8月第4週号 文化と風土、明るい雰囲気の文化を持った会社とそうでない文化の会社はどのようにして作られて行くのでしょう。力が満ち溢れている企業は気持ちが良いですね。

#78 Vision coaching

組織と社員に深く根ざした企業文化は、とても長い熟成期間の中で進化、発展していきます。これらは重要事項といって良いでしょう。

オープンで肯定的な文化の中にいる社員、トップはその会社の雰囲気だけでなく、経営の仕方や長期的なビジョンからもすぐわかります。

しっかりした、軸のある、徳のある会社ほど物事を大きく見る力を持っているのに対して、そうでない会社は何時も小さい夢と身近な変化に対して敏感に大きく揺れ動かされているのです。

ビジョン・コーチング


常に強いビジョンを持っている会社は、人生の旅をしていてとても安心できます。チョットしたことにはびくともしないし、もし何かの景気変動や、突発的に経済的な悪化があっても未来を見据えているから大丈夫なのです。
大企業にはよくみられる事業が安定した企業です。又企業の大きさは同じでも時代の趨勢に順応しながら変化に対応している会社もあります。これは文化ではなくて日常の言動がしっかりとできていて揺るぎの無い信念のもとに経営をされている証拠です。これらは挑戦型の企業です。

2015年、世界中のグローバル企業は世界的な景気変動に巻き込まれ、毎日が経済の劇的な変化にみまわれているのです。そしてその波は未来に向けての方向性のかじ取りを難しくするほどの複雑さと、追いついて行くのが困難なほどのスピードを持ってグローバル化した大小の企業にトルネードをもたらしています。従来は国ごとにあった社内の決断システムは、あまりにも多くの人(平均では4名以上と言われています)が関与するために同意に時間がかかり、プロセスが統一できず、その結果混乱が起きているのです。

今では規模だけでなく、小さなチームでさえもオープンでしっかりした文化の企業と荒波とトルネードが来るたびに洗い流される企業があります。スピードです。彼らは変化のスピードの波にのみこまれているのです。このスピードと波の大きさに耐えうる組織をグルーバルで構築していかなければなりません。
外資系の会社(日本に本社がなくもともと日本以外で成長した会社)と日本で育ちで日本から海外に進出している企業は荒波・トルネードの中でのもまれ方が違います。変化のスピードと、グローバルと言う大きな圧力です。

同じ社員でも、チームの力がこれまでどのように育まれてきたかによって波や風に対する抵抗力と建設的な緊張感の持続の仕方が違うのです。

小さなチーム単位の育成も文化といってよいでしょう。これらはどのようにして育まれてきたのでしょうか。
この複雑に絡み合った世界的な景気の大きなうねりの中でこのしっかりした文化を持った企業はどのように作られてきたのでしょう。チームのうねりとはどの様なものをいうのでしょう。グローバル企業は世界中で同じ教育をしているのです。それは一人ひとり個別の場合もあれば営業やマーケッティング、人事でさえも共通のビジョン教育を受けているのです。

向上心の促進や価値観の拡大が起こるような強い言葉と風潮が、特にチームの場合には、多くの人が連鎖された力となる、その辺りを世界中で共通の教育を通して企業の文化を作ろうとしているのです。

トップはたびたび変わるけれども社員は変わらずに、いつもの仕事を十年一日のごとく行っている会社。
若い人は未来を見ているので向上心があります。お客様はその都度変わりますが、社員はいつも明るくチャレンジをしているチーム。相手(企業)に教えてもらうのではなく、相手を巻き込むようなコミュニケーションと雰囲気を持った能力、智力のある社員です。

企業文化でさえもひっくり返されかねないくらいの強大なトルネードが起こる企業のエグゼクティブは、強く揺るぎのない軸のあるチーム作りが出来るリーダーを育成する必要があります。

それらが実現できるように、今回は社員、チームの共感・共鳴板をいかに大きく強くするかを考えましょう。
共鳴板とは価値観を一つに調整していくことです。

大きな企業はたくさんの能力が散らばっており、それらが繋がって共鳴をしているのです。
出来上がった共鳴版をいくつかの小さな共鳴板が支えています。
グローバルの小さい会社は社員の数が少ないために、共鳴版をもっと大きくしようとして大きな共鳴版のそばで訓練をするのです。

勉強をしながら徐々に強くなり発展をしているのです。

大きな企業は自社独自の文化価値観を示しながら小さい企業に共鳴させているのです。こうやって大きな企業の共鳴版は小さい企業をサポートして大きくなっていくのです。あたかも親が子供を育てるように。

子供を育てない企業は老化していきます。この厳しい景気の変動時期に育てられ、または外に放り出されて強くなって戻ってくる企業/個人はものすごく変化に強くなり、抵抗力がついています。適度な又は激しい緊張感と挑戦力を磨いてきたのです。この力が従来の文化に合流しさらに強い文化になるのです。

今我々が研究している日本のグローバル企業は、世界中の全社員に対して同じ教育をやっているのでしょうか。それは疑問です。日本発で世界中の教育を一つにする方法を取らないで、一人の人、リーダーを作るような方法が多くみられます。
それは同じ教育だといつでもだれでも必要に追われて直ぐ変えられるという恐れがあるからです。
長い間に培った日本の文化がチームの和と言うのを重んじて、一律のグローバル教育を拒んでいるのです。

今日はこの5つの例を挙げて一般の会社のソシアルスタイルを考えてみましょう。これらは殆どが日常的にある光景です。

次に一般的ではなく、自分の事を振り返るフィードバックです。
他人のことは幾らでも話せますが、自分のこととなると分かっていないことが多いのです。それはあなたが他人のことは良く気がつくけれども、自分のことは全くわかっていないので、その間にコミュニケーションギャップが起こるのと同じです。

グローバルの企業はこのソシアルスタイルが全く異なる人達から成り立っています。それらの上に企業共有するので内容は色々なものを含み膨大になるし、又一回限りではなく長期になります。長期になるだけでなく階層別にやるので、費用もかかります。日本の企業は目に見えない教育にはあまりお金をかけないで目に見える設備とかに投資をしますが、ここが本当のグローバル企業と日本のグローバル企業との違いです。
それには言葉の違いもあるのでしょうが、グローバルの統一教育をするよりも日本から担当が行って現地での教育をする方が相手にとっても気持ちが良いからです。早くこの思考を変えないといつまでたっても本当のグローバルの会社にはなり得ないでしょう。海外に本社を移す企業はこのようなグローバル教育をして人材の育成をしているのです。

世界中の意見を一つに取りまとめ、チームのスキルをあげ、共調した日本のグローバル化を推進するためにも自分の共鳴版をこしらえてください。あたかもオーケストラのコンダクターのように...。

杉井要一郎 / 2015年8月第4週号 © All rights Reserved by Gledis Inc.

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