4月第2週号 今回は良いチームがなぜ成功するかの話です。そのための5つの条件です。 仕事、スポーツ、芸術などだけでなく、宗教、クラブにもチームがあります。

#165

明確に競争を表に出してチーム同士で競うチームもあれば、ハイキングやアドベンチャーのように自分らだけで戦うチーム、寄付金を集めるためのチームもあれば、エンターテイメントなどで即興で作曲を作るチームなど様々なチームがあります。


1.成功するための前提条件がわかれば本当に成功するのか
2.人間の論理と行動はどのように連携しているのか
3.倫理と感情はどのように関連してくるのか
4.成功の法則と人間の醸し出す脳内物質との関係はどうなっているのか
5.自分らと新しい環境との融合はどうなっているのか。

これらのチームのリーダーは皆、結果を良い方向にもっていこうと努力をしているのです。でもそれらが上手くいかなかったり、成功したりするのはなぜでしょう。

⓵チームの場合にはリーダーが結果を出すのですか
⓶チームのメンバーが結果を出すのですか
⓷リーダーが与える影響が後になってチームの力となるのですか
⓸チームが持っている力をリーダーが引き出してそれが後になって結果となるのですか
⓹自分たちだけでなく全く別の対抗チームによる影響が成功に近づけさせてくれるのですか。

今ご自分のチームがどのようにして未来の結果を作っているのかを考えてください。この答えが良いというものではなくて、まずは現況のアセスメントです。

例えばオーケストラの場合指揮者がとても大切なリーダーになる時があります。
合唱団の指揮者がとても大切なリーダーを演じる時があります。

  • 学校の場合は校長先生ですか。
  • 会社の場合は社長ですか。
  • サッカーの場合は監督ですか。

このような人たちが発揮するスキルというのはどのようなものでしょうか。このような人たちがチームの環境を左右したり、文化を作ったり、外に対して影響を与えているのですか。
それともメンバーに対して外から影響を与え、そのチーム内から出てきた結果を外に表出させているのですか。
リーダーが優れていればなんでも成功するのならば本当に皆さん良いリーダーをつくればよいのです。

ここで問題があります。リーダーが与える影響(Influence)とは何でしょう。
今までは内なる課題を取り上げてきましたが(Intrinsic)、本当は外からの影響Influenceが50%以上の割合を占めているのではないですか。

まず所属しているチームの倫理Ethicsがあります。倫理の下位には、道徳、マナー、エチケット、ポリシー、ルール等があり、これらはそのチームの決まり事であり、チームによっては全く違う倫理観があります。
医者の倫理、弁護士の倫理、公認会計士の倫理、食堂の倫理、貿易会社の倫理、政治家の倫理、スポーツの倫理、自分らが所属するチーム団体の倫理があり、その下にいろいろなルールがあります。その細かいルールはチームごとに違うのです。

これらの倫理と健全な精神と健全な身体の上に全てがあり、それらが相乗効果として自分らの目的に向かって進んでいくうちに環境に適合した常識が出来てくるのです。

あなたは本当に良いチームメンバーであり、良いリーダーですか。
それはどうしてですか。
リーダーとしてチームを率いる際の重要事項5点です。

1.チームの目的が明確であること
2.メンバー全員がコミットしていること
3.倫理観があること
4.スキルがあること
5.お互いをみとめていること

良いチームのリーダーは、チームメンバーが肯定的に考え、目的に対して常に前向きでお互いを尊敬しあっていくような環境を作ります。
さらに切磋琢磨して未来に挑戦し、互いにスキルを鍛錬していかなければ良いチームとはならないのです。
そして外に向かって挑戦している姿が見えるのです。

チームリーダーがこれら内外の気持ちをキチンと束ね、目的を達成するのはそう簡単ではありません。それはリーダーの資質によるものだけではないし、チームメンバー個人、全員の性格、自尊心、信念、価値観、目的を達成するためのスキルレベルによるからで、それらを一つにまとめるのには特別能力がいります。

明確な目標を持ち、団体、会社、チーム、個人全員が発達段階的にKPI(Key Performance Indicator)を持ち、最終的に素晴らしい成果をあげています。
素晴らしいというのは比較論です。
最初はこんなこと出来っこないと思っていた大きな夢がいつの間にか叶っているのです。
これも自分に対する比較論です。
今では小学生でもこのような目的志向的なプロセスに挑戦し、行動しています。
問題は大人だけが制限された信念を持っているために、自分を止めてしまい、若者に取り残されているのです。
皆さんは100歳以上生きるのです。Life expectancy 長寿命です。自分に聞いてみてください。
50歳を過ぎた方は、今までの思考法を捨て、新しい時代に向けての挑戦を可能にするような自分へのご褒美をどのようにして作ればよいのでしょう。

全体が見えてから物事を進めるという事を少しお話しします。全体を見るということは経営、リーダーの大切な資質の一つです。この話は多くの社長が常にやっている経営のことです。
特に問題解決や、新しい計画を立てるときに必要です。システミックVIEWとは全体が明確に分かって理解できることを言います。この見方には内から見る見方、と外から見る見方があります。この両方を見るのが全体観察です。100歳まで生きるという事も人生の観察像です。

ダイナミックな活動に関しては、システミックの静的な土台があるから活動できるのです。その後のプロセスフローSystematic に入っていくのです。システマティックとは最初の全体像が動的に未来に向かって動いていく姿を言うのです。

最初に皆さんはものすごくモチベーションをもってチームに入り、メンバーとして活躍し始めます。

ところが最初に述べたように時間がたつとこのチームにも変化が現れるのです。システミックに物事をとらえていたはずのものがダイナミックにシステムとして動き出すと、そこにはいろいろなひずみも出てきます(コルフの発達段階的理論)。 そしてせっかく上手く始動したチームですが、コンフリクトを起こしチームが嵐の中に突入します。リーダー、チームメンバーがけん制したり、主張したり、折れたり、ジェラシーを持ったり、自分の自尊心を傷つけられたり、わがままな人の性格を直したり、人のセイにしたり、直されたり、許したりして皆が一つの方向に向かう時の葛藤が起こってそれらが全員のコンセンサスとなった後、前進したときに強くなってPerformanceを上げていくのです。

ここまでくればやっと本当のチームが出来たのです。(このストーミングをわざと起こさせるのもコーチの役目です。)

では第二段階の良い結果を出すというチームはなにがすぐれているのでしょう。

これからが本当のリーダーの出番です。
人をリードしていく技術も必要ですし、またはサーバントリーダー的な人も必要です。上から目線的思考、上下左右、間とか現実の見える部分の裏側も含め、全体が見える人が一番必要なのです。
小さいところをいくら解決・処理しても全体が見えないから終わりがない。だらだらと小さいことばかりやりPriorityがつけられない。
そのためにLeaderは全体の話Systemic Viewをして, マネージャーはそれをプロセス思考的にこなし処理するProject managementに落としていくのです。
チームにおける下の人は小さいこと、戦術的なことがすべてのため、たくさんの物事を知っているように作業の話を100も1000もするのです。これは全体が見えないからです。そして自分を顧みず、自分を棚に上げて上の人の批判ばかりします。どうしても詳細にこだわるから数が多くなり、その中には全体から外れた内容があっても良いからです。

このような人を如何に全体が概念として見えるようにするのがリーダーです。
この話はいくらでも続きます。
今日のまとめは、環境が全てを作り出すという事です。
新しい環境に適応するという事です。
その環境をリーダーが作り出すのです。
時には今までよいチームに対してマンネリにならないような刺激を与えたりするのです。

今がその時です、というのは皆さんが環境を変えなくても世界中の政治、経済、社会がマンネリ化した環境を覆しているからです。その際先鋒がITリテラシー、IoTなのです。

杉井要一郎 / 2017年4月第2週号 © 2017 Gledis Inc. All rights Reserved.

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