2018年1月21日号 今、ビジネスを変容させる上で最も重要で且つ緊急なものは何か。 ~重要事項と緊急事項~

#195

それは人工知能の発達に伴い何が無くなっていき、何が新しく生まれてくるかの全体認識です。その上で私たち健康な成人は何をすればよいのかを考えなくてはなりません。その迷いの真っ只中にいるのです。それらを最初から理解しているのがエグゼクティブコーチです。


人工知能AIが加速度的に進化していく中でこれから無くなっていくビジネスや教育で、直ちに行動すべきものは何か。
これらはエクスポネンシャル(指数関数・幾何級数的)に変化していきます。それらは本来ならば緊急事項ですが、実際はゆでがえる状態です。

逆に全く新しく勉強しなければならないことが増え、今までずっと続くと思われた仕事、サービス、学校、その他の講師、教師、コンサルの仕事が消滅していくのです。すべてAIが関連しています。どのような職業が消え、どのような職業が残る、あるいは新しく出てくるのか、世界中の有名大学がそれらのリストをだしています。リストアップされた内容はほとんど類似しており、残るとされている業種や職種でも、もっと良くなるための変革、全く新しい改革を余儀なくされています。

それはAIのプラットフォーム(Fintech,コンシェルジェ、チャット、分析/改善、メディア、ロボティクス、音声解析、画像解析、感情認識、機械学習、項目、自然言語解析、マーケティング等)が普及し、ほとんどの知識や答えがあるものはAIが人間に替わって間違いなく答えてくれるからです。
もちろん今から勉強しなければならない必要な知識もいっぱいあります。それは自分の将来のスキルとなるための知識です。それらのスキルを自分のものにするにはますます世の中に出ていない知識を吸収しなければなりません。


ここではその知識を3つに分けてお話しします。

教師的知識:私が自分(エグゼクティブコーチ)のAIを作ろうと思ったのは2017年の4月です。AIプログラムの専門家から、私の全ての論文、教科書、セミナー、プログ等をDeep Learning すればそれらはAI化できると言う話を聞いたときです。
エグゼクティブコーチング(私が専門でやっている仕事)を全部AIに置き換えることが出来たら仕事が楽になり、もっと上級の思考を教える時間が出来ると思いました。そして私が研修しているビデオを全部渡してこれで私のAIを作ってくださいとその方に依頼したのです。DVDを渡すと、喜んで、とAIのプログラマーは言いました。
ところが数日すると、これらは現在ではできません、という答えが返ってきました。
一部は使えるのですが、そのほとんどが非教師的な内容だからだそうです。

この私の経験で3つの知識を整理してみましょう。

①   質問に対して明確な一つの答えがある知識。クローズドな質問です。 
日本の首都は何という都市名ですか? ブラジルの首都はどこですか?ではブルガリアの首都は?

②   スキル、能力を得るための知識。オープンな質問で答がいくつもあるので自分で考えて、または相手に考えさせて出てきた知識です。これらを身につけるためにはどのようなことを勉強すればよいのでしょう。自分の知らないことを見つけるにはどうしたらよいですか。3年後の1月10日の天気は?
哲学、人生観、ビジネス感覚、交渉、プレゼンテーション、未来想像。これらが能力を作るために必要な知識です。プロジェクトマネージメント力、交渉、接触力。これらが人工知能(AI)を利用する上で必要な知識です。すべては実践、経験により磨かれる知識です。研修講師、大学の先生方でこれらの経験をした人だけが生徒に教えることが出来る部分です。これらを自己認識されていないこと自体が大きな問題なのです。

③   マインド、精神にかかわるものの知識。自己認知、宗教哲学、心理学、神経科学(脳、末梢神経等)、宇宙力学(ユニバース)  

人間にとってこれから必要な勉強を今すぐに若者たちやリーダーに教えなければなりません。さもないと気がついた時には人はAIに追い越されているのです。
会社の組合、一般社団法人、ライセンス事業などの、今まで政府に守られていたものが崩壊していくのです。資本主義が生んだ新しい社会の在り方の変換期に来ているのです。

これがその3つの答えです。

現在言葉、画像を取り込むことは90%完成されていますのであとは人格、品格、倫理、形而上学的な非教師的な課題が残っています。

思考の変容とは如何に自分の能力を上げるかを勉強することなのです。AIの機械学習に負けない人間を育成するのです。
多くの企業は現在崖っぷちに立っているのです。生きるか死ぬかの瀬戸際です。

今のほほんとしている会社の社員、公務員、学校の先生たちに警鐘を鳴らしているのです。今、人間の在り方を追求するときなのです。Leadershipが問われているのです。
Do not be afraid 恐れることは何もありません。決断をするときなのです。立ち向かうことをためらっている場合ではありません。ぬるま湯で、気持ち良い、心地よい(Comfortable)ゾーンから脱し、人間本来の幸せを追求するための 変革をする幸せな人生の創造主になることです。人間の習性である思考、行動の遅延癖に浸っていてはならないのです(Procrastination)。

これらがわかるのは今70歳以上で働いている人、または20歳以下の青少年たちです。すでに文科省も危機感を感じて学校の先生を訓練しています。若い先生は良いですが、40代、50代、60代の先生は固定観念、信念、過去の成功・バブル体験等の古い知識に則っているため変わることが大変です。古き良き時代は変わったのです。皆さんは変容しなければならないのです。でもそれを信じたくないのです。知りたくもないのです。過去から得た会社、生活、仕事が居心地よいのです。未だ夢を見ているのです。

同じ夢を見るならば、未来に向けて新しいパラダイムへの挑戦をどのようにすればよいかを夢見て、そのVisualize可視化した一枚の絵に向かって行動してほしいのです。
それが働き方改革であり、勉強改革なのです。

人工知能だけでも世の中大きく変化しているのです。
その他金融におけるFintechもしかりです。現在ITリテラシーによって大金持ちが多く生まれています。資本主義の一つのコアな部分です。

人材を育てましょう、自分から変われるような人材です。
これらの変革が出来る人に教育してもらいましょう。
それらのグループを作りましょう。
若者はリベラルアーツを学び、数学、経営、文化、スポーツ、芸術、文化、哲学、心理、グローバル思考、、、、全てを網羅できるよう自由に学びましょう。

そのために不必要なビジネス、教育は排除しなければなりません。
新しい学問を作るのと同じくらいに苦しいかもしれませんが、皆さん挑戦しないと本当にこれらに取り組んでいる国、社会、ビジネス、学校に追い越されてしまうのです。
今まで何もなかった海外の人たちがすぐに取り入れることが出来るようになるのです。
中国が良い例です。現在AI大国になるべく国を挙げて取り組んでいます。14億人の人口の30%、4.2憶人が真剣にとりくんでいるのです。

国を挙げて税金を無駄に使っている作業に、エキスパートシステム、ロボット、チャットボット、工場のイントラネット、5Gのネットワーク、自動処理器、案内等を組み込むことで60%の予算の削減を目指しています。もちろん徐々にですが。公共事業でも60%の人が必要なくなります。電車やバスの運転手、公務員の無駄な会議、無駄な建物/スペース、必要ないポリシーなどです。会議の進行や課題の精査もAIがやってくれて無駄な会議をなくしたり、進捗管理もしてくれるので効率的にできるようになります。
人工知能には年齢、性別、職種、過去の実績、エネルギーの問題、しがらみ、好き嫌い、学歴等の差別がない上、趣味も持っていません。
ところが人間はこのようなITリテラシーのおかげで、医療、食事、心身の健康への興味関心が高まり、その結果戦後70年で30年以上も長寿になりました。
日本の男性は80歳以上、女性は88歳以上の寿命です。あと10~20年すると、平均寿命は100歳を超へ、150歳は可能になるのです。その上に再生医療(山中教授)により200歳までも生きるようになってくるのです。
皆さんは今どんなことを目的として人生を送っていらっしゃいますか。

人工知能は素晴らしい可能性を人々に与えてくれる一方、人間はある部分で人工知能を凌駕するような存在にならなければなりません。そのために学校は何をすればよいのでしょう。
まずは先生方に何を勉強すればよいのかを気づいてもらうのです。
そして実際のビジネスをしている、またはAIも判っている人たちに今迄以外の知識、能力がどのようなものなのかを至急に勉強してもらうのです。実際のビジネスを知らない先生方に特に大至急お願いする次第です。さもないと生徒がかわいそうです。
それらを我々が提供するのです。その提供する人たちを訓練するのです。(3T, Train the Trainer)

杉井要一郎 / 2018年1月21日号 © 2018 Gledis Inc. All rights Reserved.

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