古きを捨て、新しきを取ることの難しさ。あなたの古い思考を取り去ることが新しいことを取り入れる一番の方法です(吐故納新:儒教の教えの一部)。
- あなたの限られた古き良き時代の資質は通用しなくなってきているのです。いつ会社からもう結構ですと言われてもおかしくありません。
- あなたのやっていることを部下は既に全部でき、さらにもっと進んだ思考法さえ身につけているのです。部下に教えるなんておこがましいと思ってください。
- あなたは部下がいなければ何もできないのです。
「故きを吐て新しきを納る」 ためには、本格的な最新の思考力を持ったGenuine指導者から大きな気づきを与えてもらうことが必要です。
あなたは部下を持っていますか。あるいはクライアントを持っているコーチが何名いますか。今までのコーチング手法は当たり前の知識となり、これまでとはまったく別の新しい未来型思考法を学ばなければ時代についていけません。
あなたはスーパーヴァイザーからの定期的な指導を受けていますか。
これからはスーパーヴァイザーになる素質を持たなければなりません。スーパービジョンとは部下を持つ人、クライアントを持つ人たちを支援することですが、それをどのようにするかというセミナーではなく、リーダーや、コーチに対してどのようにすればよいコーチになり、またリーダーになることができるかを客観的な視点から手助けをすることです。
その大切な素質とは何でしょう。
それなくして未来は語れないのです。でもほとんどの人は定期的な自己検診・検証が必要なのに忙しさにかまけて忘れていたのです。今こそ実践的なスーパービジョンが必要です。特に日本の経営者、ビジネスリーダーにとってはこのスーパービジョンを受ける最も大切な変革の時期です。すでに時代遅れになっている自分に気づきを与えてくれるのです。 今どのようなことが世間で起こっており、それらを理解するためのどのような思考が必要かをエグゼクティブコーチ、トレーナーは毎日勉強をしているのです。
これらを踏まえたフィードバック、フィードフォワードが必要で、スーパーヴァイザー自身にとってもこれらの十分な理解するための勉強、そして実行力が必須です。
70歳まで当たり前に働く時代において、その中間層である50歳~60歳の人たちは若者の思考をよく理解しても、実際に若者たちの思考法に影響を与えるだけの時間もないし、まだ専門的な考えの途上にいるのです。
ではミドルマネージメントの人たちはずっと両者の間にいればよいのでしょうか。
トンデモないのです。
今こそ新しい未来に向けての新しい感覚をもって玉ねぎの皮をむかなければいけないのです。玉ねぎの芽が出てからでは遅いのです。ちょうどその間の大きなエネルギーを持っているのです。
未来は変えられないと思っている人の潜在意識を変えるためには、未来を見据えて、ポジティブな思考力を養成し、過去の延長ではなく新しいライフスタイル、経営スタイルにすることが大切であるという想像力を作り上げることです。
それを自分が変えるのだといえるような直観力と自信、想像力を持つことです。それを教えるのです。その理由は言うまでもありません。あなたをどちらの方向に持って行くべきかを知っているからです。人間のマネージメントはまた別の課題です。
激変するパラダイムのなかで今一番必要なのが、この変化する世の中にいかに対応するかを気づかせ、教え、それらを実践的な現実に応用させるような気づきを与えてくれる人、すなわちスーパーヴァイザーなのです。今回はスーパーヴァイザーのあり方ではなく、皆さんがこのようなスーパーヴァイザーについて自分自身のコーチに対する影響力、リーダー、コーチとしての影響力、存在感について、なぜかを良く理解しておかなければならないことをお話ししているのです。
これらは人生、社会、経営において多くのシステム・サイクルが変化しているということをあなた自身が理解するとともに、あなたが与える影響力をきちんと理解したうえで未来への直観力を養成していかなければならないのです。
医者は毎日学び続けます。学者も新しい知識のために勉強します。我々もまた必要なことは毎日進んで学習し実践していかなければなりません。学問と実際の経営の進歩は一対ではありませんが、学問の中から現実に照らし合わせてひらめくものを探さなければならないのです。そのためのいろいろな気づきを与えてくれるのがスーパーヴァイザーです。
経営者、リーダーに必要なことは単に知識だけではありません。
全体のシステムとしては知識、能力、才能、資質が必要です。これらを常に念頭に置いてリーダー、コーチをサポートし、与えてくれるのがスーパーヴァイザーです。
古きを捨て新しきを得る、これがフィードバックであり、フィードフォワードになるのです
そのための自己検証を始めましょう。何に気づくことができるか、何を勉強すればよいのか、何から始めるか、これから起こることにはどんなことがあるのかなどを考えるのです。
そして早いうちにあなたが最も信頼できるスーパーヴァイザーを探すのです。定期的にコーチもしてもらうのです。その用意は今からでも遅くないのです。
さもないとあなたは竜宮城にいる浦島太郎です。故郷に戻ったらもっと進歩した世界を築き上げるのです。
杉井要一郎 / 2017年1月第1週号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.
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