えているのです。
それは自分が健康であるためばかりではなく、社会で生活していくための一番大切なものは何かを自然と知っているからです。
体が要求しているのと同時に自分でもそうなりたいと思う目的と強い願望を作っているのです。
マラソンに戻ります。マラソンはまず短距離が走れないと、絶対に中距離、長距離は走れません。駅伝でも同じです。自分の与えられた距離を走りきらないと次のランナーにタスキをつなぐことが出来ないのです。
足がつろうが、途中で腹痛になろうが、息が持たなくなろうが競争相手に負けないように、次の地点まで他のランナーを抜きながらタスキをつなげなければならないのです。
次へのランナーへのタスキをつなぐ中継地点手前になると今まで倒れそうなランナーがまるで短距離の選手になったかのように猛ダッシュ、追い込みをします。誰もが自分だけでなく次のランナーに未来の勝利を託して中継地点へ走りこむのです。
いつもだらだらと走っているのではこれまた目的が違います。
ある時は持久力をつけるために走り、ぜい肉を落として筋肉をつけ、あるときには競争相手を追い抜き、競争をするためのダッシュをして瞬発力をつけたりするのです。
何のためにそのような練習をするのでしょう。
だらだらとやっていてはいけない理由を次のように簡潔に書いてある記事がありました。
(日本経済新聞1月28日ランニング特集より):
いずれも自分の為に強く、そして早くするのは新肺機能をアップするためです。(散歩にならないように、己に喝「ゆるゆる走るな」)
今日はつらい、足の疲労が抜けてないと言い訳を述べて自分に許しを請う。
そんな中、半田コーチの「ゆっくりジョッギングばかりしていても早くはなりません。楽しく走っていたいのならば別ですが。記録を伸ばしたいのならばきついことをしなくちゃいけません」という言葉がガツンと来てそれから脳内で竹刀を握った鬼監督が仁王立ちしていた。
これは経営にも100%当てはまります。
経営力の心肺機能・思考・決断・持続力・実行力を上げたいならばそれなりの育成をしなければなりません。皆と同じ勉強をいくらやっても駄目なのです。その人に合った厳しいレーニングをインターバルを持って行って強くなるようにするのです。
そのための経営力を上げるトレーニングをベスト7つここにあげます。
1. 思考力を上げるための勉強を毎月行う
真逆思考・拡大志向
2. 肯定的なマインドを持つトレーニングをする
否定的なことを肯定的にいえること
3. 自分より想像力、アイデアのある人と会話をする
戦略的な基本思考を持っている人
4. 毎日読書をする
全体把握・周辺を知る・他の業界を知る
5. 忍耐力を身につける
リーダーは忍耐のたまものです。どんなつらい境遇になってもすぐに回復できる回復力も必要です
6. 決断力
困難に立ち向かい挑戦するための決断力も大事です
7. 実行力
今日からすぐ何をやるかを決め、実行できること
これらを一緒に考え、実行をサポートするのがエグゼクティブコーチです。近頃は多くのエグゼクティブコーチが出てきています。皆さん立派な方ばかりです。
もしあなたがスポーツのコーチを雇うとしたらどんな人を雇いますか。
そのコーチのおかげでどんどん上達しなくてはなりません。でなければ雇った意味がないですから。ですからコーチという名前がついているからというだけで雇うことは絶対にしないと思います。
日本のエグゼクティブコーチングはまだ日が浅いので、肩書や会社のブランドだけでコーチを雇うことをしないようにして気をつけてください。さもないと溝にお金を捨てるだけでなく、会社もだめにすることがあるからです。
エグゼクティブといえば会社の幹部社員(取締役、執行役員、本部長、部長)です。CXO (Chief XXX Officer)と実行するexecute人たちです。その方たちに経営、ビジネスをコーチするということはコーチにとってもものすごいプレッシャーですが、同時に名誉ある仕事です。
コーチはその道のベテランであることはもちろんのことコーチとして経験と実績がなければなりません。それだけに一人のコーチが一度に多くの会社をコーチすることはできません。時にはコーチ会社のConference Board での検討事項も含まれます。
Passion情熱を持って、死に物狂いで勉強しても全体の構造StructureとProject ごとのプロセスを全て知っているコーチにならなくては単なるビジネスコーチングになってしまいます。
それほどにコーチも心肺機能を強固にして勉強しなくてはならないのです。
ラグビーのワールドカップ日本チームのEddy Johnsヘッドコーチは南アのチームを常勝チームに育てつつ、自分自身も不断のトレーニングを続けていたのです。
日本のヘッドコーチになるということ自体でも本当に大変なことで、にわかコーチでは務まりません。
まだ日本はエグゼクティブコーチングの日が浅く、皆同様にみられていますが、コーチの方は大変です。死に物狂いで勉強しているのです。
MBAみたいに勉強して卒業すればそれでタイトルを持っているのと全く違うのです。Post Coaching が必要なのです。
経営のためのコーチングをするということは、コーチがクライアントの為に必死になることが求められるのです。
おたがいがPassion とEnthusiasticな関係になってこそ、初めてコーチングのチームとコーチが組み合わさるのです。
勝ち続けるためのコーチと経営をやりぬくためのコーチ、そこには何ら違いはありません。お互いが信頼しあうためのメンタル・タフネスに気付くことが先ず大切です。そのためには常に良いコーチ、経験をあるコーチを選択してください。
杉井要一郎 / 2016年1月第5週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.
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