自分で育くんできたもの、教育されてきたもの、他者から取り入れたもの、自分で順応してきたもの、良いもの悪いもの、感情として入ってきたもの、周囲からうつされたもの。
そのような環境にいるあなた、そこから抜け出せないあなた。
それともあなた自身がInfluencer?
あなたが起源?
性格、癖、習慣、身振り・スタイル等プレゼンスを直す方法がありますか?
これらを自由に操ることができればよいですね。
いろいろな人がこれらを直す方法を考案していますが、本当に直るのでしょうか。
あなたの周囲にはいろいろな性格、話し方、目に見えない心の葛藤を持っている人、言うことや表情と行動が違う人がたくさんいます。他人の癖を直すことはそんなに簡単ではありません。
何でもすぐできるということは何にもできないのと同じです。
その人の癖を本当に直すには何が一番良いのでしょう。
もちろん本人が気付くことがまずは最初ですがそんなことは稀です。
そしてそれが良い癖か、人に嫌がられる癖かを認識しなければ絶対に直りません。その癖の良し悪しはそのときの状況によって異なるし、文化によっても異なるからです。
気づかせるにしても本人がその癖をどう扱いたいかによっても判断が違います。
「あなたの癖はこうです」と言われ、「はいそうですか、では直しましょう」と思っても、それが本当に結果としてよいのか。他人から見たIdentityとしての癖もあるのです。
その癖を直して素晴らしくなっても、一年も経つと元の木阿弥でまたその癖が出てくることが往々にしてあります。
- 上から目線で威張る
- いつも自分だけが話す
- 同じことを何回も話す
- 自慢話を延々と話す
- 人にものを教えたがる(物知り博士)
- 重箱の隅をつつく
- 非難する
- 自分のことばかりを話す
- 謙虚に話せない
- 人の話をとる
このような癖は日常的によく見られることです。これらを直せと言うよりも、もっと大きなことに時間を使ったほうが良いと思いませんか?
でも一般的に忍耐、レジリエンスがないとこれらの些細なことに対して、とても我慢が出来なくてストレスを感じてしまうのです。
ご自分はどうですか?
私の場合は、他人に迷惑をかけたときになかなか元に戻れません。
例えば自動車のホーンを鳴らしてしまって相手がびっくりしたときなどです。
これ等の癖を直すためによく言われていることは;
- ショック療法 痛い目に合わせる
- 催眠療法 余りよくないが方法としてはある
- NLP アンカリング、ミラリング、アファーメーション
- 直接指導 あなたはここが悪いのでこうしなさい
- 間接指導 メタファー 人の振り見て我が振り直せ
- コーチング 潜在意識に落とし込む
本当に潜在意識に入って新しい習慣・癖が自分のものになったときに、癖が直ったと言えるのです。それには時間がかかります。
では何が一番良い方法なのでしょうか。
本人が知らないうちに直るのが一番良いのです。
その方法を知っているのがコーチです。
特にエグゼクティブともなると直面している課題が一般の人のそれとは違うので、ピリピリしています。
そのようなときには時間をとって謙虚に物事を考えてから話す時間もないし、思考も5重にも6重にも交差しているのでPriorityが違います。
そのような立場にいる人にはどのようにしたらよいかがわかるのです。
また癖を直すために本格的な矯正が必要な時には専門家の診断を受けることが大切です。それらをわかっているエグゼクティブコーチにサポートしてもらうのが一番ですが、それらをわかるのは会社では器の大きな全体を見ることができる人のみでしょう。
人事、教育等に携わっている人は戦術的に対応し、結果が出ることを求めるので本当の意味での病的ではない癖の矯正には逆効果になります。
発達段階的に癖を直していけるのはコーチ、クライアントの経験則とそれだけの忍耐力も必要です。会社でわかってもらうのは大変ですね。その人の癖のどこを直すのか、矯正するのか、それが正しいのか、誰のためなのか、本人のためなのかなどの見極めができなければなりません。
癖のほとんどが自己の信念から来ているのでJudgementすることが本人にとって逆効果になることもあるからです。
担当者のLimited Beliefによる判断ですと、本人にとってそれが本当に良いことかどうかはわかりません。それがわかる器の大きな上司、またはメンターが会社の中にいればよいのですが、エグゼクティブの場合にはそのような人はすでにRetirementしているでしょう。
というのはすべての注意、矯正、変容等は10年以上先を見てやらなければならないからです。
それらはその人の価値観によってもまた大きく変わります。大きな価値観の持ち主からのInfluenceかどうかは個人の資質によるのであって、それらすべてがLimited beliefになるのです。
価値観の大小をどのようにして測るかも判断が難しいところです。
文化、環境等の潜在意識の問題が入るからです。
何が幸せか、本当の自由とは何か、常識とは何をもって常識というのか、と同じくらい難しい検討事項です。
ではそのままでよいのかということではありません。そのためには自分の軸というものをしっかりと持たなければならないのです。
軸とはその人のコンピテンスです。
自分自身を知る、自己認知です。これ自体自分で分かっている人は本当に稀です。なぜかというと言葉の定義が人によって異なり、曖昧だからです。言葉の定義がきちんとしている人と話すと内容は簡潔になり、意味が通るのでスマートに話せるのです。
自己認知,他者認知が最初にあるのですがそれも千人千様です。
ですから絶対値を求めるのでない限りバランス感覚を磨くほうが先決です。
バランス感覚というのは全体を見る目と、もろもろの状況を判断する能力です。
スポーツでも同じです。あることが得意で優れていても、その他で劣っているものがあるのです。同様に特に経営になると、あるいは一段下がってビジネスになると、それこそ複雑極まりない内容で、ものすごいスピードで変化しますからその対応力はMooreの法則を飛び出すほどの能力が必要になるのです。
何から何まですべてを完全にできる人はいません。ましてや自分の得意分野でさえも明確でない人がいるのが現在の状況です。
その人たちのために自分ではできないけれども気づきを与えることができるのがスーパーヴァイザーであり、マスターコーチです。
この人たちの資質は自分がコーチやメンターになるよりもコーチ、メンターを育成訓練することにたけているのです。気づきの視点が違うのです。ですから皆さんの周りにいる注意や批判等をしてくれる人たちは本人たちではできないけれど、他人のことは気がつく仕事をしているのだと思ってください。それが仕事だと思って話を聞いてください。
それでも得意分野がありますので、あなたが本当に求めているコーチ・スーパーバイザーを選ぶときにはよほどのケミストリーが合わないと不具合が起こります。
さあ、やってみましょう。自分の癖探しです。
自分の癖がわかるだけでなく未来への思考が見えるようになった時にあなたは本当の自分、Presenceが見えてきます。
そして皆と話してみましょう。
それが本当の未来への自分の潜在意識から出てきた習慣、Behaviorなのかどうかを。
杉井要一郎 / 2016年11月第2週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.
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