1月第4週号 いかに潜在意識を突き破るか。

#154 ブレークスルー・コーチング

現在の我々がいる環境からOut of the boxをしなくてはならないのです。自分の殻を突き破ることが今必要なのです。


このような話をする場合は話し方の論理構成が大切です。

論理性がないと大局がわかりません。 
論理性だけでもつまらないし、話に温かみがなく、時には角が立つ。(「智に働けば角が立つ」夏目漱石・草枕)

環境の大局思考はマクロでよいですが、小さな課題発見の場合はミクロの思考が必要です。そして自分のことだけでなく未来のことを成し遂げるようにするためにはミクロとマクロのHybrid(合成)の思考が必要です。

論理構成で物事をすすめると一つの言葉のミスが全ての環境を変えてしまうのでコミュニケーションは上に行けば行くほど抽象的になり、答えが一つでなく難しくなります。現実には答えはいくつもあるというのが思考の中では正解かもしれません(クイズなどの思考とは違います)。

絶対という答えは課題設定という未来を構築する場合はありません、それはいろいろな構築法があるからです。

ラグビー、サッカーその他のスポーツの試合中のプレイヤーの戦略の言葉一つで勝ち負けを含むすべてがあっという間に変わるのです。一人の言葉がそこにいる全員の戦術・行動をあっという間に変更させるからで、それはどんなチームプレーにおいても全く同じです。それくらいに最初の言葉が持っている意味合いというのは他の全てを引き付けるものすごい力を持っているのです。環境と最初の人の発言がものすごい力を持ってしまっているからです。

High Contextの場合は論理性よりも全体把握が大切で、そこにはデジタルの世界を超えた思考力が必要です。

さようなら、今までのProcess,  Structure,  System 思考。

これらは人間が考えていたよりもものすごいスピードでITが本質的な構築を成し遂げるようになりました。スポーツではないビジネスにおいてはこれらアルゴリズムの変更を余儀なくされています。

ビジネスの攻略法もその構築方法が全く変わってきたのです。
それはスポーツをしているときのようにその場その場で変わってきているのです。ビジネスの形態、法則が全く予測できなくなったのです。ですからその場のとっさの変更をするスポーツマンの思考力と論理性を追求する現場の経営者の思考力とをハイブリッドしなければこれからはITにやられてしまうのです。

中途半端が最低の思考法でかつ重要な時代になりました、それは良いのか、悪いのかがわからない2分法の中にいるようなものです。決断思考をしている際に未来に何が起こるかを考えたときに“The State of the desired future” 未来は全て未知で奇跡です(Miracle 思考を求められている)。

どのようにしたらこれからの未来経営・新規ビジネスの立ち上げで成功することができるか。現在良いと思っていることが未来には真逆になるからです。

ミラクルを起こす、他人にない自分思考を形成するのが一番早いのです。

経営をする、事業を成功させるというのは、これから長い間の自分とその周りのステークホルダーの人生を左右する一大決心をするということです。そのためにはきちんとした決断をしなければなりません、決断をするにはそれなりの選択をしなくてはなりません。

選択をするためにはきちんとした調査分析をして、未来への決断、アファーメーション、市場性・財務諸表上の条件、資金繰り、競合で90%以上現実的可能性があるものとまったく可能性のないものとを除いて10%でも可能性があればそれこそ未来へのトンネルができたということでやる価値が生まれるのです(お金の価値ではなくやる意義の価値です)。

新しくやらなければならないことと、今までのことで捨てるものの決断ができることがこれからの時代を乗り越える一番必要なことです。

夢=ビジョン=変容=今までの型を捨てる=癖・習慣=自分の殻を破り新しい奇跡を起こすことへの挑戦をするということです。

それには自分が考えられるようなもので、デジタル演算すなわちITで処理できるようなこととアナログ的な思考をどのようにミックスすることが大切になってきます。Gordon Moore博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」、自分の知っている習慣、他人も知っている自分ではなく自分の知らない自分領域、他人も知らない自分の領域、思考の範囲を飛び越えた自分というもの(ジョハリの窓の真逆を行くY’s理論)を現在の顕在的な範囲から飛び出して探さない限りは戦略ではなく顕在意識上の戦術思考になってしまいます(‘Y’s思考)。この直感的な思考力の領域を広げることをさせるのが一番必要なのです。

個人のこの範囲を拡張すると即反応するチームにも当てはまるのです。自分が知っている自分、他人が知っている自分を捨てるということが大切なのは当たり前ですが、自分が知らない領域かつ他人も知らない領域を新しく探すというのは潜在意識を変容をさせることしかないでしょう。

閃(ひらめき)きから直感へ、直観と単なるひらめきとのHybrid化
直観のチーム化=思考クラスターのハイブリッド化がとても重要になり、他人の言葉の正反対を志向するようになるのです。これができるようにトレーニングをするのです。

今までのペースではもう変化についていけません
自分が変わらなければ人は変わらないのです

全てはPassion・情熱・大きな挑戦意欲が無ければいくら頑張っても力(Energy)が出ない。

未来はどこに向かって分裂、統合していくのだろう。パラダイムまたは、現在はどこにいるのだろう。認知機能を明確にすることが現在の自分を見つめるカギになるのです。
これこそがBreak through, Out of the boxなのです。

過去の傾向から何が本命になって世の中を変えているのか、重要事項を見つけるヒントです。

技術の変革はMooreの法則によるとすでに5年前と比べても5倍近い速さで進んでいるといいますので、人間の思考のスピードではとてもついていけません。すでに2021年には人間の知識力を超えるだろうと言われています。実際にある分野ではとうに人間の知識力IQを超えているのです。

(*ムーアの法則=Gordon Moore博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」その分スピードが速くなる。公式:集積回路上のトランジスタ数は「18か月(=1.5年)ごとに倍になる」)

この1年間、いろいろな国の人々、各国のMBAの生徒にエグゼクティブ・セミナーをするたびに新製品の開発の話をしてもらいます。課題は今までに自分たちが見たこともない商品、誰も考えたことのない商品を考えてください(Out of the box/自分の殻を破って考える思考)というものです。

技術の変革スピードはデジタルにより加速度的に早くなっています。

しかしこのような話を聞くと皆さんはデジタル思考になってしまい、アナログ思考とのHybridができなくなり、アイデアはものすごいのですが、AIでも考えられる思考にはまっているのです。

ではどのような本質的な思考法が求められるのでしょう。それは本人の問題か、それらを教える指導者のせいかもしれません。あるいは会社の人事、幹部のせいか、幹部を育成する会社自体がまだ追いついていないのかもしれません。

その時に皆さんはどう考え、対応しますか。出来ますか。

絶対に必要な重要事項であることを認識していますか。

杉井要一郎 / 2017年1月第4週号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.

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