4月第2週号 自分の中心・核・芯(CORE Competence)を探す。

#112 CORE Competence

リンゴの芯の部分(種Seeds)や原子炉(Nuclear reactor)の炉心、地球の中心もコア(Core)です。そこから派生して、人の本質や思考の根幹・基盤なども指します。

TPOにより重要な部分も異なります。 


芯のニュアンスはたくさんあります。よく考えてみましょう。
自分の芯の在り処がわかれば未来に向けての発展がどのようになるかわかるのです。
自分で芯だと思っていたものが、外部にあったり、芯だから中心にあると思ったらもう少し表面に近いマントルの辺りにあったりすることもあります。
例えば20世紀初頭まで重要な化石燃料であった石炭は地球の表面近くにあります。同じ化石燃料の石油はもう少し奥の方にありますが、まだまだ表面に近いところにあるのです。

これは思考のトレーニングではありません。実際の自分探しです。企業にとってはそのCore Competence がまだまだ本当の芯、真の芯ではないことがわかるともっといろいろな関係性のAnalogyからいろいろな発想が出てくるからです。

今日の芯の課題はビジネスに関したものです。ビジネスに関係していない人は自分の趣味でも結構です。

仕事ではStrength Finder 強み探しもその一つです。
そして弱みの追求も芯かも知れません。
Obstruction Finder 邪魔もの探しもそうかもしれません。
マインドもその一つでしょう。ではその詳細も考えてみましょう。
Core/芯は強いところだけとは限らないのです。

その芯を中心にいろいろと広がることを言うのです。

その芯が腐っていたら大変だからです。芯がすでに陳腐化しているかもしれません。
その陳腐化がものすごい速さで周囲を侵食しているかもしれません。あるいは新しいもの/ことに置き換えられている場合もあります。

今日芯の話をするのは、自分の芯はどこに位置づけられるのかをここで一度きちんと理解していただくと、そこから派生するいろいろなことがわかってくるからです。 

コーチングで必要なことの中に、“闇夜のなかで目的を探す”ということがあります。コーチとクライアントが一緒になって未来のゴールを探すことを言うのです。
これは皆さんよくやっていますね。
これも芯かも知れません。

今では学生でも、30代の人でも自分探しの旅をしています。インドに行ったり、アメリカでヒッピーになったりとはっきりとした目的を持たずに世界中を見て回る人も多くいます。彼ら/彼女らは自分の芯を探しに出ているのでしょう。

一方で若い時にしかできないこと、いろいろな冒険・探検に出ること、仕事に就くことを最初から目的にしている人も多くいます。20年前までは考えられなかったDiversity的な考え方です。昔は大きな会社に入って一生その会社で安全に過ごすことが夢だったのです。

大手と言われている会社がいろいろな問題で衰退し、従来とは異なった全く新しいパラダイムができつつあります。若者はそれらの状況を目の当たりにしているので世の中の人生パラダイムが変わったことに対する自分の価値観が昔とは違う事に気がついているのです。しかし60歳以上の人にはまだまだ離れがたいものが自分のCore Competenceに潜在的にあるのです。 そのためには年代、世代の違う人たちに考えてもらうしかならないのですが、若い人たちの中にもクラッシックな考えをする人もいるので、ワークショップ、またはコーチによるサポートが必要なのです。内容によってはそれらのメタファーも考えなければならないからです。もちろん年齢の問題ではないことを示すために、高年齢の人たちも考え直さなければなりません。

今週一番大切な目標セットのお話しをします。

未来を想像するにはあまりにも変化が激しく、どこに幸せの種/芯があるのか容易にはわかりません。誰がその鐘(Bell)を鳴らすのか、本当にその鐘で良いのか。エグゼクティブ・リーダーは常にゴールを見つめるのも大切ですが、この混沌としているパラダイムの中にあって一番重要で大切なことは私たちが求めていることを邪魔(Obstruction )するものを取り除いておくことなのです。

本当の真の芯、それは邪魔者を除いた後の芯・Coreです。

SWOTは本当に大きな意味を持っています。
上記に述べたStrength Finder, Obstruction Finderも含んでいるのです。

Obstruction (邪魔)の中には取り去らなければならないものEliminateや最初から避けなければならないものAvoidが含まれているのです。
そしてこれらがOpportunity、Threat脅威、機会に変容していくのです。

物質的なもの
メンタルなもの、気持ち
目にみえるもの、目に見えないもの

成功の邪魔をするもの、行く手をはばむもの

多くの場合は自分が知らない自分の癖、習慣であったりします。
取り除くのが難しいのが文化です。
癖もその一つです。言動Behavior、立ち居振る舞い、仕草なども同じです。

文化とは環境の文化です。
DNAも芯の一つとです。この場合のDNAとは集団の中で、または同じ環境Environmentの中で育つと、食べ物、空気、病気、抵抗力、話し方、総てが同じようになってきます。

家族のようなチームも、会社もDNAという芯を持っています。それは後から形成されたものかもしれません。あとからできた、自分らで作っているものが免疫です。免疫Immunityとはその種族Tribe が持つ集団的な習慣で他の種族は入り込めないような文化、習慣、風習、ルールのことです。

同じ環境でいると、例えば食事の場合、その食事は皆で同じものを食べるので、肉食か草食か、温食か冷食かで体温の持ち方も違います。病気に対する免疫も同じです。さらに考え方、風習も同じです。
農耕と狩猟、これは西洋人と日本人の違いを表しているコア(Core)の一例です。
潜在意識も個人のコアです。この場合は後天的なDNAを言います。それがその人のすべての行動、思考を掌っているからです。

自分の場合そのほとんどは潜在意識から来るものです。
潜在意識は限られた信念が多く入っているので自分では見つけるのが大変です。

さてやってみましょう、本当にそれが自分の芯でしたか。

杉井要一郎 / 2016年4月第2週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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