2月第2週号 自分自身のリーダーとしてのスタイルを明確にしていますか。 2017年はリーダーの変容期です。

#157

混とんとしたグローバルでの競争社会において、例えば北朝鮮からの挑発に対し、リーダーはどのようなスタイルをとるのが良いかを自分で考えなければなりません。

企業の大変革が始まり、20年後には今のビジネスの30%が新しいビジネスモデルに変わっているといわれています。

  • 緊急事態に対応できるリーダー
  • 新しいことを考え実行する勇気があるリーダー

自分の姿、思考、姿勢を鏡に映しだしてみてください。

今回北朝鮮の挑発的行動はたまたま安倍首相がアメリカのトランプ大統領との会食中に起こりました。
その時の両者の態度は毅然としたものでした。多くを語らず、しかしその裏には強いメッセージとそれに対応できるだけの自信が込められていました。
これからはこのようなことが身近に次々に起こる世の中です。

世の中ではもっと複雑なことが表面には見えない中で進んできています。今年の1月から毎日のように新聞、テレビ、SNS, 雑誌・書籍等のメディアで大きく取り上げられているAI(Artificial Intelligence), ブロックチェーン(Blockchain)およびバイオテクノロジー(BIO)です。これらは目に見えないけれど私たちの身近なところ/身近なことで大きな変化が起こりつつあるのです。今から準備をしておかないと5年、10年はあっという間に経ってしまい、気がつくと変化に乗り遅れてしまいます。

いろいろな仕事がAIやロボットに取って代わられ、ブロックチェーンによる4つのモデル(スマートコントラクト・自律分散型企業・オープンネットワーク・自律エージェント)が様々なビジネスモデルに革新をもたらすからです。これらの課題に対してどれほどのリーダーが未来の創造性に関して真剣に考えているのでしょう。バイオテクノロジー(BIOTEC)に関しても全く同じです。未来の食糧問題、燃料問題、病気の解明等すべてが現実となってきています。

これらの未来の姿が5年~20年後には現実になるのです。
その現実になった時の自分の思考スタイルを知っていないと他人の思考法に追随することになります。

leadershipスタイルとは、安倍首相のstyle、トランプ大統領のstyle、そして自分のstyle等を別のリーダーのスタイルとの相対比較をすることです。

日本(のリーダー)は先進国の間でも比較的目立たず、友好的で穏やかなエミアブル(友好派)のおとなしい国です。Debateするのは得意ではありません。他人の意見を聞き、自分の意見を声高に主張することをしないタイプです。倫理観と道徳心を昔から持っている国民と言えます。相手を敬い、信用するのです。一般の人たちもSNSや新聞、テレビの報道、インターネット情報、雑誌書籍等を素直に信じる国民です。DeNAのキュレーション事件などからもわかるように、公共の場での発言、アナウンスメントに対しては無防備であり、それらの情報はあまり検討さえもされておらず他人の情報をコピペ(Copy and Paste)したものです。
本当にそれで良いわけがありません。それらの反省をしているのが日本の姿です。もっと自分の意見を強く出す必要がある場合もあるからです。特にリーダーとなると自分の意見を持たなければならないのです。 

では情報が氾濫し、誰もが自由に情報を発信できるSNSの社会において、会社、団体のトップに立たれる皆さんの常識と倫理観は強固で論理的に説明ができ、自分に納得できるものでなければなりません。

それこそ自律思考の日本型リーダースタイルでなければならないのです。皆で渡ればこわくない、2番手で市場ができてからついていくという、昔ながらのやり方はもう当てはまらないのです。なぜならばアジリティーの時代だからです。(Agility Leadership/リーダーの姿も迅速に変化する)
1970~1980年代に日本経済が強くなり、バブルがはじける1990年までのアメリカのリーダーシップLeadership の本には日本人と何が違うかという事が書かれていました。日本人はアメリカ人の個人崇拝的なleadership理論を崇拝しているのです。日本人には無いからです。それなら日本のリーダーはトランプ大統領のように個人主義的なleadershipを常に求めているのかというとこれも全く違います。一般常識も含めて日本人は自分の意見を論理的に話せる人は本当に少ないのです。
日本は島国で農耕民族であるがために、一年というスパンで全てをチームで考えお互いにサポートすることにより社会が成り立ってきました。

ではAI, ブロックチェーン、バイオテクノロジーなどの未来はどのようにしたら良いのでしょうか。未来に向けて変容する思考力を今から学ばなければならないのです。会社の社員育成、組織、大学の教員の在り方などオープンに話せるようにしなければならないのです。

これらをマスターするためには日本人が持っている過去からの習慣、勉強法、会社における課題解決方法を変えなければなりません。

過去のことからは得ることが多くありますが、未来を考えるにあたっては取り除かなければならないことがもっと多くあるのです。次回、自分が変わるための法則で詳しくお話しします。
日本人が自分の強い軸をもってしっかりと思考すればSNSに騙されたり、FAKEキュレーションしなくて済むのです。それは自分で判断力を持つことです。

一流企業のリーダー、中級会社のリーダー 小企業のリーダーなど組織規模によって内容は全く違いますが、いずれもリーダーには部下がいます。アメリカは人口が3.1億人で大企業が多いために、一つの企業の大きさが日本の企業の何倍もあります。ですから組織リーダーの話をする場合は一流企業のリーダーの話が多いのです。

もう一つの大きな理由はアメリカンドリームです。海外からアメリカにわたって裸一貫から大金持ちになった人の話です。このleadershipとアメリカンDream、この2つがいつもアメリカ国民の象徴の話題になります。

アメリカは人種の坩堝となっています。
アメリカンドリームとして世界で一番有名で大きな会社になる、世界で一番になるというのが国民の一番の夢です。この場合の一番とは大金持ちのことを指しています。

世界中を自分らの力で幸せにするのだと言って共産主義を排して資本主義が台頭してきたわけです。

会社は個人の点から始まって、個人と個人がつながり線、面(チーム)になります。
その組織も大きくなるとチームの集まりになり、グループになり、チームリーダーからグループリーダーが必要になるのです。

中央集権的なleadershipです。Center pedal遠心力を待たなければ大きな組織は経営できません。

1980年代には日本のチーム力、Teamのleadershipの本がよく出ました。アメリカでもよく売れていました。今でも日本のチーム力の本は日本企業で読まれています。それはグループとしての話です。

それらはチーム力、さらにはチームリーダーの強さを学ぶことが必要な本です。今でも日本人のチーム力、アメリカのリーダーシップの本は鉄板の基本なのです。日本人の書いているleadershipの本は倫理、道徳、啓蒙、帝王学が多いのも個人としてのleadershipよりもチームとしての全体の話が実際に必要であったからです。 

自国優先、個人のチャレンジなleadership challenger。
挑戦者でなければいけないということが先ずあり、その次に組織としての発達、この二つが重要なビジョンになってきたのです。

20世紀のコンピューターによるオートメーション化とグローバル化は21世紀に入ると全く内容が変わってきました。

これらを含めてこれからの日本人のleadership、未来に向けてどのようなリーダーになることが必要かを考えましょう。

杉井要一郎 / 2017年2月第2週号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.

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